ムムが逝った朝に見た夢

文字数 1,007文字

我が家の愛犬ムム君が、家に戻ってきた。小さな品の良い木箱に入って。

木箱をラウンジのテーブルに置き、義母から贈られた花や獣医さんからのカード、お水とドッグフードをお供えした。蝋燭に火を灯し、香を焚いて、家族みんなでムムの冥福を祈った。

ムムちゃん、小さくなっちゃったねぇ。

ムムが亡くなった日のブログには書かなかったけれど、あのとき夢を見た。私たち家族が白いふかふかした小型犬をロスト・ドッグ・ホームから引き取ってくるという夢だった。

目覚める直前に、青い空から声が降りてきた。安楽死させられてしまう犬を引き取って、我が子のように面倒を見続けることは、その犬のためだけじゃなくて、あなた方自身のためにも、ひいては地球的なプロジェクトのためにも重要なのですよ、と。

その朝、ムムが逝ってしまった。

ムムを見送った後、泣きながらバスルームに鼻をかみに行ったとき、その夢のことを思い出して、ハッとしたのだった。そのときはまさにムムが死んでしまった朝に、他の犬の夢なんかを見ていた自分に呆れたのだった。無性に情けなくて、ムムに申し訳なくて…。

後でダディンに夢の話をしたら、「それは、次に飼う犬はペットショップからではなく、ロスト・ドッグ・ホームから引き取りなさいってメッセージなのかもしれないね」と言った。

そうなのだろうか? ムムもロリィもモモもペットショップから、小さな子犬のころに出会った。ジンセイで何匹かのワンちゃんたちとのご縁に恵まれたけれど、保健所やロスト・ドッグ・ホームから引き取ったことは1度もなかった。実際、自分でもあの朝、そうも感じたのだけれど、ムムが亡くなったときにそんなことを思いたくも、考えたくもなかった。

モモが突然逝ってしまって、ムムも長くはないとわかったとき、もう犬は飼わないと心に決めたのだった。哀しかったし、子どもが生まれてから子育てに追われて、犬たちの方にはあまり手が回らなくなってしまったことへの後悔もあった。

だけどそんなふうにネガティヴに考える必要はないんだよ、また飼ってもいいんだよ、というメッセージだったんだろうか? もちろん夢見の話だし。いろんな解釈があるだろうけど…。

いずれにしても今はムムやモモ、ロリィへの感謝と愛情を込めて毎朝蝋燭に火を灯し、香を焚いている。

ありがとう、ムム。ゆっくり休んで。向こうの世界でいいご縁に恵まれて、幸せでいられるように祈っています。


2009/10/23
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