日常には遠く 

文字数 587文字

チベット仏教寺院で白ターラ菩薩の灌頂を受けた。

そこで友達夫婦と会ったので、イニシエーションの後そのまま家に寄ってもらって一緒にランチをした。2か月前にダライラマ法王のシドニーのパブリックトークに一緒に参加した友達で、そのとき彼女はヒーラー僧から祈祷を受けていた。もう体調も良いそうで、ホッとした。

ランチの後、彼らの息子さんとうちの子たちがトーマスや車で遊び始めた。穏やかな午後―

になるはずが、ダディンと私は些細なことから口論を始めてしまったのだった。

一度険悪になると日常生活で溜まっていた互いへの不満や鬱憤がプツプツと噴き出し始めて、友達夫婦は、マズイ、始めちゃったよ、この二人…と私たちの顔色を窺いつつ、し~ん。

場が気まずくなったとき、ムゥと友達の子がおもちゃの取り合いを始めた。間髪をおかずその仲裁に入った友達夫婦。いかにもホッとしたのが見て取れた。

だよねぇ…。子どもの喧嘩ならかわいいもんだけど、夫婦のそれなんて…。

まったく、何のためのイニシエーションなんだか…。改めて自分が情けなくなった。その数時間前まで穏やかな仏教寺院のゴンパで瞑想していただなんて、とても信じられない。イニシエーションをどれだけ受けたところで、経典を勉強したところで、実践しなければ何の意味もない。

あ~あ、もっと心して生きなくちゃだよ。ごめんね、みんな…。大反省の一日でした。

2008/8/10
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