第79話

文字数 417文字

 望未は遥が心配になる。しかしどうしたらいいか分からない。望未自身も半分当事者である。
「来生君……これ、この間話した本」
「あ、ありがとう」
 そんな中、言葉を交わすことが普通になった宇佐美に相談することを思う。

「私にそれを聞くかな?」
「ごめん……他に話せる女子がいなくて」
「……そっか……噂はあくまでも噂だったか……」
「そうだよ、遥ちゃんはそんなんじゃないって」
「ふふ、そっちじゃないんだけどなぁ」
 宇佐美は大きく伸びをする。
「え?」
「OK、任せといて。心辺りあるから」
「大丈夫? 相談しておいてアレだけど……」
「噂を消すのは難しいけど……さらに噂を流して、上書きしちゃおう」
「ホント? できるの? そんなこと」
 宇佐美は返事の代わりに笑顔を向ける。
「ありがとう。助かる」
「あーあ、何もこんな時期に言わなくったっていいのにさ」
「え? あ、うん、ゴメン」
 望未は宇佐美の真意が分からないまま、生返事をしておく。

 暦は二月を迎えていた……。
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