マインド・ボディ・スピリット・フェスティバル

文字数 2,912文字

メルボルンでは恒例のMind Body Spirit Festivalが始まった。以前書いたことがあるけれどその名の通り、癒し系スピリチュアルなイベントである。

会場のMelbourne Exhibition Centreには健康、自然食品、有機栽培、マッサージ、ヨガ、CDやストーングッズなどスピリチュアル関連ブースが並んでいた。目算で百店くらいはありそうな感じ。1日中ヨガや瞑想のできるスペースもあって、2つのセミナー会場では様々な無料セミナーが開催される。60人近い霊能者たちが一堂に会するPsychic Reading Room霊視の部屋など、ある種異様な雰囲気に包まれ圧巻だ。

ブラブラ覗いているとあっという間に1日が終わってしまう。私もブースでマッサージをしてもらったり、キネジオロジーを試したり、かわいいクリスタルのペンダントを買ったり。セミナーに参加してみたり、霊能者に見てもらったり―。楽しさ盛沢山だったけど、1番心に残っているのはJason McDonald氏のステージとセミナー「Messages From The Spirit World霊界からのメッセージ」だった。

ジェイソンさんはクィーンズランド州生まれの霊能者。5歳のときからヒーリング能力を発揮し、80年代前半に霊能活動を始めて以来、世界中で活動しているんだそう。彼がステージに立って霊たちの声を聞き、客席の中でその霊が伝えたいと望んでいる方に次々と個人的なメッセージを伝えてゆく。その様はアメリカの人気霊媒師John Edward氏のTV番組『Cross-over』(って番組名だったと思うんだけど)を彷彿とさせる。

ジェイソンさんはステージに立って、集まった人たちに霊からの極めて個人的なメッセージを伝えていた。メッセージを受け取った人の中には泣き出してしまう方もいて、ほとんど感動的でさえあった。故人が殺害されていて、その犯罪がお蔵入りになっており、それに対して霊が犯罪の行われた場所や犯人の繊細を伝えてくるという場面もあった。遺族はもちろん、事の重大さに会場も襟を正していた。幼くして亡くなったお子さんの霊が出てきたときは、号泣されるお母さんを前にこちらまで貰い泣きしそうだった。

セミナーの方はQ&A形式だった。会場からの質問に対してジェイソンさんが答えるという形だったけど、なかなか興味深かったのよ(私には)。

たとえば彼は、霊が接触してきたとき、その方の死因を肉体的に感じるんだそうな。心臓発作で亡くなった方なら、自分の心臓が痛くなったり負担を感じたりする、と。呼吸に問題があった場合は、自分がゼェゼェ喘ぎ始め息が苦しくなるとか。そうして死ぬときのシーンが見えたり、伝えられたりするそうだ。

これは、すごくわかった。私もごく稀~に、霊を見たり感じることがあるのだけれど、ほとんどが(尋ねてもないのに一方的に)自分の死ぬときの様子を伝えてきたから。私の場合、肉体的に死因を感じることはないのだけれど(なくて良かった、あったら辛いゾ…)、そのときの状況を写真か映画でも見るかのように鮮明に見せられたり、テレパシーで何が起こったかを伝えてきたり。子どもの霊でも、こちらが間違えようがないほどクリアに伝えてくるから。

それからジェイソンさんは、向こう側の世界とのやり取りでは時間が伝わりにくいと言っていた。こちら側の時間と霊界の時間の流れが違うからだ、と。彼は時間を的確に把握するために、自分の頭の中にある絵のイメージを使って伝えてもらうんだそう。春の新緑が芽吹く木、夏の青々とした木、秋の実をつけた紅葉の木、そして冬枯れの木、と木のイメージを使って、まず中から季節の絵を提示してもらう。それからもっと詳しい月を知るために、たとえば夏なら8月を真ん中に、その前(7月)か、その後(9月)かを示してもらうとか。このあたりにくると数字で見せてくれる霊も多いという。このやり方は彼独自のものだと言っていたけれど、随分とまどろっこしいのね。

守護霊から自分に関するメッセージを受け取ることもあるそうで。けれどそういうときは唐突で、意味不明なことも多いんだそう。たとえば先日庭仕事をしていたら「で、おまえは明日パジャマのまま仕事をするんだな」とメッセージが聞こえた。何をバカな、と無視していたら、また同じ言葉が聞こえてきた。

ところがその夜、彼の愛犬が車に轢かれてしまい、彼は着の身着のまま大慌てで犬を救急病院に連れて行った。病院は混んでいたうえに犬の治療もなかなか終わらず、夜も明けて、結局その日はパジャマ姿のまま病院の公衆電話を使ってリーディングの仕事を始めることになったんだそうな。

ジェイソンさんは、そのメッセージは「パジャマ」という言葉を使って、これから緊急事態が発生するから気をつけるようにと表現し、これから起こる愛犬の事故に対して自分に心の準備をさせていたのだと説明していたけど、いやぁ、結構難しいものですねぇ。「今夜、犬が事故に遭うから気をつけろ」とか簡潔に教えてくれればいいものを…と思うけど、そうはいかないのはカルマの問題でしょうか? それも未来に起こるカルマ的に避けられないようなことに対して、こちらの学びを励ましサポートしようとする守護霊さんたちのルールとご配慮かナ?

そうそう、彼は睡眠時の目覚めに関してもアドバイスをしていた。私たちは毎晩睡眠をとって霊的エネルギーを100%チャージしてくるにもかかわらず、実際にはその大半を浪費してしまう。その原因は私たちの心配する心にある、と。リラックスしてゆったりと目覚めればいいものを、目覚めた途端、あ、今日はあれをやらなくちゃとか、あれはどうなっただろう?などと緊張やストレスを感じてしまう要因を起き抜けに持ち込んでしまうため、エネルギーが30%も50%も下がってしまうんだ、と。

う~む、確かにそれはあるかも…。でもって、私は毎朝これやってるかも…。思い当って、翌日から目覚めの思考に注意してみることにした。

すると、やってましたよ、やってました。どんなにラブリーな夢見から目覚めても、起きた途端まず今日の予定を考えてしまう。今日は何があった? 何をしなきゃならんかった?とか。それだけならまだしも、今日はどんな問題に対処しなきゃならないんだった?などと、起き出した途端に自分の問題の方に意識の焦点を当ててしまったり…。すぐに浮かんでこなかった昨日など、あれっ?なんか懸案事項があったバスだけど…と、あろうことか、わざわざ問題を探してしまっていたのでした。不健康だろ、これじゃあ…。

深~く反省しました。チベット仏教でも目覚めたときの感謝と今日1日を菩提心で過ごすゾという決意は重要だと説いている。以来、目覚めると少なくとも2、3分はベッドの中で深呼吸。リラ~ックスして、ゆ~ったりと起き出すことを心掛けている。せっかくの朝のひととき、チャージしたエネルギーだもの、無駄にしないよう有効活用しないとね。

今回も心と身体のスピリチュアルなお祭り、楽しんできました。来年も覗いてみよう。


 2009/11/20
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