少年
文字数 233文字
誰もいない砂漠に少年がたっている
彼の足が砂を蹴ると足跡に薔薇の花が咲く
少年は空を見つめていた
一心不乱に見つめていた
空にある雲は振り返り言った
「 君の見つめているものは何か? 」
少年はこくり頷くと答えた
神妙な顔をしている
「 彼方の彼方の王国でカラスが飛んでいる 」
それは宇宙のことなのだった
ここには砂しかないが
宇宙には輝きがある
少年の瞳にはそれを覗きこむ心眼があるのだ
黙って雲は流れていく
少年は孤独を知らない
全ては全て
繋がっていることを知っているからだ
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