第76話

文字数 2,908文字


源三郎江戸日記(弟三部)76

私達は絶対に許しませぬと言うので、あれは反省する奴ではないな、新之助に捕らえてもらい、八丈島送りにすれば良いと言うと、町方は薩摩藩士には手が出せませぬがとお玉が言うの、
薩摩藩は我が藩の者ではないと切り捨てるさと言うと、なる程隠し目付なので都合が良いわけですねと言うので、家禄が50石なので欲がでたのだろうが、それにしても根性が腐っておる、
奴じあと言ったのです、

才蔵が入って来て奴は足をくじいたらしく、源内に治療をして貰って家にいます、左手と足首を怪我していますというので、ほうっておけ、逃げ場はないのじあ、それより磯部の平吉は、
まだ見つからぬかと聞くと、新之助殿のテカが両国橋を日本橋に歩いているところを見かけ、後をつけたそうです、三田の薩摩の上屋敷に入ったそうで、そこからは出て来ないそうです、
と言うので、

上屋敷に博打場はないだろうと言うと、薩摩藩には下屋敷も博打場はありませんと言うので、急ぎ働きに薩摩が組みするとは思えぬがと言うと、なんせ薩摩屋敷なので忍びでも手がでま、
せんと言うので、無理するなよと言ったのです、朝餉が終わり、お玉とお咲はこれで上屋敷に帰ります、旦那様はと聞くので市来を捕らえるとしょうと言うと、ハイ、うんと懲らしめて、
下だされと言うと籠にのり帰っていったのです、

お律が陣痛が始まったようですと言って、産婆を呼びに行き産婆が来ると、お湯をわかしなされと言うと部屋に行ったのです、わしは何をと聞くと、お滝が部屋で待ってくだされ、昼に、
陣痛が始まるとは、まれな事ですよ、さすが旦那様の子供ですねと言って、台所へ行ったのです、待っていると昼になりおぎや~と赤ん坊の泣き声がしたので、部屋に行くと、お滝が男、
の子ですよと言うので、

見るとお峰の乳房を加えてゴクゴクと、お乳を飲んでいたのです、でかしたぞお峰と言うと、ハイと言うので、名前は奥田源之進が、良いじあろうというと、いい名前です、と言うので、
源之進と書いた名前を壁に貼り付けたのです、飲み終わるとお峰が背中をさすり、ゲッフ゜が出ると渡したので頭を押さえて抱き抱えると、にこ~と笑ってあくびをしてす~す~寝て、
しまったのです、

お峰の傍に寝かせてると、産婆が満ち潮に生まれるなんぞは、この童は多くの苦難も動じなく育ちますよと笑ったのです、それではお玉と若狭屋にも知らせてこようと言うと屋敷を出て、
まずは深川に向かい若狭屋に知らせると、おめでとう御座ります、さつそく、お祝いを届けておきますと言うので、かたじけないと言うと店を出て北町奉行所に行き新之助に下手人は、

薩摩藩士市来多門じあ、これから捕縛にまいる、同道せよというと、わかったと言うと、取り方を連れて金杉橋に向かい、家を取り囲んで、中に入ると、町方は手は出せんぞと言うので、
お前は薩摩藩士ではない、藩はお前を見捨てたのさ、八丈島に遠島じあな、代変わりの特赦まで、辛い思いをしろと言うと、縄を打ち、その足では歩けぬだろう、荷車に載せてやれと、
言うと、

江戸家老に諸国巡察視を弓で襲った市来多門を捕縛したが、この者は薩摩藩士かと三蔵を使いに出したのです、三蔵が戻ってきて、江戸家老はそのような者は当藩にはいない、存分に、
なされとの口上でしたと言うので、北町奉行にこれから吟味して明日は八丈島へ送るがと言うと、異存ありませぬ、諸国巡察視を怪我させるとは、本来なら斬首に御座ると言うので、
斬首より八丈島送りの方が辛ろう御座るよというと、

そうで御座りますなと言うので、白州に引き出し、市来多門そなたは事もあろうか、諸国巡察視を弓で狙い深手をおわせるとは、お上を恐れぬ不届きな所業である、よって、八丈島送、
りとすると言って、薩摩藩では市来多門等と言う藩士はおらんと言う事じあと言うと、何の吟味もなく島送りとはと言うので、その左手の傷と屋根から落ちて足をくじいたのは立派な、
証拠じあ、

逃れる事はできぬ、本来なら斬首の刑だが、特別にに島送りにしてやると言うと、島抜けしてお前を殺してやると言ったので、待っておる、次は佐渡金山送りにするぞと笑って引き立、
てろと言うと、引き立てられたのです、奉行所を出ると桜田門の上杉上屋敷の役宅に入り、お玉に男の子が生まれた事を知らせると、おめでとう御座りますと言うので、名前は源之進、
とすると言ったのです、

お玉が暫くは根岸に逗留しなされと言うので、あい、わかった、市来は捕縛して八丈島送りとしたというと、すこしは、こたえるでしょうと笑ったのです、そのころ薩摩藩上屋敷では、
江戸家老が次席家老に市来は何を血迷ったのだ、まさか阿片を投棄せず横流しをしょうとしたのでは無いだろうなと言うと、次席家老が多分それが発覚した為に襲うたのでしょうと言、
うと、

偽寛永通宝の件をしゃべれるとまずい事になる、早急に始末せいと言うと、明日の遠島船に載せられると言う事で、手の出しようがありませんと言うと、それではまだ喋ってはいない、
な、島送りなら今日は大伝馬町の牢獄にいるはずだ、差し入れは出来るはずじあな、親戚と言う事で20両を差し入れよ、牢名主にその金をやるので始末を頼めば喜んでやるじあろうと、
言うと、

承知しましたと言うと御用部屋を出て行き、中間部屋に行き磯部の平吉に牢に入っている市来多門の始末を頼むと50両渡して、お前の取り分は30両じあと言うと、ヘイ、今牢に入って、
いる者がいます、そいつに牢名主に頼ませましょう、20両なら喜んでやりますよと言って、薩摩屋敷を出て、仲間のいる品川の盗人宿にいき、正吉お前は顔を知られていないので大伝、
馬町に行き、

市来多門への差し入れだと20両を渡すのだ、ついでに博打で捕まっている松蔵に10両渡して市来の始末を牢名主に頼み、市来の20両はやるといえば、始末してくれる、明日は船に載せ、
られるので、今夜しかないと伝えろと言うと、ヘイ、それでは早速と言うと、宿を出て行ったのです、頭はいつ来ると、いうてなされたと聞くと、明日ここに入るそうですと言うので、

よし明日は芝神明の両替商今津屋に押入り、千両箱を頂き、蔵に入ってる寛永通宝の俵2表をすり替えるぞ、これで二千両分になる、千両だけ盗まれたと思うだろう、寛永通宝は偽金と、
はきずかれない精巧に出来ている、今までも誰も気づいていない、厩橋や両国橋でわしを見たはずじあから、勤めは千住か本所あたりと、思うているはずだと笑ったのです、摩り替、
えた寛永通宝は薩摩屋敷に運び込むぞ、

取り分は1000両だ、これで分け前をくれるので4000両貰える、蔵に1000両以上あれば、それも頂くといったのです、その頃源三郎は深川の、居酒屋に顔を出すと、おみちがご家老もう、
大丈夫なんですかと言うので、このとおり、ぴんぴんしているよと言うと、みんなで心配していたんですよ、今日は快気祝いでお足は良いですよと言うと、酒とイワシの丸焼きを出し、
て酌をしたので飲み干したのです、

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