名前を隠して存在する人へ

文字数 302文字

車輪がまわる
車輪がまわる
車輪がまわる

脚が怒りそうになっても僕のポケットには
キレイなビー玉が入っているんだ

それはお守りのように
  静かに生きている

君の願いは知っている
   何もかも捨てて欲しい願い

空がいくら迫ってきても
  あの青に追いつけなくても
     僕の車輪はまわっている

息つく暇もなくまわっている
   彼方に聳える山脈が
     身体の中で脈打つように
あなたが何者なのか
  僕は知らないけれど
    恍惚とした表情を見れば気がつくんだ

あなたは届かない響きを持つ
  あの雲だって 
 
あなたは心のない
  何者かなんだって

姿の見えない世界の住人が
   僕の中に入ってくる

そこには美しい何かが眠っているんだ


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