第39話

文字数 2,711文字


源三郎江戸日記(弟三部)39

翌日城に行きおのう、新之助、塚田新一郎が用意して庭に待機していると、綱道が出てきて、色々苦労をかけたようじあのう、わしが跡目を継いだお陰で、大勢の者に迷惑をかけたと言、
うと、おのうが殿のせいでは御座りませぬ、主席家老の緒方監物の差し金で御座います、敵討ちをお許しくださいというと、わかった許すぞ存分な働きをせいと言ったのです、主席家老、
の緒方、町奉行、郡奉行、郡組頭、が引き出され、

縄目を解き、刀を渡して、誰かこの者達の助太刀をするものはおらぬかと聞くと、田中が藩中には獅子身中の虫に加勢等するものはおりませぬと言うので、ならばおのう、新之助、塚田、
にお玉だけが助太刀する、わしは検分役じあと言って、それでは尋常な立会いである、敵討ちはこれ一回のみじあ、討たれてもその敵討ちはならぬと言うと、はじめよと言うと、みんな、
が刀を抜いたのです、

お玉が走りこみ、まずは町奉行、郡奉行、郡組頭の手を切り下げると、ぐわ~と言って刀を落としたので肩を打ち据えると、転がったのです、塚田一郎が緒方と切り結び弟の仇思い知れ、
と太刀を切りさげると右肩に刀が食い込み、うわ~と言って刀を落としたので、新一郎が今で御座るというと、おのうと新太郎が小太刀を緒方の腹めがけて突き出すとグサッと突き刺り、

ぐえ~と言ったので、2人が刀を抜くと前にバタンと倒れて血が流れ出したのです、転がっている3人をお玉がおのう殿どうしますかと聞くと、その者達には恨みはありませぬと言うので、
源三郎がそれまでじあと言って、緒方の遺体を屋敷に運びねんごろに弔うように申しつけよ、又緒方の嫡男には家禄はそのままで跡目相続は許すと伝えなされ、但し賂の金寸は総て没収、
しなされと言うと、

田中がハッと言って、遺体を藩士達が担いで傍をはなれたのです、綱道が見事な敵討ちであった、元の家禄で武田新之助に帰参を許すぞと言うと、おのうがその儀は新之助が元服するま、
でお待ちくだされと言うと、あい、わかった、いつでも戻って来いと言ったのです、中山殿仕置きをと言うと、全員の家禄を元に戻し、切腹した郡奉行の遺児は元の家禄にて帰参を許す、

なお町奉行、郡奉行、郡組頭はお役ごめんとする、隠居願いを出すのじあ、家督はそのまま嫡子に継がせる、殿以いかがでござりますかと聞くと、それで良い、金輪際家中で揉め事を起、
してはならぬ、又江戸、国元の留守居役もお役ごめんとする、中山後の人選を重役と協議して推薦せよ、有能なものは家禄が低くとも登用せよと言うので、中山が承知いたしましたと言、
ったのです、

野田、斉藤、岡田、西田、佐藤が前にでて、我々は武田新太郎の討ってに加わった者です、おのう殿この首を打ち落としてくだされと言うと、おのうが主命に従っただけでしょう、貴方、
には恨みはありませぬと言うと、ご配慮痛み入りますと5人が言ったのです、源三郎がこれで城の中の掃除は終わりました、後は外の掃除にござりますが、これは私の役目なれば綱道様、
それがしにお任せあれと言うと、

あい、わかった、源三郎の意のままにするが良い、今回は世話になった、これよりは善政を行い、藩政の改革を藩主みずから行うようにするぞと言うので、よくぞ申されたこれで上松藩、
は安泰で御座る、中山殿町奉行、郡奉行、郡組頭の受け取りし賂も総て没収しなされ、総てで1万両以上になり、藩財政立て直しも楽になるでしょうと言うと、承知しましたと中山が言、
ったのです、

それではこれにて失礼する、中山殿後は捕らえた者の処分に御座いますと言うと、中山を連れて町奉行所に行き、全員を白州に引き出して、まずは弥太郎じあ、町を騒がして悪役非道、
は許しがたいが今回は特別に目こぼししてやる、押収した金のなかから200両は返してやる、これを持ち城下を出よ、二度とこの城下に立ち入るべからずじあ立ち入れば打ち首とする、
これを持って、

配下共々城下をでろ、なお他の財産は総て没収すると言うと、ヘイと言うと全員が、奉行所を出て行ったのです、さて木曽屋じあが、店を潰せば奉公している者が糧を失うので特別に、
許してやるが、この1万二千両の内1万両は没収する、上松藩御用達は取り消しとする、材木はこんごは総て入れ札とする、なお米の買い上げも藩に、鑑札料を払えば総ての商人に許す、
事にする、

又町の冥加金も、1割りに戻すと言たのです、町名主はおるかと聞くと、ハイ名主の徳兵衛で御座いますと言うので、この中から2千両を下げ渡す、これで今まで迷惑をかけた者達への、
保証金にせい、あまれば町の為に使うが良いと言うと、有難う御座います、これで以前の賑わいを、取り戻せますと言ったのです、女郎屋と博打場は町名主の、そなたが仕切るのじあ、
その為に2千両を下げ渡す、

女郎の借金は無しとして、残りたいものだけでやるのじあ、儲けは折半、着物は店の支給、病気になった場合の治療費も負担せよ、尚博打場は誰かにまかせるが良いが決してイカサマ、
はやらせるなと言うと、ハイ、女郎屋は女郎に、又博打場は良いヤシの元締めがいますその者にやらせます、いいつけは必ず守らせますと言ったのです、町奉行所には1000両を下げ、
渡す、

町の為に使うのじあ、後の金は総て藩の勘定へ納入する、中山殿いかがで御座ると言うと、それで結構に御座います、今後は江戸家老3人、国家老3人を選び、合議にて殿に上申します、
と言うので、それが良いと言ってこれで総て終り申したと言うと、色々のご配慮有難う御座りますと言うので、後は宜しく願いますぞと言うと、おのう、新太郎、塚田を連れて居酒屋、
に行き祝杯をあげたのです、


塚田一郎に参勤交代では良い事をなされたと言うと、当然の事をしたので御座ります、おのう殿、新之助敵が討ててよかったなと新一郎が言うと、叔父上のお陰に御座いますこれより、
は医術を学び藩にもどったら、百姓衆に教えたいと思いますと言うので、わしも郡方に戻して下さるそうじあ、郡方の仕事を教えてやるぞそれと一緒に百姓衆に教えれば喜ぶであろう、
その後は郡組頭となり、

新太郎の意思を受け継ぐのじあと言うと、ハイ、一生懸命頑張りますといったのです、源三郎が酒はまだ早いので、美味いものをうんと食べろと言うと、ハイ、飯をと言うので、飯と、
天ぷら、味噌汁をと頼んだのです、おのうが村上様には本当にお世話になりました、主人が引き合わせてくれたのですね、戻って、お世話になった人達に恩返しをしますと言ったの、
です、

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