ダライラマ法王、オーストラリアに再び

文字数 1,807文字

ダライラマ法王が今年もまたオーストラリアに! 

12月1日から10日までシドニー、ホバート、メルボルン、そしてニュージーランドを訪問される。『OUR FUTURE―WHO IS RESPONSIBLE?』をテーマに慈愛の心、慈悲、寛容、英知について話をされるそう。私たちが人類の一員としての責任を受け入れ、より地球的観点に立って行動できるように、と。

ツアーの幕開けはシドニーから。シドニーでは1、2日と講義を、3日には恒例の『Mind&Its Potential』会議で講演、午後はパブリックトークが予定されている。

今日は、講義の初日。ダライラマ法王が2日間『AWAKENING the MIND―心の覚醒』について講義をされるの。心の覚醒に最も重要だといわれる「英知」と「慈悲」の心を育てるためのアドバイスを。

今日は法王の講義の他にもガイド瞑想や、チベット仏教僧やベトナム、タイ、日本、中国、韓国の仏教僧も参加してのパネルディスカッションも予定されていた。個人的に直接、僧侶や尼僧に質疑応答できる時間もあるそうで、嬉しい。

会場のSydney Entertainment Centreには、200人近い僧侶たちも集まっていた。講義開始前にはGyuto大学の僧侶たちがお経を詠唱してくれた。広いホール中に響き渡る野太い声は、不動明王の力強さと観音様の慈悲深さの中にいるようだ。読経とマントラ詠唱の響きを聴きながら、瞑想して心を整えることができた。

ダライラマ法王の存在もさることながら、私は毎回この大勢の僧侶パワーにも圧倒されてしまうんだ。なんて美しいの! 嬉しいの! この穏やかなエネルギーと一緒にいると、ハートの真ん中から温か~いエネルギーが広がってくるのよ。

ダライラマ法王の登場に会場は沸き、法王はカジュアルな話からチベット仏教Nagarjuna龍樹派の教本を使って講義を始めた。でもって私は、例によって睡魔に襲われてしまい、後は眠気との戦いとなる。。。

どうして法王や大勢の僧侶たちに囲まれていると、いつもこ~んなにも眠くなってしまうんだろうか? このためにわざわざシドニーまで飛んできたっていうのに…。

アパートメントホテルに滞在しているので昨夜、良く眠れなかったせいだろうか? そういえば、深夜12時ごろ悪夢で目覚めたのだった。それから寝直したものの、半分夢の中で今度は「邪悪な者よ、去れ~~~!!!」と、何か光のお札のようなものをドア側にピピュッとか投げている夢を見た。ヘンな夢だったけど、お陰で悪夢は止んだ。

法王は講義に入る前に、睡眠中の意識についても話をされた。「睡眠」と「死」の意識の状態が似ていること。睡眠からの「目覚め」と、「出生」時の意識の状態も似ている。また「睡眠」時と「瞑想」中の精妙な心の状態(Subtle Mind)も似ている、と。

心は、明らかに変化する全体的な心(Gross Mind)と、瞬間瞬間刻々と変化する精妙な心(Subtle Mind)から成り立っているが、瞑想時の精妙な心をコントロールすることができれば、夢見の状態も変わり、前世さえ思い出すこともできるのだという。そうしてこの精妙な心の変容にあたって、様々な不思議な現象も起こる、と。

私にはシンクロニシティ的に興味深い話だった。というのも、いつもなら旅のお供にはコンパクトな日本語文庫本を持って行くのだけれど、今回はダライラマ法王の聴講が目的ということもあって、『SLEEPING, DREAMING, AND DYING』 By The Dalai Lamaという睡眠と夢見と死に関する大判本を持ってきていたから。まさにこの本のテーマでしょ。

実はこのところ、瞑想が良くできない…と感じていたのだけれど(心のシャープさからは程遠く、弛んでる感じなのよ、瞑想中でさえ…)、やはり瞑想が鍵なんですよねぇ。とりわけ1点に心を集中させる基本の瞑想、Single Pointed Meditationが。

意識を集中した状態に保って、完全にコントロールすることができるようになれば、いずれは夢見さえコントロールできるようになる。明晰夢を毎晩でも見られるようになるってことよね。そうだ初心に戻って、瞑想修養を改めて一からしようと思わされました。

講義1日目、私は時折睡魔に襲われながらも決意だけは新たにしてきたのでした。


 2009/12/1
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