文芸モーニングティー

文字数 1,316文字

ひょんなことから地元の図書館でイベントを開催することになった。去年の10月ごろ友達のご縁で図書館のかたから、4月に出した自著『Tamago―39歳の不妊治療』のBook Launchをしてみないかとお話を頂いたのだった。

嬉しい半面、躊躇する気持ちも。だってブック・ラウンチといったら本のお披露目兼PRでしょ。お披露目ったって出版から既に数カ月が経っていたうえに、手元には即売する本もなかったし…。

そんなことより何より、ここはオーストラリア、英語の国である。ここで日本語の本をPRしても…。結局は、日本人の友人知人に声をかけることになるだろう。自分の本のためにわざわざ足を運んでもらうっていうのも…なんだし。だいたい本のことも親しい友達以外には話していなかったのに今更皆に声をかけてわざわざ…。

などともたついてる間に年も明けて、本格的にブック・ラウンチなどと銘打てる状況ではなくなっていた。それでも図書館のスタッフは律儀に連絡をくれ、話を進めてくれていたのだった。

迷った末に自著の紹介も兼ねた文芸モーニングティーを開催することにした。それならお茶やケーキを味わいつつ創作エッセンスも楽しめる時間にできるかなぁ、と。どうすれば来てもらった方にそれなりに楽しんでもらえるだろうかと考えた末の苦肉の策ね。 

それでもモーニングティーだからと、友達がケーキを焼いて来てくれた。抹茶チーズケーキに、パッションフルーツケーキ、チーズケーキに、生チョコ。どれもすご~く美味しくて、ありがたかった。たぶんみんなも手作りの甘~い美味に満たされたことだと思う。それから創作トークとメディテーション、フォト575のワークショップをさせてもらった。

トークは、創作に関する自分の経歴や(話していて自分のオタク度に改めてハッとさせられたのだけど)『Tamago』を書いていたときのエピソード話なんかを。瞑想は、チベット仏教僧LAMA GYURME & JEAN-PHILIPPE RYKIELの瞑想CD『RAIN OF BLESSINGS』から「OFFERING CHANT」をBGMに(すっごく美しいメロディーで、YouTubeでも聞けるので、ぜひっ)、呼吸に意識を集中して心を無にする瞑想をした。最後にフォト575のワークショップを。

ちなみにこのフォト575、皆さまご存知でしたか? カシャッと撮った1枚の写真に俳句や川柳、575の文字を添えるという文芸アートなんだそーです。それをブログやHPに載せたり、葉書にして家族や友達に送ったり、後でアルバムにまとめて思い出を綴ったり。気軽にできて間口も広いので、ここ数年人気を博しているとか。

私も今回ちょっと作ってみたけど、なかなか楽しい。奥深いのよ。これを機に時にはブログをフォト575してみるのもいいかも―。なぁんて思わされたのでした。

というわけで、この日の一句。
 朝トーク 躊躇と感謝 入り混じり

それもなんとか無事に終わってホッとしたところで、ご協力いただいた皆さま、いらしていただいた皆さま、お忙しいところをどうもありがとうございました! この場をお借りしてお礼を申し上げます。


2010/3/20
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