シドニーハーバーで水族館と機関車トーマス  

文字数 1,486文字

ダライラマ法王の講義2日目はオディンが行くことになっていたので、私の方は子どもたちを連れてシドニー観光を。それでも家族旅行。子どもたちにも楽しんでもらいたい。

メルボルンと違ってシドニーは観光スポットがダーリン・ハーバーの周囲に集まっているので、比較的楽だという。

私たちの泊まるLidcombは、シドニーオリンピックで整備された街らしい。以前は小さな町だったそうだけど、今は韓国人やアジア系移民で賑わっていて、アジア系レストランやグロッセリーが多いのも限りなく嬉しいところ。

この駅からオリンピックパーク駅へは電車1本、5分ほどで行けるので、法王のセミナーに参加するにはとても便利なロケーションだった。けれどシドニーハーバーやシティ観光をするには、まず40分ほど電車に揺られなければならないと、かなり不便。

シドニー観光はフェリーを使ってすると良いと聞き、まずはLidcomb駅からフェリー乗り場のある駅へと向かった。メェちゃんもムゥくんも2階建ての電車に大喜び。2階に駆け上がり、座席を見つけるやスナック菓子を取り出して、ピクニック気分ではしゃぎ始めた。

フェリーに至ってはもう大興奮、2階の最前列の席に座って船長ごっこを始めた。メェたっての希望である水族館の前でフェリーを降りる。そろそろランチの時間だったけど、まずはチケットを購入。入場料が思いのほか高かったのでビックリした。

水族館に入る前に腹ごしらえをしようと、シドニーハーバー沿いのカフェでランチを取っていたら、ムゥが観光用の路上ミニトレインを発見してしまった。「トーマス! トーマス!」と大騒ぎで、隙あらば電車めがけて突進しようとする。とてもランチどころじゃあなくなってしまった。水族館へ向かうのも不可能そうだったけど、高かった入場料を思い出し、亀やアザラシにご挨拶してからトーマスに乗ろう、後で必ず乗るからね、と説得にかかる。

水族館ではメェちゃんはサメに、ムゥくんはアザラシに、大喜び。もうトーマスのことは忘れてしまったようで、水槽を覗いてはキャアキャアはしゃいでいた。私の方はいつものごとく駆け回るムゥを追い掛け、背負い、ムゥばっかりとスネるメェのご機嫌を取り、ああ、疲れた…。

水族館で数時間を過ごして、ようやく暗ぁぁい海底世界から青空の下に出てホッとしたのも束の間、ムゥがトーマス乗り場めがけて駆け出した(忘れてくれなかったのね、涙)。疲れ果てた私は行き先もろくにわからないまま乗車してしまった。

どこに連れていかれるのだろう、帰りはどうしよう…と半ば麻痺した頭でぼんやりと案じつつ、ぐるぐると半時間ほど美しいシドニー湾をミニチュア・トレインに揺られていた。それにしてもシドニーの海の辺りって、ほんっとかわいい。

ムゥはあんなにはしゃいでいたにもかかわらず途中で寝てしまい、私はムゥを背負い、「疲れたよ~」とグスるメェを引きずって(疲れたのはこっちだよ!)フェリー乗り場を目指してとぼとぼと歩くハメに…。フェリーに乗り、電車の駅に着いたときには予定よりかなり遅くなってしまった。焦っていたせいと疲れて朦朧としていたせいで、来るときとは違う路線に飛び乗ってしまう。かつラッシュアワーに当たってしまったので、来るときには40分ほどだったのが1時間半近くもかかってしまった。

Lidcomb駅では、ベンチもない改札口の傍らで夫がほんやりと放心したように佇んでいた。モーテルの鍵は私が持っていたので、気の毒に1時間40分も待ったのだという。合掌。オディンよ、どうかこれも里の行と受け止めてください(苦笑)。

2008年6月12日



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