過去の景色に揺れる花

文字数 228文字

暑い風が勢いよく肩の上を過ぎ去っていった
まどろんでいるように見える君の瞼が
視界の中にとどまった

それはいつかの風景がデジャブして
懐かしい世界へ誘う

畑の横に明るい花
花火のような彼岸花
数えて歩く帰り道

川の向こうに小石を投げて笑う

サリガニを取るのに必死なスニーカー

今日が明るい未来を連れてくることを
確実としたそれ

眩しいくらいな額の汗が
僕らを輝かせる季節たち

贅沢な悩み
皮肉な笑顔
屁理屈をいう唇
明日を庇う言葉

いくつあっても足りない強い過去が
今の僕には切なくて涙が溢れる

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