黒き鳥の瞳

文字数 192文字

世の中に戦乱などないと
夢うつつを思い知り
途切れたため息を袖の下に隠した

いつか見たあの若者の息吹を感じた瞬間
我に返る

心なしか
危うい視線が糸のようにからまり
あなたを見つめる自分が
滑稽でそしてそれから哀しかった

この先も原風景に佇む君の貴人のような姿に
思い()せるのだろうか

恋でもない愛でもない何者かに
思い馳せるだろうか

知っているのはあの時の鳥だけだろうか
あの黒い鳥ならば様々な時を語るだろうか

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