ワンちゃんと電車に乗る

文字数 1,553文字

我が家の新メンバー愛犬チャールス君を連れて、子どもたちの大~好きな電車に乗ってシティへ出かけた。

今日はオーストラリア夏休み最後の日。だから特別な1日を過ごすのだと、メェは張り切っていたのだった。

犬を連れて電車に乗ると言うのは、長いこと娘の夢だった。犬が大好きな彼女。先日8歳の誕生日もリクエストは犬のぬいぐるみと、あのときは犬もいなかったのに小型犬用のドギーバッグだった。

オーストラリアでも犬を連れて電車に乗るには、携帯用のケージに入れるかマズル(口輪)をしなければならない。先週ポーポーちゃんを連れて電車に乗ったときには、娘の真新しいドギーバッグに入ってもらった。けれど今回チャールス君は口輪をつけての乗車。ティガー並みのジャンプ派で落ち着きのないワンパク坊主はドギーバッグを嫌がって、ポーポーちゃんのようにおとなしく入ってはくれなかったもので。

ちなみに、どうして2匹別々に行ったのかと言うと、3歳児と8歳児と(訓練もされていない)犬2匹ではあまりに大変過ぎて自分にはコントロール不可であると判断したためである。だから二日に分けて1匹ずつね。

犬と一緒に電車に乗るというので子どもたちは大興奮だったけど、私も「子宝ひろば」というメルマガで連載していたコラムが終わって一息つけたので、メェのささやかな冒険に付き合う時間も気力もばっちりだった。当のポーポーちゃんとチャールス君はといえば、ロスト・ドッグ・ホームから我が家に来たから経歴もわからないが、「乗車」はたぶん初めての体験だったと思う。

先週、普段はおとなしいポーポーも興奮気味だったけれど、今日チャールスは大興奮。メェの膝の上で飛び跳ね、車窓を流れる風景に大はしゃぎ。何か彼を刺激する存在を窓の外に見つけてはキャンキャン騒いだ。とはいえ口輪をしているのでキュルキュル止まりになっていたのがホッとした反面、哀れでもあったが。

メェは興奮しつつも良き飼い主然として毅然と振舞っていたけれど、幼稚園児のムゥの方はそうもいかない。単純に大はしゃぎ。チャールス同様、車窓の飛びゆく景色に興奮してキャアキャア騒ぎ立てていた。こちらは口輪を付けるわけにはいかないので言って聞かせるか、最終的にはペロペロ飴で釣る。いずれにしてもお昼で電車が空いていたため貸し切りボックス席状態だったのは幸いでした。

それにしても電車やトラム、公共交通機関に乗るたび思うのだけれど、オージーは寛容だ。小さな子には(お年寄りや妊婦さんに対してもそうなのだけど)たいてい席を譲ってくれる。空いていればわざわざやって来て気遣ってくれたり、にこにこと温かく接してくれたりするんだ。ありがたいことである。

さて、シティのFlinder Street駅に着いてからはチャールス君も口輪を外して、お散歩を。ヤラ河沿いのカフェで遅めのランチを取った。ポーポーちゃんのときと同じ、テラスの離れ小島みたいなボックス席につけたので、ゆっくりの~んびりと食事をすることができた。ヤラ河を走るツーリスト用の遊覧船とか川沿いを散歩する人たちとかを眺め、長閑なひととき。

ちなみにメルボルンのカフェは犬にやさしいお店が多いが、ここもワンちゃん用のお皿があって、水も出してくれた。チャールス君もテーブルの下で、私たちが持参したドギースナックで軽めのランチをとった。

ランチの後はヤラ河沿いの遊歩道をまたぶらぶらと散歩した。橋を渡ってぐる~りと戻り、フェドレイション広場でお茶をしてから駅へ。夕方近くで今度の電車は混んでいたけれど、チャールス君も歩き疲れたらしく吠えもせず、あっという間に眠ってしまった。

こうしてメェの小学校2年生、最後の夏休みは終わり、チャールスとポーポーは初めての乗車体験を終えたのでした。


2010/1/29
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