ドッグマインダー

文字数 1,342文字

我が家には愛犬が2匹いる。ビション・フリーゼのムム君と、日本から連れてきたマルチーズのモモちゃん。昔は3匹いたのだけれど、マルシーズのローリーちゃんは悲しいことに一昨年亡くなってしまった。

明日から一月ほど日本へ一時帰国をする。1年ぶりなので嬉しい半面、昔は愛犬たちのことを心配したものだった。ダディンの両親や家族には預かってくれるような人はいなかったし。そんなに長期間、ドッグケンネルに入れるのも忍びなくて…。自宅で面倒を見てくれる人を探していたのだった。

だけどマキシーンさんと出会ってから、そんな心配は吹っ飛んだ。ドッグマインダーで、今では我が家の犬友でもある彼女にもう十年近くもお世話になっている。愛犬家の彼女は犬たちを家の中で預かってくれるんだ。

マキシーンさんの勧めで、初めのころはワンちゃんたちを彼女の家に慣れさせることから始めた。まずは言葉の話せない犬たちのために「この首輪をするときには必ずマキシーンさんのところに行くんだよ」とわからせるため、特別な首輪を用意したんだ。その首輪をして、事前に数回週末に預けて様子を見た。するとそのうちロリィもムムもモモちんも、マキシーン宅滞在用の首輪を取り出しただけで、はしゃいで飛び回るようになったのだった。

彼女がいてくれるから、私たちも安心して日本へ帰ることができる。今では家族ぐるみのお付き合いである。彼女が再婚したときには結婚式にも呼んでもらった。引退してNSW州の田舎町に引っ越してしまってからも、時々夫婦でメルボルンまで遊びに来てくれる。そういうときはお決まりの犬話で盛り上がるんだ。

ロリィちゃんの最期を看取ってくれたのも彼女だった。

2年前の夏、いつものように3匹の犬をマキシーンさんに預けて、日本に里帰りをした。すると帰国した翌日に彼女から電話がかかってきたのだった。ロリィが急死した、と。死因は脳梗塞だった。

大切なロリィちゃんを自分の腕の中で逝かせてあげることはできなかったけれど、それでもマキシーンさんが傍にいてくれたのだった。ロリィを獣医に連れて行ってくれて、あの子が息を引き取るまで身体を撫でていてくれた。そうして火葬から何から全て手配してくれた。お陰でロリィちゃんのお骨は今も私たちの寝室にある。

あれからもう2年が経った。モモちんもムム君も小型犬なので見た目はパピー然としているけれど、モモは今年16歳、ムムは12歳だ。老犬である。だから何があってもおかしくはないわけで、日本へ帰るときにはやはり不安になる。

だけど今回もマキシーンさん用の首輪を見せたら、2匹とも大喜びで吹っ飛んできてくれた。NSW州の田舎にあるマキシーンさんのお住まいは家も庭も広いそうだから、老犬とはいえ、のびのびと駆け回れるのも嬉しいのかもしれないナ。それにマキシーンさんの愛犬が2匹、週末ともなればゲストのワンちゃんたちも加わって、多いときには7、8匹になることもあるというから、ワンちゃん親交を深めるのも楽しいのかも。

さてこれから5週間、愛犬たちとはお別れです。この子たちもハッピーホリデーを過ごしてくれることを願って。

実家にネット環境がないのでブログもしばらくはお休み。いつも読んでくださって、ありがとうございます。

2008年6月28日
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