どたばたとスピリチュアル

文字数 2,135文字

先日ママ友に誘われて、スピ系ショップのオープン・ディに行ってきた。その日は瞑想やヒーリング、チャネリングなんかのセミナーが無料で受けられて、指圧やマッサージ、キネジオロジー、タロットカード占いなんかが15分間10ドルというお手頃価格でお試し体験できるのだという。我が家からそう遠くないお店だったので、子どもたちを家のペンキ塗りで忙しいダディンに預けて、覗いてくることにした。

それにしても、久しぶりのブログアップ。このところ仕事が立て込んでいたうえに、家を売りに出す準備で慌ただしくて、ブログを書いている時間が取れずにいた。暫くぶりにアップできて、なんだかホッとします。

さて、その店は、ストーンアクセサリーやお香、香オイル、クリスタルグッズに、癒し系のCDやスピリチュアル本なんかが所狭しと並べられた、嬉しくなるほどスピ系のお店だった。裏にはコートヤードがあって、そこにテントが張られ、占い師やヒーラーなんかがテーブルを並べひしめき合っていた。

先に来ていた友達と何のお試しをしようかと探索する。催眠療法家だという女性と話していたら、私が以前から興味のあった退行催眠、しかも過去世退行催眠もしているのだと言う。ちゃんと資格もあるというし、じゃあ早速試してみようと思ったものの、過去世退行が15分間のトライアルでできようハズもなく…。

彼女が無料セミナーでビジュアリゼーションの誘導瞑想をするというので、代わりにそっちに参加してみた。プログラムには「Guided Meditation」と書いてあったけど、瞑想というよりも催眠誘導によるビジュアリゼーションって感じだったナ。まあ、催眠療法士なのだから自然そうなるんだろうけど。

リラックスした後に、草原をイメージするようにと誘導された。その草原で自分の守護霊に会い、一緒に森の中に入ってゆく。すると小川の流れる泉がある。泉に入って、ゆったりと癒されてゆく。それから花の咲いた小道を登っていくと、小高い丘の上に寺がある。いわゆる英知の寺みたいな神聖な場所である。その中に入ってメッセージをもらって帰ってくるように、という内容だった。

私は家のことで忙しい中、ダディンに子どもたちを押し付けて(いや、頼んで)きたぶん、なんとしてもこの時間を有効活用すべく誘導の波に乗ろうと決めていたせいか、守護霊も二人、出てきてくれた(つーか、イメージすることができた)。彼らに誘われて、お寺に入って― 

小高い山頂にぽつんと建つ質素で小さな、日本昔話にでも出てきそうな山寺をイメージしていた。ドアも何もない本堂に入って、正座をした。でもその後に続いた誘導で「ドアを開けるように」とか言われてしまって、慌てて急遽、木戸を作り直したりして…(笑)

それでも、そこには僧侶のような光り輝く存在が待っていてくれた(つーか、思い描いたんだろうが)。メッセージもちゃんと頂くことができた。

「バブリーな、耳当たりのいいファンタジーを外に求めるのではなく、地に足をつけて、日々自己を内観してゆくことこそが大切ですよ」、と。

自分で勝手に思っただけなのかもしれないけれど、唸るものはあった。実はその前に、ダディンと約束した限られた時間の中で少しでも「お試し」をしようと気が急くあまり、たまたま空いていたって理由でやってもらったタロットがかなり外していて、イラついてしまったのだった。確かに、自分はバブリーで耳当たりのいいファンタジーを期待しているだけなのかもしれないなぁ。しご~く当然にして、地味ぃなメッセージではあるけれど、尤もだった。

誘導瞑想を終えて部屋を出るとき、「良かった。あなたすごく楽しんでいたわね」と催眠療法家の方から声をかけられた。

そうか、自分は、楽しんでいたのか。確かに、気持ちは晴れやかにすっきりしているし、爽快だ。かなりリラックスできたんだろう。

それでその方の別の「ビジュアリセーション」のセミナーにも参加してみた。それから「セータ・ヒーリング」という、なんだかよく分からないセミナーにも。

「セータ・ヒーリング」って、何? と物珍しさとタダに惹かれ試したのだけれど、試した後もやっぱり訳が分からなかった。それでもどこか興味深く、また機会があったらセッションを受けてみるのもいいかなぁ、と。

「お試し」で指圧もやってもらった。こっちは15分にしてはかなり完結していて、満足度も高かった。

その後、友達と互いの感想なんかをお喋りしつつ、コートヤード奥のカフェコーナーでBBQとチャイを2杯もご馳走になった。帰り際、アメジストの石に生えた「Tillandsia」という空中植物に一目惚れして、思わず買ってしまった。

家では、プールに入って大満足の娘と、それでお昼寝を逃して不機嫌な息子が待っていてくれた。でもってもう一人、私の帰りを待ちかねていた人が…。勤勉なダディンは、家の改修で忙しい最中にスピ系の店を覗いてくるお気楽な妻にムカつきつつ、慌ただしくペンキ塗りに戻っていった。そうして私は、自分にどっぷり浸ったMe時間から改めてまたいつもの里の行に戻った。

それにしても今日は暑かったナ。メルボルンの10月初旬にしては珍しく29度にもなった。

 2008/10/12
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