意地悪なわたし

文字数 264文字

枯渇した意識の冷たい部分に
氷が触れる
今日は雪なのだった

嵐が来ようとも微動だにしない石像のように
わたしの固い熱情に絆されない彼がいた

もし明日晴れたらできることはないかと
彼に問われたら
今度こそ
いっそうひねくれた答えを出そう

それは背後の山脈のように
力強くなくてはならない

悪戯な悪魔のようであってはならない
厳粛な神のようであってもならない
高らかに笑う魔女のように
自尊心の塊であってもならない

自分は何処か知らなくてはならないのは
誰でもない己なのだ

彼にたわいもない話をできるのは
このわたしだけ
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