日本の夏から、メルボルンの冬へ

文字数 1,249文字

オーストラリアから日本へ里帰り。今回は子どもたちを置いて、初めての単身帰国だった。もともと1週間と短かったうえに冬から夏への移動。飛行機&高速バスのエアコンですっかり初日から風邪を引いてしまって、余計に予定が詰まってしまった。

日本の夏に帰るのも久しぶりだったし、今年は猛暑だと聞いていたので、うかつにもジャケットをスーツケースに押し込んでエアポートバスに乗ってしまったのよ。そしたらエアコンが寒くて寒くて…、いやぁ凍えました。ジャケットを取り出したくてもスーツケースは乗るときに預けてしまったし。降りたときには冷た~い鳥肌に鼻水ズルズル状態よ。

思えばエアコン環境の貧弱なメルボルン暮らしが長いから冷房の威力をすっかり過小評価してしまった。メルボルンの夏は湿気が低く乾いて暑さを感じさせないせいか、クーラーの効いている場所も少ないもので。

それで今回の目的の一つ、全作家協会の出版賞を頂いた『Tamago』の授賞式に半病み状態で参加するハメに。鼻水じゅるじゅるでとんちんかんなスピーチしちゃってとほほほ…でした。

だけどもう一つの目的、祖母の一周忌の方は体力を持ち直して迎えることができた。祖母の思い出の詰まった実家で両親や妹たちと一緒に祖母を偲ぶことができた。ただ母の具合が悪かったので、お墓参りには妹と二人で行ってきた。

「おばあちゃん、来たよ~」と、お墓に水を上げたとたん、お位牌がカタカタカタカタ、風もないのに揺れた。去年も同じことがあったのだけど、その絶妙なタイミングはあたかも祖母が応えてくれているようで、じ~んときました。お祖母ちゃん、ありがとう。

そうしてお寺を出るときのこと。お社の松の枝がきらりと光ったので目を凝らせば、トンボっ! なんとトンボが1羽、飛んでいるじゃあないですか! マインド・ボディ・スピリット・フェスティバルのシャーマンおばさんが言っていたように、やはりトンボは私のホーリー・アニマル・スピリット、天からのメッセンジャーなんでしょうか。って、飛躍し過ぎか。(^ ^)

お墓参りの後は、母の生家裏のカフェの1室でランチを。うちは両親が共稼ぎだったので祖母が母親代わりみたいなものだったから、妹と二人、祖母や自分たちの幼いころの思い出話なんかにひたって、ゆったりとランチをした。

あっという間の1週間だったのに、子どもたちとこんなに離れて過ごしたのは初めてのことだったので、どこか落ち着かなかった。心か身体の1部でも置き忘れて来てしまったかのような…。そのうえ電話で話すムゥの甲高い声がいつも半泣き状態で、ママ心を刺激してくれました。^^;

こちらに戻って家族の歓声に包まれたときは心底、ホッとした。日本にはいつも「帰った」って気がするのだけれど、自分の家はメルボルンの家族が暮らすここなんだな~と改めて思ったりして。

などと私が感慨に浸れたぶん、独りで子どもたちと犬たちの世話をして仕事もしていたダディンは疲労困憊だったに違いない。いやいや、お疲れ様でした! 


2010/9/3
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