抜歯とヘミシンキ

文字数 2,398文字

2週間前に奥歯を抜いた。そのとき完全には抜けず歯根の1部が顎骨に残ってしまったそうで、今回それを抜くことになった。歯医者ではなく、口腔外科医の元で。

なんでもその歯をインプラントにするためには顎骨の損傷を最小限に抑えなくてはならず、そのために歯科医から口腔専門の外科手術医に回されたのだった。あ~ぁ、外科手術かい…。もはやDental Treatments 歯科医療ではなくOral Surgery口内手術扱いになってしまった。実際のところ麻酔も治療も過去のインプラント治療よりは遥かに重く、回復にも時間がかかるという。幸い糸は1週間程で溶けると言っていたけれど…。つまるところが― 

やったゾ、休暇だ、ホリデーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!! というわけで当日から二日間、家事も育児も夫一人に押し付け、いや任せて、私はベッドでゴロついているというゴージャスな身分にありつけたのだった。

何をしよう、何をしよう、この日をどう有意義に過ごしたものか??? はやる心と痛みをおさえ歯茎から血を流しつつ、とりあえずベッドで寝たままできることを考える。そうなると愛する読書と、久~~~しぶりにヘミシンキかしら?

読書は読みかけの本を読むことにした。数日前に送っていただいた「全作家75号」と、日本ペンクラブで知り合った女性作家さんからいただいた時代小説を。面白いので、読後にご紹介しますね。

で、ヘミシンキ。ヘミシンキをやるのはほんと~~~に久しぶり、半年ぶりくらいだろうか。このヘミシンキ・シリーズ『The Gateway Experience』を買ってからそろそろ1年になる。

最初の『Wave1』はアメリカのロバート・モンロー研究所から試しに買ってみたので英語だけど、続く『Wave6』までは日本語版である。『死後体験』で有名な坂本政道さんのアクアヴィジョン・アカデミーからセット割引のやつを去年末に購入したのだった。

というのも、ヘミシンキ中の変性意識下。聞いているうちに、たいていうとうとしてしまうか、爆睡してしまう。だったら英語よりも母国語、日本語の方がすんなり入ってくるかな~と思ったもので。

思い切って買い揃えたのに、未だやってはいなかった。殆ど、つーか全然。練習どころか、たぶん『Wave3』までも試していないはずだ。ほぉら、見た目は新品同様、未だパックの封も切られてないし…。

手引によれば、順番にやっていかなくてはならないってことになっている。けれど私がやりたいのは最後のシリーズ『Wave6』、2枚目のTrack2に入った「非物質の友人」ってやつである。ここでガイドとか守護霊とかの存在とコミュニケーションを取れたら嬉しいな、と。だってモンロー氏の著書にも坂本氏の著書にも、読んでいてワクワクしてしまうような体験談が載っているもんね。

だけどこれを順番にやっていったら、とても1日半じゃあこの最後のシリーズまでは辿り着けないことは火を見るよりも明らかだ。むむむ…、人生は短い。この際、途中は飛ばして本命にいってしまおうか?

迷いつつ封を開けヘッドフォンを用意したとき、ハタと気がついた。この高性能ヘッドフォンは去年ヘミシンキをするためにわざわざ買ったのだった。値段もそれなりに嵩んだけど重量はとんでもなく嵩んでいる。この重厚なヘッドバンドでは頬や顎へのプレッシャーが強すぎるんじゃあなかろうか? 

試しにつけてみれば、痛い…。縫合した歯茎や顎骨への圧力が無情に強かった。これではやっと止まった血がまた出てきそうだ。全身痛みで緊張してしまっては、リラックス状態の変性意識など、どう考えても入れないだろう。

やむを得ず、日本に帰ったときにヘッドフォンを忘れて間に合わせで買った980円の耳に押し込むだけのイヤーフォンに替える。ヘミシンキのミソは音響であるが、果たしてこれで大丈夫なんだろうか???と案じつつ。

さて、1回目。途中を飛び越え本命の「非物質の友人」のヘミシンキに挑んだ。

ものの、疲れていたせいか、ヘッドフォンが悪かったのか、ひたすら爆睡してしまった。「さあ、目覚めましょう。3、2、1」などと目覚めのカウントダウンがかかったときにハタと意識を取り戻したのだった。全然、効かなかった…。

ガックリと起き出して、辺りに良~い香りが漂っているのに気が付いた。寝室にアロマオイルも焚いてないし、良い香りを放つものなど何も置いていないのに、なんの香りだろう?と探してしまったくらい、かなり長くはっきりと嗅ぐことができた。高次の存在とのコンタクトでは素晴らしく美しい香りがするというけれど、もしかしてこれって…?

で、2回目に挑戦。今回もまた「非物質の友人」である。

今度はさすがに爆睡はしなかったものの、別段不思議な体験もしなかった。「非物質の友人」との接触はまったくもって起らなかった。誰~~~もコンタクトしてはくれなかった。。。

ただ途中、夢見に似た状態でイメージは浮かんだ、つーか、夢を見たのかもしれない。一つは自分が天井の方にふわふわと浮き上がっていく過程で、臍の緒みたいなコードが絡んでしまったってやつ。もう一つは、出かけていた夫が「ただいま~」と帰ってくる、その声が聞こえて、気配もして、見えた。

実はその後ダディンがなかなか帰って来なかったので、私はマジで心配し始めた。もしや事故にでも遭って、意識不明とかで、あのときはたまたま幽体離脱してお別れの挨拶をしに家に帰ってきたのでは……。じゃあ、あれが私たちの最後の?とか。けれど実際には何事もなく、単に彼は遅れて帰ってきたのだった。

―ということは、やはりあれは私の単なるイマジネーション、脳が創り出した夢だったのでしょうか?

とはいえ、せっかく揃えたヘミシンキ・シリーズ。値も張ったことだし、今後はぼちぼちとでもやっていこうと思っています。


 2009/11/11
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み