ライターズ・ワークショップ 

文字数 930文字

月に1度オージーのライター仲間とワークショップをする。大学院の創作コースで知り合った友達3、4人と原稿を手に集まって、近況報告がてらわいわいやるのだ。

今日はJさんが長編小説の分厚い原稿を持ってきた。彼女は執筆時間を増やすためとコネづくりのために転職したのに、肝心の執筆の方ができなくなってしまったんだそうだ。転職に伴う慌ただしさやストレスもさることながら、アメリカの出版代理人から先月「Rejection Letter」と一緒に原稿が送り返されてきたのが原因らしい。

Jさんはオーストラリアの文芸誌に既に短編を数編出版していて、長編小説の出版社を探していた。その作品に興味を示してくれたN.Y.の文学エージェントがあったので、ものすごぉく期待していたんだそうな。それが突然、その出版代理人から断られたのだった。手紙にはどうしてダメなのか、その理由は説明されておらず、メールで連絡しても説明してもらえなかったらしい。それで納得できず、どこをどう直していいかもわからず途方に暮れているという。というか、その気力さえなくしてしまったのだ、と。

創作コースで一緒だったころから彼女はその作品に取り組んでいた。私たちもその思い入れの強さは知っているだけに、かける言葉もなかった。彼女の話にただひたすら耳を傾けていた。小説を書いて出版しようと思ったら文学エージェントや出版社のリジェクション・レターは覚悟しなければならないものだと思うけど、作品に愛着があればあるほど、執筆編集にかけた時間が長くなればなるほど、原稿も長ければ長いほど、辛いものだとみんなわかっている。

また作品に向き合う気力が早く取り戻せるといいね。そうして本になるといいねぇ。

それにしても、2歳児もちの私がこうして大人の集い(?)に参加できるのは、義母が子どもたちと夫に毎週1回は(つーか、頻繁に)会いに来るお陰である。というか、「お陰だ」と、去年1度激しく口論してしまってから考えることにした。そうとでも考えなければ我が物顔で我が家に上がり込んでくる義母との関係に折り合いがつけられないもので。自分にとってのメリットも見つけて、感謝する(たとえ僅かであっても…)心の余裕は持たないとねぇ。

2008年6月18日


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み