悲しみ彷徨う君へ

文字数 367文字

本当に君は空に向かって飛ぶのかい?
湿った思考を漂う雲に溶かして

本当に君は空に向かって飛ぶのかい?
小さな羽を震わせながら

大切に大切に手のひらを開ける僕が
浮上しようとする君を閉じ込めた
ごめんね
僕は君を手放せない
弱い自分が悲しくて

それでも本当に君は空に向かって飛ぶのかい?

いつかだったか永遠の愛などないのだと
それが発見なのだと君は言った
僕は影にさえ嘘をつきたくなくて
心を蛍火みたいにゆらしながら
君について行くことしか出来ずにいる

まるで凍てつく太陽が転がって砂漠に落ちたような
そんな気がしたんだよ
君を手放したくない自分と
投げ出したい自分が交互に現れて喧嘩するんだ

シャボンみたいな恋愛が深くはなりはせず
一瞬で消えていく
その様を見ながら

そうか
だから君は空に向かって飛ぶんだね
あの真白い鳥のように

それでも僕は問おう
本当に君は空に向かって飛ぶのかい?


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