第20話
文字数 462文字
「なんですか? あけてみても?」
そう言いながら、奏さんはリボンをほどいた。何が入っているんだろう? 気になって、僕もカウンターから控え目に首を伸ばして、包装紙が開かれるのを見守った。包装紙の中からは、キッチンペーパーに包まれた物が出てきた。キッチンペーパーはさらに何重にも重なっている。一枚一枚はがしていき、ようやく中から出てきたのは小さな卵だった。いつも見慣れているニワトリの卵の半分以下の大きさだ。
「これ……?」
奏さんが不思議そうな顔を杏さんに向けた。
「うちのチャボさんの卵です。今朝、取り立てで新鮮ですよ」
杏さんは少し胸を張って説明した。
「あ、うちの子、小さいのでまだ卵は、食べさせていないんです」
自分の赤ちゃんへのプレゼントだと思ったのだろうか。奏さんは慌てて、卵を杏さんの方に押し戻しながら、申し訳なさそうに目を伏せた。
「奏さんに、ですよ」
杏さんは笑って答えた。
「がんばっているママは、疲れますからね。栄養取ってください。卵ご飯にすると美味しいです。あっ、卵アレルギーはないですか?」
そう言いながら、奏さんはリボンをほどいた。何が入っているんだろう? 気になって、僕もカウンターから控え目に首を伸ばして、包装紙が開かれるのを見守った。包装紙の中からは、キッチンペーパーに包まれた物が出てきた。キッチンペーパーはさらに何重にも重なっている。一枚一枚はがしていき、ようやく中から出てきたのは小さな卵だった。いつも見慣れているニワトリの卵の半分以下の大きさだ。
「これ……?」
奏さんが不思議そうな顔を杏さんに向けた。
「うちのチャボさんの卵です。今朝、取り立てで新鮮ですよ」
杏さんは少し胸を張って説明した。
「あ、うちの子、小さいのでまだ卵は、食べさせていないんです」
自分の赤ちゃんへのプレゼントだと思ったのだろうか。奏さんは慌てて、卵を杏さんの方に押し戻しながら、申し訳なさそうに目を伏せた。
「奏さんに、ですよ」
杏さんは笑って答えた。
「がんばっているママは、疲れますからね。栄養取ってください。卵ご飯にすると美味しいです。あっ、卵アレルギーはないですか?」