浜辺に無数の大クラゲ
文字数 1,481文字
メルボルンは11月の観測史上、稀にみる(とニュースで言っていた)暑~い日が続いている。
「1日の中に四季がある」と言われるほど天候の移り変わりが激しい街で、夏気分がこ~んなに長いこと味わえることを思えば嬉しいことではあるのだけれど、去年の酷い水不足や悲惨な山火事を思い出すと…。今年の夏も心配だ。
さて、この日曜日。子どもたちが海に行きたいと言うので近くのビーチに繰り出した。メルボルンの西側に住んでいる義弟と甥っ子たちも来るというので、夫は弟家族に会えると喜んでいた。半分水着姿でカフェでランチを取った後にビーチへ出陣した。
砂浜にBathing Boxesというカラフルな海小屋が立ち並ぶここは、私のお気に入りのビーチでもある。ダディンと私ははしゃぐ子どもたちの手を引き、ビーチテントやらタオル、ブギーボード、海水浴遊具なんかを抱えて、暑いアスファルトをひぃひぃ浜辺へ降りた。そこにはいつもの銀色に輝く海辺の風景が広がっていて、ああ、メルボルンの夏―
早速子どもたちはソフトクリーム・カーを見つけてはしゃぎ出したけど、私たちは黙々とテント張り。まずは美しくも容赦ないUV光線から身を守るための避難所を確保しなければならない。直にダディンと子どもたちは甥っ子ファミリーを見つけて、海に突進していった。ああ、やっと、静かな時間。私の方は海に入ったり本を広げてしまう前に、テントに座って海を眺め、しばしぼーっとしていたいと、一休み。なぁんて贅沢なリラ~ックス・タイム。
そう思う間もなく、息子のムゥが駆けてきた。「ママ、ママ、来て、来て~~。クラゲがいっぱいいるよ~。踏まないように歩かなきゃいけないんだよ~」
息子にテントから引っ張り出され、ふっと足元を見やれば、巨大なクラゲが…。人の頭ほどもある大きなクラゲがごろごろと転がっているではないかっ!
キラキラ陽光輝く砂浜のそこら中に無数のクラゲの死体が転がっていて、ビーチに打ち寄せられた海藻かゴミの山かと思ったものは全てクラゲの死体であった。歩くのも遊ぶのも躊躇われるほど。あまりの多さに辟易したのか、どなたかが一箇所に纏めてくれたらしい。
「嵐があったんだろうね~」などと義理の弟は呑気に言っていたけれど、それにしたって、この数にこの大きさじゃあ……
などと思っていたら、娘のメェがお腹を出して泣きながら海から駆けあがって来た。
「ママ、痒いよ、かゆいよ~~~ もう帰るよ~~~~」
全身痒くて堪らないというので、見れば赤く腫れている。とにかく水着を抜がせて、ビーチシャワーを浴びさせた。
そうこうするうち甥っ子たちも痒い、痛いと騒ぎ出した。ムゥは平気だったけど、メェの方は痒くて堪らないから一刻も早く帰ってお風呂に入りたい!と言うので、ダディンと私はさっき立てたばかりのビーチテントを早くも撤去するハメになる(泣)。
まだ帰りたくないよ~!と本格的に泣き出したムゥをソフトクリームで買収して、私たちは早々と家路に着いたのだった。義弟ファミリーは小1時間かけてここまで来たので、それでもシャワーを浴び浴び頑張ったらしいけど。
それにしても原因は十中八九、あの浜辺に打ち寄せられていた大量のクラゲ死体であろう。義弟は嵐のせいだと言っていたけれど、私は海水汚染や地球環境の変化から各地でクラゲが大量発生しているというニュースを思い出して、心が沈んだ。大丈夫なのかな、私たちの地球…。
忙しさにかまけて普段はつい後回しにしちゃうけど、私ももっとエコ生活に頑張らないといけないな~。お風呂につかりながら改めて思いましたよ。
2209/11/15
「1日の中に四季がある」と言われるほど天候の移り変わりが激しい街で、夏気分がこ~んなに長いこと味わえることを思えば嬉しいことではあるのだけれど、去年の酷い水不足や悲惨な山火事を思い出すと…。今年の夏も心配だ。
さて、この日曜日。子どもたちが海に行きたいと言うので近くのビーチに繰り出した。メルボルンの西側に住んでいる義弟と甥っ子たちも来るというので、夫は弟家族に会えると喜んでいた。半分水着姿でカフェでランチを取った後にビーチへ出陣した。
砂浜にBathing Boxesというカラフルな海小屋が立ち並ぶここは、私のお気に入りのビーチでもある。ダディンと私ははしゃぐ子どもたちの手を引き、ビーチテントやらタオル、ブギーボード、海水浴遊具なんかを抱えて、暑いアスファルトをひぃひぃ浜辺へ降りた。そこにはいつもの銀色に輝く海辺の風景が広がっていて、ああ、メルボルンの夏―
早速子どもたちはソフトクリーム・カーを見つけてはしゃぎ出したけど、私たちは黙々とテント張り。まずは美しくも容赦ないUV光線から身を守るための避難所を確保しなければならない。直にダディンと子どもたちは甥っ子ファミリーを見つけて、海に突進していった。ああ、やっと、静かな時間。私の方は海に入ったり本を広げてしまう前に、テントに座って海を眺め、しばしぼーっとしていたいと、一休み。なぁんて贅沢なリラ~ックス・タイム。
そう思う間もなく、息子のムゥが駆けてきた。「ママ、ママ、来て、来て~~。クラゲがいっぱいいるよ~。踏まないように歩かなきゃいけないんだよ~」
息子にテントから引っ張り出され、ふっと足元を見やれば、巨大なクラゲが…。人の頭ほどもある大きなクラゲがごろごろと転がっているではないかっ!
キラキラ陽光輝く砂浜のそこら中に無数のクラゲの死体が転がっていて、ビーチに打ち寄せられた海藻かゴミの山かと思ったものは全てクラゲの死体であった。歩くのも遊ぶのも躊躇われるほど。あまりの多さに辟易したのか、どなたかが一箇所に纏めてくれたらしい。
「嵐があったんだろうね~」などと義理の弟は呑気に言っていたけれど、それにしたって、この数にこの大きさじゃあ……
などと思っていたら、娘のメェがお腹を出して泣きながら海から駆けあがって来た。
「ママ、痒いよ、かゆいよ~~~ もう帰るよ~~~~」
全身痒くて堪らないというので、見れば赤く腫れている。とにかく水着を抜がせて、ビーチシャワーを浴びさせた。
そうこうするうち甥っ子たちも痒い、痛いと騒ぎ出した。ムゥは平気だったけど、メェの方は痒くて堪らないから一刻も早く帰ってお風呂に入りたい!と言うので、ダディンと私はさっき立てたばかりのビーチテントを早くも撤去するハメになる(泣)。
まだ帰りたくないよ~!と本格的に泣き出したムゥをソフトクリームで買収して、私たちは早々と家路に着いたのだった。義弟ファミリーは小1時間かけてここまで来たので、それでもシャワーを浴び浴び頑張ったらしいけど。
それにしても原因は十中八九、あの浜辺に打ち寄せられていた大量のクラゲ死体であろう。義弟は嵐のせいだと言っていたけれど、私は海水汚染や地球環境の変化から各地でクラゲが大量発生しているというニュースを思い出して、心が沈んだ。大丈夫なのかな、私たちの地球…。
忙しさにかまけて普段はつい後回しにしちゃうけど、私ももっとエコ生活に頑張らないといけないな~。お風呂につかりながら改めて思いましたよ。
2209/11/15