第91話

文字数 2,838文字

つき
源三郎江戸日記(弟三部)91
 
秋田城に帰り隠居願いを受取り、そなたは1000石で取り立てるが無役とするこの城下に屋敷をやるのでそこに住むのじあと言うと、腹は切らなくて良いのですかと言うので、今回だけは、
目をつぶるが次はないぞと言うとハハハッと平伏したのです、それでは用人屋敷に案内してやれ、そこで沙汰を待てというと、御座所を下がったのです、ぼどなくすると戸沢が嫡子を連、
れて出頭したのでこれも隠居願いをかかせて、

領地は没収するが1000石にて取り立てる、無役としてこの城下に住むのじあ、わしの跡目は義時の息子を養子として、次男に義時の家系は継がせるが、不服あるかと聞くと、御座いま、
せぬというので、そなたの家人は総て同じ石高で直参に組み入れると言うと、ハハハッと言うので、用人に屋敷に案内せよと言うと、用人が案内して出て行ったのです、それでは義時、
の息子義直を召しだせと言うと、

義直が来たので、そなたをわしの養子とする直ちに二の丸に入り、そなたの家は弟義孝に相続を許す、これよりは治世を学び財政改革の手助けをせよというと、承知つかまっりました、
粉骨努力いたしますと言うと部屋を出て行ったのです、これで一件落着ですなと言うと、総てそなたのお陰じあ、礼を言うぞと言うので、後は財政改革にまい進なされ、それでは失礼、
いたすと言うと、

城を下がり、みなで居酒屋に行き祝杯を上げたのです、山形が秋田は美人が多いですねと言うと、お玉が本当だわ旅籠の女将も美人でしたねと言うので、何でも、佐竹義宣公が家康様、
に日和見を決め込んだとして、この地に移封されたのに一矢報いようと、常陸の国の美人を集めてここに移住させたらしいのじあ、常陸の国から美人が消えて秋田は美人が増えたそう、
なんじあよと言うと、

お玉が本当ですかと言うので、聞いた話しじあから、真実はわからぬがと言うと、ここの女中達ももみな美人ですねと言うので、女中にお前の先祖は土地の者かと聞くと、いいえ常陸、
から佐竹様が移封になった時に一緒について来たそうですというので、やはり、本当なんだと言うと、女中が何がですかと聞ので、訳を話すと、そんな事は嘘ですよ、先祖は足軽だっ、
たそうでここに来て地元の人を嫁に貰ったそうです、

私の祖母は秋田の生まれですよと笑ったのです、そうすると元から美人が多いのかと酒を飲み干すと、女中がこんな顔が美人なんですか、こんな顔は秋田には沢山いますよ、雪が多い、
ので、みんな色が白いのでそう見えるのですよ、でも嬉しい、いぶりがっこを、おまけしますと出したので、食べてなる程これは美味いと言うと、大根を外に干すと凍るので囲炉裏で、
干すとこうなるのですよと笑ったのです、

翌日は船に戻り越後に向かったのです、山形達にそなた達のご先祖の土地だぞというと、春日山の近くに墓があるそうですと言うので、直江津の傍じあみんなで行ってみようと直江津、
に上陸して春日山に向かったのです、春日山城跡に行くと堅固な山城で石垣のみ残っています、近くの林泉寺に行くとここが謙信公の菩提寺だったが、今は米沢の林泉寺に移されてい、
ると言ったのです、

その寺の一角に藩士達の墓があり、山形達と供に線香を手向けたのです、付近は城が廃城となった為長岡に移住したので寂れおりここは長岡藩牧野家7万石の領地です、船に乗り長岡ま、
で引き返して上陸して城下に入ったのです、旅籠に宿をとり町に巡察に出掛けて歩いていると、なにやら茶屋の店先で親父が娘の腕をつかみ引っ張っています、どうしたのだと聞くと、
この娘が銭も払わず団子と餡蜜を食べたので番屋につきだすのですと言うと、

銭は家来に持たせると言うておると言うので、なにを町娘がうそをついて、食い逃げするつもりじあろうと言うと、無礼な言いようそのままには捨ておかぬと、手をふり払ったのです、
わかった、わしが払おうと2朱銀を渡して、釣はいらぬと言うと、ヘイ、銭さえ払ってもらえば文句ありませんと言うので、娘にこれで良いじあろうというと、済まぬ後で渡すぞと言、
って、

何処に住んでおるのじあと聞くので、旅の者ゆえ馳走いたすので返すには及ぱぬ、町娘のなりをしているが、そなたは武家の娘であろうというと、わらわは鶴姫じあ直ぐ近くにすんで、
おると言うので、それでは、牧野公の息女鶴姫様かと聞くと、そうじあ、城を抜けて来たのじあが勝手がわからぬと言うので、供も連れづにござるかと言うと、この城には抜け道があ、
るのじあよと笑ったのです、

それならそこから城に戻りなされと言うと、外からは入れないのじあ、折角じあからいま暫く町を見聞するぞ、そなたは案内してくれそちらに控えているのは家来かと聞くので、それが、
しの妻に御座ると言うと、そうか中々凛々しい若侍の格好じあなと言うので、玉と申します、1人で城下を歩くなど危のう御座りますよと言うと、少しは腕に覚えがあると言うので、
その身なりでは懐剣も持っていないでしょうと言うと、

そうか、今度からはお玉と、同じ格好にしょうと笑ったのです、それではそこに入りましょうと言って、居酒屋につれていって、小上がりに上がると、ここは酒を飲む場所かと聞くので、
そうで御座る、飯も御座るぞと言って、酒と肴を頼んだのです、酒は飲んだ事は御座いますのかと聞くと、もう大人じあよと言うので、お玉が酌をすると、杯ではなく湯のみで飲むのか、
と言うので、

いちいち注ぐのは面倒で御座れば、町人はこれでのみますと言うと、グイっと飲んで中々の酒じあなと言って、この魚はと聞くのでイワシと言う魚に御座りますが、小骨が多いので気を、
つけて食するのですと、背骨を抜いてやると、一口食べて美味い魚ではないかと言うので、武家は食しませぬと言うと、そうじあな、初めて食うたぞと言ったのです、なぜ城を抜け出さ、
れたので御座るかと聞くと、

もう直ぐ嫁にいかねばならぬ、わらわは厭なのじあが、大名の女子ならばそれは許されぬと言うので、お相手はと聞くと、四国吉田の伊達左京之助殿じあが、おうた事はない、どうせ、
公卿みたいな男であろうと言うので、相手が3万石で、牧野家は7万石じあので不服なので御座るかと聞くと、石高などはどうでもよい、用人に聞いた話によれば、花鳥風月に長けている、
とか、

そのような男はわらわは好かぬと言うので、決まった話なので御座るかと聞くと、先方より江戸家老に申し出でがあったそうじあ、その知らせが昨日届いたのじあがと言うので、国元に、
住んでおられると言う事はと言うと、わらわの母上は側室なのじあが、すでにこの世にはいない、正室のお万の方が早く嫁に出したいのであろうと言うので、嫡子はおるので御座るかと、
聞くと、おらぬので一門から養子を迎えると言うているそうじあ、わらわは邪魔なのじあよと言ったのです、

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