パーティ結成 -7-
文字数 1,249文字
「うーん。だるいけど起きるかー」
そう言ってフミトは上半身を起こした。立ち上がろうとした矢先、地面から木の根のようなものが飛び出し、フミトの足に絡みついた。
「うわっ!?」
立ち上がろうとしていたフミトはバランスを崩し、地面に倒れ込んだ。すると、そこにまた木の根が飛び出し、今度は両腕に絡みついてきた。フミトはうつぶせ状態で地面に磔になってしまった。
「フミト!」
「何だこれ!? 動けないっす!」
二人の視界に「クリーチャーが現れた!」というガイドが表示された。コージは慌ててルミナティソードを呼び出す。もがくフミトの身体を傷つけないよう気を付けながら、根を切っていく。
『ギィーーーー!』
ガラスに爪を立てるような音と歯ぎしりの音が混じったような、すこぶる不愉快な叫び声が響いた。耳を塞ぎたいのを我慢して剣を振るい続け、ようやくフミトを脱出させることに成功した。
「ありがとうございます! 何だこいつはっ」
手足の自由を奪われて、耳を塞ぎたくても塞げなかったフミトだが、ようやく耳を塞いだ。これ以上ないくらいに顔をしかめている。そしてその不快な声の元凶が、地の下から姿を現した。楕円形の三枚の葉に、すぐ下は人の胴体と脚のような形の茶色く太い根。その胴体部分には目や口があり、不快な奇声はその口から発せられていた。敵の名前はマンドラゴラ。
『ギィーーーー! ギィーーーー!』
「あーくそ! うるせえ!!」
奇声に耐え切れず、フミトは矢を放った。不愉快な声のせいで狙いが定まらず、矢はマンドラゴラの葉の一枚を貫通しただけで終わってしまった。
『ギィヤァーーーー! ギィヤァーーーー!』
声は悲鳴のようになり、さらに不快度が増す。ずっと聞いていたら、発狂してしまいそうだ。こちらが手をこまねいているのを見て、マンドラゴラが攻撃に移った。奇声を発するのを止めて口を窄めたかと思えば、勢いよくドングリサイズの種を大量に吐き出してきた。コージたちは慌ててよけるが、何粒かは身体にヒットしてしまう。
【体力】
コージ――105/108
フミト――80/83
幸い、身体への被害は大したことはない。種を避けつつ、反撃に移る。マンドラゴラまであと数歩というところで、敵は種を吐き出すのを止めて悲鳴を上げ出す。
「ぐっ……」
至近距離での悲鳴は耐えられるものではなく、両手で耳を塞ぐしかない。耳を塞いでいる間は両手が使えず、攻撃できない。再度距離を取るほかなかった。敵はすかさず種攻撃に移る。
こちらが距離を取れば種を吐き出して攻撃し、近づけば不快な奇声を出す。コージ達は敵の戦略にハマってしまっていた。だが、このまま黙っているわけにもいかない。コージは動いた。
「俺が引き付ける! フミトは弓で攻撃してくれ!」
コージは敵を中心に、円を描くように走り出した。フミトから遠ざかってしまえば、敵はどちらか一方にしか種攻撃ができない。フミトは頷いて矢を番えた。敵はどちらを攻撃するかキョロキョロした後、動いているコージの方に種を放ってきた。
そう言ってフミトは上半身を起こした。立ち上がろうとした矢先、地面から木の根のようなものが飛び出し、フミトの足に絡みついた。
「うわっ!?」
立ち上がろうとしていたフミトはバランスを崩し、地面に倒れ込んだ。すると、そこにまた木の根が飛び出し、今度は両腕に絡みついてきた。フミトはうつぶせ状態で地面に磔になってしまった。
「フミト!」
「何だこれ!? 動けないっす!」
二人の視界に「クリーチャーが現れた!」というガイドが表示された。コージは慌ててルミナティソードを呼び出す。もがくフミトの身体を傷つけないよう気を付けながら、根を切っていく。
『ギィーーーー!』
ガラスに爪を立てるような音と歯ぎしりの音が混じったような、すこぶる不愉快な叫び声が響いた。耳を塞ぎたいのを我慢して剣を振るい続け、ようやくフミトを脱出させることに成功した。
「ありがとうございます! 何だこいつはっ」
手足の自由を奪われて、耳を塞ぎたくても塞げなかったフミトだが、ようやく耳を塞いだ。これ以上ないくらいに顔をしかめている。そしてその不快な声の元凶が、地の下から姿を現した。楕円形の三枚の葉に、すぐ下は人の胴体と脚のような形の茶色く太い根。その胴体部分には目や口があり、不快な奇声はその口から発せられていた。敵の名前はマンドラゴラ。
『ギィーーーー! ギィーーーー!』
「あーくそ! うるせえ!!」
奇声に耐え切れず、フミトは矢を放った。不愉快な声のせいで狙いが定まらず、矢はマンドラゴラの葉の一枚を貫通しただけで終わってしまった。
『ギィヤァーーーー! ギィヤァーーーー!』
声は悲鳴のようになり、さらに不快度が増す。ずっと聞いていたら、発狂してしまいそうだ。こちらが手をこまねいているのを見て、マンドラゴラが攻撃に移った。奇声を発するのを止めて口を窄めたかと思えば、勢いよくドングリサイズの種を大量に吐き出してきた。コージたちは慌ててよけるが、何粒かは身体にヒットしてしまう。
【体力】
コージ――105/108
フミト――80/83
幸い、身体への被害は大したことはない。種を避けつつ、反撃に移る。マンドラゴラまであと数歩というところで、敵は種を吐き出すのを止めて悲鳴を上げ出す。
「ぐっ……」
至近距離での悲鳴は耐えられるものではなく、両手で耳を塞ぐしかない。耳を塞いでいる間は両手が使えず、攻撃できない。再度距離を取るほかなかった。敵はすかさず種攻撃に移る。
こちらが距離を取れば種を吐き出して攻撃し、近づけば不快な奇声を出す。コージ達は敵の戦略にハマってしまっていた。だが、このまま黙っているわけにもいかない。コージは動いた。
「俺が引き付ける! フミトは弓で攻撃してくれ!」
コージは敵を中心に、円を描くように走り出した。フミトから遠ざかってしまえば、敵はどちらか一方にしか種攻撃ができない。フミトは頷いて矢を番えた。敵はどちらを攻撃するかキョロキョロした後、動いているコージの方に種を放ってきた。