チュートリアル -4-
文字数 1,190文字
『じゃ、次にクエストの説明をするね。ルナの中ではクエストっていうのを受けることができるんだ! 人助けだったり、バトルだったり、クエストはいろいろあるの! クエストを達成すると経験値とお金をもらえるよ! ぜひいっぱいチャレンジしてほしいな。ここでもらったお金は、現実の世界でも使えるんだよ! ”ルナペイ”が使えるところなら、どこでも支払いができるんだ!』
晃司の心が躍った。そもそもこのモニターに応募したのは、この世界で稼いだ金を現実でも使えるという謳い文句があったからだ。セレーネが言った”ルナペイ”というのは、今ものすごい勢いで加盟店が増えているQRコード決済方法だ。ド田舎の個人商店でもない限り、ほとんどの店が導入している。光熱費などの公共料金の支払いも、この”ルナペイ”は確実に使える。晃司が住んでいるのは都心部ではないものの、ベッドダウンとしてそれなりに栄えている街なので、ほぼ確実にどこでも”ルナペイ”で支払える。
つまり、本当にゲームの世界の金を現実で使うことが可能になるということだ。
『でも、クエストには危険が伴うものもあって、毒を浴びたり、麻痺して動きにくくなったりすることがあるんだ。そういう時は”ステータス”にコージの状態が表示されるよ。ステータス異常は薬を使えば治るよ! 薬は実際に飲んだり塗ったりするから、アームヘルパーのメニューから選ぶ必要は無いよ。普通に使えばOK! だけど、危ないと思ったら、無理にクエストを続けないで辞めてね。コージが苦しい思いをするの、私嫌だもん』
セレーネが両手を合わせて祈りのポーズ。悲しげな表情も相まって、本気で心配してくれていそうな感じが伝わる。この世界の中だけの存在とはいえ、かなりリアルだ。
話を整理すると、クエストをこなせば金を稼げて、ルナを出た後も使えるが、ものによっては危険も伴うということか。分不相応なレベルのものを受注したら、ヤバそうだ。
『ここまでで私の説明は終わりだよ! 長い時間付き合ってくれてありがとう、コージ! 私の説明、分かりにくくなかったかな? もう一度説明した方がいい?』
セレーネが首を傾げて訊いてくる。ゲームでよくある、長い説明をまた聞くかどうか、はい、か、いいえ、で答えるやつだ。今のところ説明内容に不明点はない。
コージは「いいえ」と答えた。
『コージは飲み込みが早いね! それじゃ、私はここまで! でも、もし何か分からないことがあったら、私の名前を呼んでくれたら、いつでもコージのところに会いに来るからね!』
不覚にもドキッとしてしまった。満面の笑みで、いつでも会いに来るなんて言われて嬉しくないわけはない。心臓に悪いキャラクターを作ってくれたもんだ。
『それじゃ、ルナの世界を目一杯楽しんでねー! いってらっしゃーい!』
そう言うと、セレーネはバイバイしながら天井に昇って消えていった。
晃司の心が躍った。そもそもこのモニターに応募したのは、この世界で稼いだ金を現実でも使えるという謳い文句があったからだ。セレーネが言った”ルナペイ”というのは、今ものすごい勢いで加盟店が増えているQRコード決済方法だ。ド田舎の個人商店でもない限り、ほとんどの店が導入している。光熱費などの公共料金の支払いも、この”ルナペイ”は確実に使える。晃司が住んでいるのは都心部ではないものの、ベッドダウンとしてそれなりに栄えている街なので、ほぼ確実にどこでも”ルナペイ”で支払える。
つまり、本当にゲームの世界の金を現実で使うことが可能になるということだ。
『でも、クエストには危険が伴うものもあって、毒を浴びたり、麻痺して動きにくくなったりすることがあるんだ。そういう時は”ステータス”にコージの状態が表示されるよ。ステータス異常は薬を使えば治るよ! 薬は実際に飲んだり塗ったりするから、アームヘルパーのメニューから選ぶ必要は無いよ。普通に使えばOK! だけど、危ないと思ったら、無理にクエストを続けないで辞めてね。コージが苦しい思いをするの、私嫌だもん』
セレーネが両手を合わせて祈りのポーズ。悲しげな表情も相まって、本気で心配してくれていそうな感じが伝わる。この世界の中だけの存在とはいえ、かなりリアルだ。
話を整理すると、クエストをこなせば金を稼げて、ルナを出た後も使えるが、ものによっては危険も伴うということか。分不相応なレベルのものを受注したら、ヤバそうだ。
『ここまでで私の説明は終わりだよ! 長い時間付き合ってくれてありがとう、コージ! 私の説明、分かりにくくなかったかな? もう一度説明した方がいい?』
セレーネが首を傾げて訊いてくる。ゲームでよくある、長い説明をまた聞くかどうか、はい、か、いいえ、で答えるやつだ。今のところ説明内容に不明点はない。
コージは「いいえ」と答えた。
『コージは飲み込みが早いね! それじゃ、私はここまで! でも、もし何か分からないことがあったら、私の名前を呼んでくれたら、いつでもコージのところに会いに来るからね!』
不覚にもドキッとしてしまった。満面の笑みで、いつでも会いに来るなんて言われて嬉しくないわけはない。心臓に悪いキャラクターを作ってくれたもんだ。
『それじゃ、ルナの世界を目一杯楽しんでねー! いってらっしゃーい!』
そう言うと、セレーネはバイバイしながら天井に昇って消えていった。