第93話

文字数 2,710文字


源三郎江戸日記(弟三部)93
 
奉行の長井玄場に御座います、何か佐渡に問題でもと言うので、それをこれから調べるのじあと言うと、ひとまず奉行所にと言うので、馬を人数分用意するのじあと言うと、承知しました、
と言うので、奉行所に行きまずは堀りだした金を見せてもらおうというと、蔵に案内して鍵を開けたので、中を調べると箱が4個程あります、これを小判に鋳造するとどの位出来るのじあ、
と聞くと、

およそ6千両になります、年間約5万両の産出です、以前に比べれば5分の一と言うところですと言うので、そうすると後100年もすれば掘りつくすという事じあなと言うと、恐らく50年位、
だと思いますと言うので、それまでには精錬技術も進化して、捨てている廃鉱石のくずから抽出できるかもしれん、捨てないで一箇所に集めて山にして置くと良いと言うと、そうして、
あります、

現地に行けばわかりますが、廃鉱石の屑山がすでに10個程ありますと言ったのです、馬の用意が出来たと言うので現地に行くと、多くの小屋があります、馬を降りて中を覗くとどれも汚い、
ので、これでは病気になる者も多いであろう、小屋を長屋にして住みやすくせいと言うと、そのような費用はありませんがと言うので、わしが5000両を下げ渡すので、直ちに掛かるのだ、
後で船から降ろしてやろう、

女郎屋、銭湯、居酒屋を作るのじあ、さすれば、人足は喜んで働き生産が上がるじあろう、銀山もここから近いのであろう、中間に町を作るのじあよと言うと、そうすると一年分の金の、
産出と同じになりますがと言うので、少しは投資が必要なのじあよ、上様にはわしから言うておくと言うと、ハハッ、対岸のから大工と資材を運び込み、早急に作りますと言ったのです、

それでは坑道に入るぞと言て、みんなはここで間っておれと言って、奉行と坑道に入ると案内の役人が大分深くなっていますと言うので、縦横に沢山の坑道が広がっています、半時歩き、
やっと採掘現場に行くと奉行が来たので驚いています、頭がお奉行様わざわざ起こしなされたのですかと言うので、こちらは諸国巡察視の村上源三郎様じあ、様子を見にこられたのじあ、
と言うと、

これは幕府のお偉い方がわざわざ起こしなされたのですかと言うので、毎日人足は中に入っているのかと聞くと、いいえ、交替で採掘しておりますと言うので、つるはしでは大変じあな、
どうだ少量の火薬を竹に詰めて、穴を掘り爆発させれば効率が良いが、但し危険な為に落盤が起きないように、坑道を強化する必要があるがと言うと、火薬はお上のお許しがでませんと、
言うので、

わしが許可するこの辺は岩盤は堅いようじあなと言うと、ハイ、この坑道は硬い岩盤なので効率が悪いのですと言うので、それでは試してみよう、適当に深さ5寸で腕の太さくらいの穴を、
5個掘っておけと言うと、引き返し山形に話をするとその大きさなら穴は二個で良いですよと言うと、鉄砲の火薬を集めて竹を切りその中に入れて導火線を入れて粘土で塞ぎ二個作った、
ので、

山形をつれて現場に行き、穴の二箇所にセットして導火線を10間程伸ばして、みんなを後ろに下がらさせて山形が行きますと火をつけると、導火線が燃えて行き、どか~、どか~んと音、
がして土煙が上がったのです、土煙が治まると沢山の岩石が粉々になったのです、頭がこれは凄いあの分だと、半日の岩石分ですと言うので、後はあれを運びだせばよいわけじあが、周、
りが崩れぬように、

周りを補強してから運びだすのじあと言うと、ハイと言うので、くれぐれも安全第一じあぞ、岩盤の弱いところはいままでとおり手堀にするのじあ、それから、全員口と鼻には濡れ手ぬ、
ぐいで塞ぎ粉塵を吸い込まぬようにしろ、爆破は一日2回にしろ、それ以上はやるな、それでも生産性は上がるはずじあ、沢山やると山は直ぐ枯れるので働く場所がなくなる、後100年、
持たせるのじあ、

地下深くなれば水とガスに気をつけろ、ガスは鳥かごに鳥を入れておいて置けば直ぐにわかるぞ、その場合は縦にまっすぐ穴を地上に空けガス抜きをして、ガスがぬけるまではその坑道、
は一旦塞ぎ、違う坑道を探すのじあと言うと、承知しましたと言うので、それでは火薬の量と作り方を教えるぞと言うと、小頭に安全を確認して坑道を補強したら運び出せと指示して、
頭を外に連れ出して、

山形に火薬の量と作り方を教えさせたのです、後で火薬の樽を2樽残して置こう、取り扱いに注意しろと言って、近くに町を作ると言うと、そこまでやってもらえればみんな喜んで働きま、
すと言うので、長くここで生活できるようにするのじあと言うと喜んだのです、運びだすのも何か工夫できないかなと言って、そうだそりじあと言うと、木の板と大工道具を用意させて、
まずは箱を作り、

下にそりのようの丸太を削り5寸釘で打ちつけて、紐を前につけて馬の鞍につけて、これを坑道にいれて岩を乗せてくれ、終われば紐を引っ張ってぴ~んとはるのじあと言うと、人足が、
担いで持って行き、暫くすると紐が伸びたので馬にゆっくり引かせると坑道の入り口に出て来たので、みんなが手を叩いて喜んだのです、この箱を沢山つくり引いている間に箱に入れて、
おき、

紐を坑道に引いていき次の箱に引っ掛けて、引っ張りあげれば、楽に運べるじあろう、脇の坑道にした場合は、本道まではもっこで運び、後はこの方法で引き上げれば良い、作業が早く、
終わる、終わればその日は終わりにするのじあ、賃金はいままでと同じにするのだと言うと、頭と奉行が目を丸くして、わかりました、おうせに従いますと言うので、後は色々工夫して、
くれと言ったのです、

奉行所に戻り山形に5000両を降ろしてここに運んでくれと言うと、承知と言うと船に戻ったのです、奉行が目から鱗が落ちましたと言うので、100年もやって来たのだ、みんなはこれが、
普通だと思つたのだよ、あんまり効率よくすると働く場所が無くなると思っているので、わかっていても言わんだろう、今までより少し多く産出できれば良いのじあ、あまり増やしては、
いかんと言うと、

承知しましたと言うので、後は町に行き、悪者退治じあなと言うと、才蔵が傍に来て、さすがに金山の場所です、いますよと言うので、だれじあと聞くと、女郎屋と博打場をやっている、
時助と言う奴で、元は侍だったそうでかなり腕が立つそうです、博打場はイカサマで人足から巻き上げています、女郎は借金づけにして働かせているそうです、町奉行とつるんでいます、
と言うので、

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