積年の想い木霊して

文字数 290文字

 煙霞(えんか)に去った時を振り返り
  君は(むせ)び泣く

 その哀咽(あいえつ)が闇に響く夜
  何度と繰り返す惜別に苦しみ嘆く我声を聞き給え

「 紡ぐ命 仮の音の 」

 この世は儚きもの
 
栄華な都はいつの日か必ず廃墟になる
  永遠はなく
  残るのは
  夜の星輝くばかり

 さらに道をいき
 出会えた麗人の瞳に会えば光なく
 ただ(くう)を見つめるばかり

「 美しみ映る 風に心木霊して 死ぬるまで 愛音を 眺めよ 」

 君はただこうあれ

 哀れは 果たして 誰の手に 染み出すか
  永久に知る由もなく

 暗闇を見つづけるのはやめ
  ただ時に身を任せよと

 ならば惜しくもなきこの命 燃え尽きるまで
  ただ君を声にならぬ声で包むと約束す


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