第81話

文字数 2,934文字


源三郎江戸日記(弟二部)81

すみませぬお供出来なくてと言うので、お滝も置いていくぞ、七衛門と配下、若狭屋、越後屋、江戸屋と富蔵達が同行すると言うと、鉄砲はもって行きなされ、殿ならなんなく操作出来、
ます、火薬を詰めた紙袋を作っておきますので、これを入れて玉を込め棒で押し込めれば直ぐに打てます、狙いは必ず5寸程下につけます、反動で銃身が上に上がる為ですと言うので、
わかった、

上屋敷に使いを出して、後4丁を持ってきてくれと言うと、ハイ、藩士の方に持って来てもらいますと言って、小者に取りにいかせますと言うと、文を書いて渡したのです、お峰に75両、
を綱豊様から拝領したと渡して、葵のご紋の入った珍しい小判だ、皆に分けてやれというと、取り出して本当ですね、次期将軍様の小判ですか、みな、喜びます、母上様とお律殿にも、
渡しましょうと言ったのです、

源信様が来ておられますと言うので、部屋に入ってくれば良いではないかと言う、ハアと言って、銭屋に一人の浪人者がはいりまして、床下で話しを聞きましたら、その男は四谷にある、
吉野道場の師範代で佐々木小太郎と言う者で、浪人20人を集めて相模原で待ち伏せするようですと言うので、そうか、侘びに来ないと言う事はわしと戦うと決めたわけだ、その後殿の、
文を手代に渡しましたら、

呼んで偉く怒りまして座卓を叩きましたよ、何を書いたのですかと聞くので、過激な文を書いて煽ったのだよ、それで店を出て日本橋の料理屋、霞に行き機嫌が悪いので女将がふてくさ、
れて自棄酒を飲んでいましたよ、芸者が10人程入りまして大騒ぎをしていました、蝦夷の仕掛けは連絡が来たようで、銭屋は隠れて、違う店にやらせて鑑札を取り上げられたら店の名前、
を変えてやるつもりですと言うので、

したたかな奴じあの、これが済んだら松前に行って、叩き潰してやるわと言って、その佐々木が動いたら知らせてくれ、横浜に輪芯寺と言う小さな寺がある、そこが逗留先だ小さな漁村、
なので、旅籠はないそうだと言っうと、承知、みなが張り切っていますと笑って出て行ったのです、暫くして上屋敷から5人の方が見えていますと言うので、そうか次席家老がよこしたの、
じあなと言って通せと言うと、

鉄砲頭山形以下4人に御座りますと言うので、鉄砲は頼んだがと言うと、我々もお供します、ご家老一人で行かせるわけには行きませぬというと、そうか、してそなた達は鉄砲の腕はと聞、
くと、5人とも200間先から肩を射抜く腕をもっておりますと言うので、わかった、手伝うてもらおう敵は鉄砲を使うかもしれぬ、青竹の弾除けを銘々用意して、鎖帷子、篭手、すね宛は、
着ける事じあ、

銘々鉄砲と火薬、玉をゴザで包み馬に積んでおけ、明日は横浜の輪芯寺と言う寺に集まるのだ、そこに逗留するので急がなくても良いぞ、わしは船で行くので、わしの馬を引いて持って、
来てくれ、持って来た鉄砲はここに置いていけ、それから毘沙門天の旗は忘れるな、竹は現地で調達すると言うと、承知しました、私たちもやっとご家老のお役に立ちますというので、
相手は浪人20名ばかしだ、

一ひねりじあなと笑うと、それではこれで失礼いたしますと言うので、待て、一献飲んで行けというと、腰元が膳の用意をしたので、足はくずせと言うと、出陣じあと杯を傾けたのです、
小判5枚を出して、ひとりづつ配り、これは次期将軍の綱豊様から拝領したものじあ、葵の刻印がしてある、家宝にせよ、助っ人の手間賃じあと言うと、みなが、これは珍しい物ですな、
ありがたく頂戴しますと受取ったのです、

山形がそれでは失礼いたしますと言うので、お峰に疾風を山形に渡してくれ、鞍は別の物をつけるように小者に言てくれ、山形これは上様からの朱印状じあ、役人に見咎められたらこれ、
を見れば、恐れおののいてすぐに通すぞ、お前に預けおくと渡したのです、承知しました、しからばごめん、と部屋を出て行ったのです、さて後はと言って、弟二段も用意しておこう、

もう一ひねりだなと源蔵に手紙を書き、銭屋の抜けに船は対馬藩の島で取引している、その船を襲い積みにを奪い、少しだけ残して、船子と用心棒を縛り上げ、船を長崎の港まで曳航、
して夜中に停泊させておけば、人影がないので役人が乗り込み調べるはずだ、抜荷が見つかれば、正規取引の入札を半年は停止される、その間に銭屋の船で南蛮品が見つかれば抜荷を、
やっているとして、

長崎から締め出されるので、半年は抜荷が出来ず、大きな痛手をこうむるので、実行して貰いたい、尚奪った抜荷は勝手に処分されたしと書いて、これを玄海屋の船で博多の源蔵に届け、
るように言ってくれと、お滝に頼んだのです、お峰が銭屋も馬鹿ですね殿を敵に回すとはと言うので、真鍋が煽ったのだろう、わしが綱豊様に気に入られたので、邪魔なのだよと言うと、

それでは色々何かを仕掛けてくるのですかと聞くので、銭屋にやらせて自分は知らぬ顔の半兵衛を決め込むのさ、今日会ったが悪知恵の聞く奴とみた、今回も新井白石を使って自分は、
表に出ていないからなあと言って、暫く泳がせておいたほうが良い、今に尻尾を出すよと酒を飲み干したのです、つわりは治まったようじあなと言うと、ハイ、順調に育っているよう、
ですと言ったのです、

翌日はお峰の用意した火薬と玉に鉄砲を大八車に乗せて、小者に引かせて深川の玄海屋に行き、船に積み込ませて、みなを引き連れて千石船に乗り込んだのです、船はイカリをあげて、
帆を張り江戸湾を走り2時で横浜沖に着き、小船に乗り換えて上陸して輪芯寺に入ったのです、網元が顔を出して、馬を用意して置きましたというので、七衛門が金を払うと、私の家、
にお泊りをと言うので、

大勢来るのでここで良いと言って、持って来て貰った弁当を食べて、この当たりには何人がいるのだと聞くと、ハイ漁師が50人いまして、家族を入れれば200人位ですというので、この、
浜の横の岩場に岸壁を作り千石船が泊められるようにして、港町の宿場を作るのじあがと言うと、ハイ、それはもう結構な事で、宿場で魚が売れれば、わざわざ、子安や戸塚まで行か、
ずに済みますと言うので、

戸塚宿より大きな宿場を作り、ここから町田、淵野辺、矢部、相模原、八王子までの街道を今の二倍の広さにする予定じあ、この港には千石船が20隻は横づけ出来るようにするのじあが、
近隣から何人集められるかな、一日二朱の給金をはらうがと言うと、そんなにいただけるなら500人は集められますと言うので、七衛門いつから始めるのじあと言うと、5日の内に江戸、
から資材を運び込みます、

6日後から始めるので集めてくれと言うと、網元が分かりましたと言うので、七衛門が50両渡しこれはそなたの口利き両だ、そしてこれが漁師への迷惑両だと250両を渡し、一人5両づつ、
渡してくれと言うと、こんなに貰えるのですかと言うので、取っておきなさいと七衛門が言うと、ありがとう御座います、なんでも、言うてくださいと言ったのです、飯も食うたし検分、
に行こうと言って、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み