第155話
文字数 454文字
「ワンアウト、ワンアウトー!!」
颯来は恥ずかしくなって隅の方に移動して観戦する。愉香は遥が気付いて近くへ呼び寄せる。どこか見えなくなってしまった颯来に聞こえるように望未の声は球場中に響いた。
(今できることを考えろ、投手を助けるんだ)
望未のスイッチが入れ直された。試合再開である。
(俺もドジ踏んだが、バッターだって肝を冷やしたはずだ。奴の頭の中にはさっきのボールが残っているはず)
望未のサインに柳沢は一瞬驚くも、頷く。望未が不敵な笑みを浮かべていることに安心する。
(大丈夫、信じてください)
柳沢の足が上がる。八球目が投じられた。バッテリーが選択したボールは六球目と同じ、外に落ちるボールだ。
(絶対に止めて見せる)
落ちるボールは失投、落球しやすい。バッターも今のさっきで投げて来るとは思ってもいないはず、そして少しでもストレートと思わせられれば打ち取れる。
思惑通り、タイミングを外した。バッターは体が開いてスイングに力が無い。しかし当てるのは上手いようで何とかカットに逃げようと残したバットに当てる。
颯来は恥ずかしくなって隅の方に移動して観戦する。愉香は遥が気付いて近くへ呼び寄せる。どこか見えなくなってしまった颯来に聞こえるように望未の声は球場中に響いた。
(今できることを考えろ、投手を助けるんだ)
望未のスイッチが入れ直された。試合再開である。
(俺もドジ踏んだが、バッターだって肝を冷やしたはずだ。奴の頭の中にはさっきのボールが残っているはず)
望未のサインに柳沢は一瞬驚くも、頷く。望未が不敵な笑みを浮かべていることに安心する。
(大丈夫、信じてください)
柳沢の足が上がる。八球目が投じられた。バッテリーが選択したボールは六球目と同じ、外に落ちるボールだ。
(絶対に止めて見せる)
落ちるボールは失投、落球しやすい。バッターも今のさっきで投げて来るとは思ってもいないはず、そして少しでもストレートと思わせられれば打ち取れる。
思惑通り、タイミングを外した。バッターは体が開いてスイングに力が無い。しかし当てるのは上手いようで何とかカットに逃げようと残したバットに当てる。