愛の台詞なんていらないよ

文字数 226文字

とろけそうな瞳に夕焼け雲が映って
僕の心臓が飛び跳ねる
長くて黒い髪の毛が風に揺れて
避ける僕は戸惑う

やめてくれ
愛してるなんて
安っぽいセリフはいらないよ
ただ目の前に君がいる
それだけで十分なんだ

僕の心の方向性が胸の高鳴りの中で
それに嵌(は)め込まれたように存在してほしい

つまりいつまでも見つめていたいだけなんだ

それでも君は僕に
愛してるなんて言葉使うのかい？
やめろって言っているのに？

心の箱の中には
何が入っているって？
それは唇さ
戸惑うほどに血の色の唇さ
君を賛美する唇さ

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