カルマ・クリアリング

文字数 2,551文字

この週末メルボルンでは恒例のマインド・ボディ・スピリット・フェスティバルMind Body Spirit Festivalが開催された。今回も200近い(そんなにないか、150くらい?)ブースが並んで、セミナーやステージの方も充実していた。

時間に限りがあったので、何をしようか?と迷いつつ、「カルマの浄化Karma Clearing」ってセミナーに参加してみた。

カルマ・クリアリングって、何だろう? 瞑想でもするんだろうか? けれど1時間のセミナーである。1時間やそこらでカルマの浄化ができちゃうとは思えないけれど…。

入り口でいただいたパンフレットには、
 私たちの思念、発言、行動のすべてはカルマとなる。
 私たちが過去につくったカルマが現在に作用しており、
 死んだら、私たちはカルマに働きかける力を失ってしまう。
 私たちが意識的に行った言動は無意識的それよりも強い。
 だから人として、良きカルマを積むことで、
 自らの精神的な成長を速めることができる。
 スピリチュアルな実践を積むことで、カルマを浄化し、
 バランスのとれた人生を歩めるよう
 ラタン博士がガイドします。
ふむふむ、これは仏教思想にも通じるし、なかなかおもしろそうだナ、と。

それにしても、スピーカーのRavi Ratanさんには「Dr.」の肩書がついているけれど、医者なんだろうか? それともPhD.学術博士か? これだけじゃあわからないが、写真はインドのおじさんふうだから案外インドの学位かもしれないな。良く見れば第三の目と言われる眉間の辺りに赤い印が付いているからもしかしてヨギとか、そういう関係の方? などと思いつつセミナールームへ。会場の席はほとんど埋まっていた。

ラタンさんは登場するや早速会場に質問を投げかけた。
「もしも願いが叶うなら、あなたはどれくらい生き続けたいですか?」

「できるだけ長く!」
「健康でいられる限り!」
などと会場から声が上がる。セミナーのテーマが「カルマ」であるせいか、「永遠の命を!」などと答えた方はさすがにいらっしゃらなかったけれど。

「私でしたら、ひと様のお役に立つ限りは生き続けたいと、そう応えますね」と、そこへピシッとラタンさん。その発言に鋭い反論が入ってしまうよりも早く、利他主義とそのカルマについて話し始めた。

そうしてカルマについて5分ほど大まかな説明をした後に、7つのチャクラとそのエネルギーについて話を始めた。人体にはチャクラと呼ばれるエネルギー中枢が主要なもので7つあって、それぞれが身体機能や臓器と関係しているって話とか。

それから呼吸について。ラタンさんによれば、私たちは両の鼻の穴から等しく呼吸をしているわけではなく右か左、どちらか片方の鼻孔をメインに呼吸しているんだそうである。

で、右の鼻孔をメインにつかっているときは左脳の動きが活発になり、左の鼻孔をメインにしているときは右脳が活発になっている。状況によって違うものの、たいていの人がどちらかの鼻の穴をメインにしていて、左脳に支配される現代社会では右の穴中心で息をしている人が多い。右穴派の人は絶えず活動状況にあり、呼吸も早く浅くなりがちである。ストレスを溜め込んでしまう人もこのタイプに多いという。

現代人に不眠症の方は多いが、眠れないときは呼吸する鼻の穴を右から左へと変えるだけで良いんだそうナ。左でゆったりと呼吸をすれば、ほ~ら、心もゆったりと、瞼が重~くなってくる。

では左穴呼吸を心掛ければいいのか? というわけでもなく、左右のバランスを取ることが重要なんだそう。ゆったりと呼吸のバランスを取ることで精神の均衡も保たれ、健康にバランスのとれた人生を送ることができる。というもので、

ええーっ、そうだったの~~~っ!?
と意外な「片穴呼吸理論(?)」に戸惑っていると、呼吸チェックが促された。ラタンさんの計る時間の間に、いったい自分が何回呼吸をしているのか数えると言うもの。

「はい、そこで止めて! 何回でした?」

私は11回だった。これは多いものか、少ないのか? 10回以上の人と言うことで手を挙げさせられたものの、それに対する具体的な説明はなかったので良くわからない。

ついで、今度はゆっくりと呼吸をするように言われ、同様に計測。私は4回であった。

「ほぉら、ゆっくりしようと思えば、呼吸の回数も減るでしょう」と、満面の笑顔でラタンさん。

ゆっくり呼吸しろと言われてしたのだから当たり前である。。。けど、それ以上の説明はなかったので、この呼吸計測の意図も全くつかめないまま。いったい何だったんだろーか?

それから呼吸に意識を集中した後、チャクラを浄化するという瞑想をした。例の7つのチャクラをクリアにするって瞑想である。別段、珍しい瞑想ではないのだけれど、面白かったのはラタンさんの場合、5番目のアジナAJNAチャクラ、いわゆる第三の目のチャクラから始めて、尾骶骨の辺り、第1のムラダラMULADHARAチャクラに降りてきて、そこから順に上がっていくことだろうか。

呼吸を、そのチャクラのある辺りに集中させるのだけど、その際それぞれのチャクラがあらわす色も意識する。そうしてそれぞれのチャクラに対応する音、アジナ・チャクラなら「AUMオーン」とか、ムラダラ・チャクラなら「Laamラーン」とか、声を出しながら息を吐くんだ。

「オ~~~~~ン」だの、「ラ~~~~~ン」だの、思いっきり声を出しながら瞑想するのは気持ちがいい。自分がどっちの鼻の穴をつかっているかは定かではなかったけれど。

セミナーは「カルマ・クリアリング」というより「チャクラ・クリアリング」って感じだったかな。でも気持ち良かったので、思わずラタンさんの誘導瞑想のCDを買ってしまいました。もしかして私ってば、会場で高級布団を買わされてしまうってタイプ?

後でCDと一緒にいただいたパンフレットを見たら「タントラTantra」となっていた。そうか、ラタンさんのお話には「私のグルーによれば」ってフレーズがやたらと多かったのだけれども、彼は噂に聞く(?)タントラ・ヨーギのひとだったのかもしれないなぁ。

とにかくせっかく買ったのだから明日こそ、このCDで瞑想してみよう。


2010/6/11
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