第81話

文字数 2,965文字


源三郎江戸日記(弟三部)81
 
権藤だけは、横浜に残り、様子を見る事にして、他のものは藤沢宿で待つように言ったのです、明石藩一向は、用心しながら江戸を出て夕方には横浜に、着き直道は本陣に入つたのです、
本陣をやっている江戸屋の番頭が挨拶に行くと、時田が武装した浪人共が行列の前を通ったはずじあがと聞くので、ハイ、20人程で馬の横腹には鉄砲らしき物をくくりつけて戸塚宿方面、
へ行きました、

宿場の役人が呼びとめましたら諸国巡察視の配下だと言いましたので、そのまま通過させたそうですと言うので、そうか、わかつたと言うので、ごゅつくり逗留なさりませと言うと部屋、
を下がったのです、直道がたった20人か何程でもないわと言うと、油断出来ませぬ、箱根の道はせまく狙うのには最適です、殿は籠を降りて、騎馬の中に入りお進みください、というと、
わかった、

籠も飽きたので丁度良いわ、ここは大層賑わっているのう芸子を呼べと言うので、くれぐれも騒ぎはなりませぬぞと言うと、わかっておるわと言つたのです、権藤があやめの居酒屋に行、
くと、乱暴者の明石藩一向逗留しているみたいで、みんなは何か騒ぎが起こると言うていますと言うので、なんと言うても暴君じあそうだからな、何かあればわしに言うてくれ、今夜は、
二階をかりるぞと言うので、

ハイ権藤様はがいてくだされば安心ですと言うので、権藤はめしと酒を頼んだのです、置屋の女将がやって来てあやめに大変です、芸子3人を本陣によこせと言ってきました、前には戸塚、
宿で芸子を呼び芸が下手糞だとお怒りになり、あやうくお手打ちになる所を家老の時田様が止められたそうですが、癇癪を起されて芸子が腕を切られたそうですと言うので、それでその、
芸子はと聞くと、

お陰で三味線は引けなくなり、芸子を辞めて江戸に行ったそうです、何の保障もしてくれなかったそうですよ、どうしましょうと言うので、わかったわ、私も元は深川の芸者です、私が、
出ましょう、後2人にはわたしがついているので安心するように言うてくだされ、お雅店はたのむよと言うと、およしなされ、何をされるかわかりませぬというと、このまま黙っていれば、
源三郎の旦那に申し訳ないでしょう、

深川芸者の意地を見せますというので、権藤がそれでは拙者が太鼓持ちとして一緒に行きますと言うと、太鼓持ちが出来るのですかと言うので、やった事はありませぬがと言うと、それ、
なら、裏から入り台所で見張ってくだされ、何かあれば三人で、逃げてきますと言うので、承知したあやめ殿を怪我させては、源三郎殿に申し訳ない、くれぐれも用心しなされと言うと、

三味線のバチは立派な武器になりますよと笑って、支度をしに奥に行ったのです、置屋の女将は芸子を呼びに家に行き2人連れて来て、あやめが心配要りませぬよ、私がその暴君の相手、
をします、何かあれば直ぐに台所に行きなさい、権藤様が助けてくれますよと言って、さあ、出陣しましょうと言うと出掛けていったので、権藤は後をついていき、裏から入り番頭に、
訳を話すと、

こちとらにと縁側に酒と肴を出したのです、あやめ達三人はおいでなさりませと部屋に入り、挨拶すると直道がよう来たと言うのであやめと申しますと傍に行き酌をすると、中々の美形、
ではないかと言うので、まあ、お殿様はお口が上手なんですねと酌をすると飲み干したのです、それでは一指しと言うと、芸子2人が三味を引きあやめがセンスを持ち立ち上がり踊ると、
中々の踊りです、

踊りが終わると直道が拍手をして、見事な踊りじあと酌をするので、飲み干し返杯したのです、今夜はわしの夜伽をせいと言うので、芸者は芸は売っても体は売りませぬ、女子欲しけ、
れば隣の女郎屋へ行きなされと言うと、金はいくらでも払うぞと言うので、1000両つまれてもお引き受けできませぬと言うと、なにお、生意気なそこになおれ手打ちにしてくれると、
言うので、

時田が殿騒ぎはなりませぬというと、うるさい、と立ち上がり、小姓から刀をとり、刀を抜こうとした時に、あやめは芸子のバチを取りピシ~と振ると、ぐわ~と言って握った刀を落と、
して手から血が流れたのです、さあと言って芸子を連れてた居所に行くと、権藤が早く逃げなされと、裏口から逃がしたのです、直道が何をしておる、捕らえてつれて来いと言うと近習、
5人が台所へ走ったのです、

道中医師が腕を見て、たいした事はありませんと言って治療をしてさらしを巻くと、おのれ、八つ裂きにしてくれるわと言ったのです、近習が台所に行き芸子は何処に行ったと聞くので、
権藤が無体な事をしおって、わしが相手だと言って外に出ると、5人が刀を抜くと、権藤も刀を抜き手加減はせんぞと言うと、上段に構えて一気にふり降ろすと、近習頭が示現流の一太刀、
で肩口から切り裂かれぐわ~と言うと絶命したのです、

あとの4人がおのれと言って切りかかると、次々と切り倒されて、転がったのです、それでは逃げるぞと言って居酒屋に戻り、ここにいてはまずい芸子も総てひとまず奉行所にと言って、
あやめと置屋の女将芸子を連れて奉行所に行くと、奉行の前田が承知しました、誰もいれさせませぬ、みなの者鉄砲を持て、門を固めろと言ったのです、ご家老は戦うなと言わけれが、
あのような暴挙はゆるせんと言うと、

前田が来たら打ち負かしましょうと気勢を上げたのです、時田は台所に行き総て切り倒されているので、なんとした事じあ、誰のしわざじあと聞くと、番頭がわかりませぬ、浪人が切り、
倒して逃げましたと言うので、医師を呼び手当てさせて、直道に近習は総て切り倒されていますと言うと、何歯向かうものは容赦するな、藩士を集めて探せと言ったのです、時田がそれ、
はなりませぬというと、

いつも、いつもうるさい奴じあ、お前は下がっていろと言って、目付けの下田はおるかと言うと、ハツここにと言うので、手勢をつれて探索いたせと言うと、ハッと言って藩士5名を連れ、
て出て行ったのです、時田は自分の部屋に行くと、用人がああなれば手がつけられませぬと言うと、そのうち熱がさめるじあろう、ほうておけと酒を飲み干したのです、下田達は芸子と、
浪人が奉行所に駆け込んだと聞いて、

奉行所に行き明石藩に狼藉を働いた者を引き渡しして貰いたいというと、門が開き鉄砲10丁が筒先をそろえて、横浜奉行の前田である、不届きなのはそなた達じあ、これ以上騒ぎを起こ、
すと、為にならぬぞ、おとなしく本陣にかえり、早々に出立しろと言うと、明石藩士は200人からいるぞ、それと戦うと言うのかと下田が言うと、是非もないかかってまいれ殲滅してく、
れると言ったのです、

騒ぎを駆けつけた、富蔵以下500名が手に手に棒を持ち、後ろを見よ、わしの配下は後500人はいる、立ち去らねば、本陣に突入して直道の首をあげるぞと言うと、何と宿場中が敵に回る、
と言うのかと聞くと、ここは村上源三郎様の手の者ばかりじあ、この宿場での騒ぎはならぬと言って、それ富蔵が言うと、わ~と言ったので下田達は慌てて本陣に戻り、直道にこの宿場、
は村上源三郎の配下の者達ばかりだそうですというので、

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