第15話

文字数 2,699文字


源三郎江戸日記(弟三部)15

わしも糞がついたので近くの川に行き裸になり一生懸命洗い、乾くまでそこにいのじあよ、聞くと横からヘビが出て来たので右に飛んだら、肥溜めだったそうじあ、耕してない畑で放置、
してあったので草が茂りわからなかったと言うわけじあ、わしは命の恩人じあぞと言うと、ハイ、そうでした、あの時もヘビのお陰でしたよと酒を飲み干すと、みなが、大笑いしたの、
です、

若狭屋が田舎で生活すれば誰でも一回はそういう目にあうのですよと言うので、お律が若狭屋もあるのですかと聞くと、昔深川がまだ開発していないときには、あの辺には沢山畑があり、
肥溜めは沢山あったのですよ、私も木の蓋が腐っていて片足を突っ込んだ事があります、隅田川で水浴びして洗いながし、家に帰ったら、匂いがしたみたいで女中に笑われましたよと言、
うので、

その時ヘビはいましたかと、源三郎が聞くと、いや、いませんでしたなと言うので、やはり、わしはヘビに睨まれているのじあろうと言うと、お律がヘビは女子の化身と言うでしょう、
子供の頃私を泣かせるのでヘビが仕返ししてくれたのですよと言うので、そんなにいじめたかと聞くと、夕餉の時わたしの卵焼きを横から食べたり、お手玉を隠したり、かるた取りで、
はずるしたりしましたよと言うので、

覚えているのか、わしは全然覚えておらんがと言うと、治憲が一年で源之丞が江戸詰めになたので、わしの近習は1年しかやっておらんが、よく、遊んだなと治憲が言うので、抜け出す、
先導役はいつもわしだったのだよ、普通の藩士の服を持ち若殿の部屋の後ろで急ぎ着替えて、城を抜け出したのだよ、見つかって父上に蔵に閉じ込められた事もあったな、でもお爺様、
がこそっと、

握り飯を差し入れしてくれたんだよと言うと、そうか、わしも蔵に閉じ込められた事があったぞ、あれは怖かったなと治憲が言うので、お玉が私も兄上には江戸に来られて結構いじめ、
られましたよと言うと、そうか、わしも覚えておらんがと言うので、ほら、覚えていないでしょうとお玉が言うと、悪気はなかたのじあ許せと言うと、しかし、腹違いじあが兄上が、
亡くなったので、

江戸に来たのじあがお玉の兄は優しかったかと聞くと、私はまだ生まれていなかったのです、はやり病だったそうで父上は、がっかりしておいででした、父上もかかったそうですが一命、
をとりとめられて、国元にいるお二人を江戸にお呼びになったのだそうです、もしあの時父上が亡くなっていれば、末後の養子となり家禄は半減されるところだったそうですと言ったの、
です、

元気になってどちらかを嫡子にと、言う事になったそうですが、家中がもめて決められなかったと、父上がおっしやっていましたと言うので、この上杉家も先々代の時に急におなくなり、
になり、嫡子の届けがなかったので、危うく改易になる所、隣国の会津公が家光公に取成しを頼み、家禄を30万石から15万石に、減封されて存続を許されたそうじあ、会津公は家光公の、
腹違いの弟なので、

許されたのであろう、それから末後の養子でも幕府は家禄半減で認める事にしたそうなんじあ、それまでは総て改易になっていると言うので、今回会津藩は跡継ぎでもめているそうです、
がと聞くと、わしも聞いておる、会津公は病気だそうで参勤交代も当分勘弁して貰っているそうじあ、早く決めないと会津38万石は19万石に減封される事になる、源三郎の手でなんとか、
上手く行くようにやってくれと言うので、

相手は徳川の親戚筋ですので簡単にはいかぬでしょうが、何とか会津公に決めていただくようにします、決めた結果家中に騒動がおきれば改易になる恐れがありますと言うと、総て内々、
に済ませねばならぬなと治憲が言って、二人の兄弟は仲は悪くないそうじあが、家臣が割れているそうなんじよと言ったのです、奥方が人事ではありませんな、わたしが懐妊しないと、
えらい事になります、

もう少し側室を増やしてくだされと言うと、治憲がわかっておるそのうちに増やす事にするか、わしは養子じあから、一門から養子を向かえればよいと言ったのです、そうじあ、お律、
殿、殿の側室になってくだされと言うので、奥方様それはなりませぬ、それがしは高鍋藩より付けす家老として米沢藩の重役を差し置いて筆頭家老になったのでござるこの上妹を側室、
にすれば、

藩政を牛耳るとして家中に騒動が起きます、決してやってはいけない事なのですと言うと、治憲がもし今一問から養子を迎えれば、そなたに子供が出来たときその子を跡継ぎにと家中、
が割れるのじあよ、父上が頭を悩まされたのはそこなのじあ、まあ、まだ側室になって日が浅い、暫く待つのじあよと治憲が言ったのです、この話はこれでお仕舞いにしょうと治憲が、
言ったのです、

色々歓談してお開きとして、殿、奥方、お玉は城に帰ったのです、飛猿、才蔵と呼ぶと二人が入って来たので、今日はゆっくり休んで明日会津に行き、様子を探ってくれ米沢との国境、
に監視している者がいればわしを見張っているのじあ、白川口にいれば隠密を警戒している事になる、会津公が病気になったのは一年前と聞く、症状は奥医師が知っているはずじあが、
探るのは難しいじあろう、

医師は一人ではないはずだ、外されている医師がいれば、その者が知っている可能性があり、家人に漏らしているやも知れん、いずれにしろ城の中の事じあ、無理はするなよと言って、
病気なのに何故決めないのか、が不思議じあ、決めたくない理由があるのか、重病で決められないのか、誰かが邪魔しているのかじあが、国家老が藩政を握っているのかも知れんと言、
うと、

探れるだけ探ります、ご家老が危険に会う可能性あればどちらかが繋ぎに来ますと言って、部屋を出て行たのです、それではわし達ももどろうと言って、料理屋を出て屋敷に戻ったの、
です、お春の方がお戻りなされませと言うので部屋に入ると、茶漬けの用意がしてあるのでかきこむと、奥方様はと聞くので殿と水入らずで話したいそうじあ、二日とも城に逗留する、
そうだというと、

そうですかと言うので、そなたを厭がっているのではない、気にせんでも良いぞと言ったのです、それでは休みましょうと、若狭屋とお律が出て行ったのです、お春が寝酒をもって来、
たので、飲み干し、さて一合戦するぞと言うと、寝間に連れて行き燃えあがったのです、行為が終わると、奥方様は気を使って下されたのですねと言うので、そうか、気づいていたか、
と言うと、
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