第37話

文字数 2,869文字


源三郎江戸日記(弟三部)37

馬も疲れたであろうと言うと、みんなが降りて引いて峠ほ登ったのです、茶屋があるのでお茶とだんごを貰い、握り飯を出して食べたのです、婆さんにここに住んでいるのかと聞くと、
ヘイもう50年もいますだと言うので水はと聞くと裏山から湧き水が出ますと言うので、そうかそれなら大丈夫じあな、家族はと聞くとこの峠の下の宿場におります、時々米、味噌を、
もってきてくれますと言うので、

1人では寂しいだろうと言うと、犬がおりますだ、今はどこかに遊びに行っていますだ、時々野ウサギを捕まえてきますだと言うので、ほう感心な犬じあなあと言うと、ハイ、夜は一緒、
に寝ていますだと言ったのです、それでは馳走になったと言って1両出すと、釣りがありませんだと言うので、つりは要らん、その感心な犬に山クジラの肉、など食わせてやれと言うと、
ありがとう御座います、

この峠は山賊なんどはでませんので大丈夫ですが、時々落ち武者の、幽霊が出るそうです、もっとも、夜しかでませんがと言うので、そうじあな、ここは木曽と尾張の戦いがあったそう、
じあなと聞くと、少し行くと討ち死になさった者を埋葬した塚があるだよ、そこの人が出るのかねと言つたのです、それでは達者で暮せというと、気をつけて行きなされと言ったのです、

峠を降りて木曽福島宿を通り上松宿に夕暮れ前に着いたのです、上松藩の者どもは徒歩じあから明日の昼しかつかんじあろうと言って旅籠に入り、表に風呂敷を貼り付けておいたのです、
女将がお疲れ様でしたと言うので、旅籠は意外とあるようじあが、なんだか、人は少ないようじあなと言うと、ハイ3年前から旅人はこの宿場の手前か先まで行きなさるのですよと言う、
ので、

なぜじあと聞くと、冥加金が高くて、宿賃もすこし高いのです、居酒屋、料理屋、女郎屋、銭湯、旅籠と軒並み値上げしないと、やっていけなくなりましたので、先まで行けない人は、
逗留しなさるが、少なくなって、何軒も店閉めたのですよ、林業がおもな土地ですが、御用達の木曽屋が良い檜を安く持っていくので、林業をやっていなさる人は困っていなさるだ、
と言うので、

入れ札ではないのかと聞くと、入れ札になるのはあまりよくない、檜ばかりだそうで、良い檜は藩が木曽屋に専売に降ろすそうなんです、郡奉行が横流ししていると言う噂もあります、
水田も木曽川沿いの村があるのですが、米も木曽屋が買い叩くそうなんです、藩では他の者に売るのは禁止しているそうで、木曽屋のいいなりになるしかないそうですと言ったのです、

ひどい治世じあな、殿は何をしているのじあと聞くと、15才で実権は筆頭家老様が、握っているそうですと言うので、ごろつきはおらんのかと聞くと、どこにでもいますよ、女郎屋を、
やっている、弥太郎と言うやっで、金貸しもやっていて、金を返せない百姓の娘を、女郎屋で、働かしていますと言うので、町方は何をしているのじあと聞くと、町奉行もグルですよ、

訴えでもしたら、袋叩きにあいますよ、弥太郎の子分が居酒屋では金も払わず飲み食いする始末です、与力の野田様があまりひどいので奉行に言ったら、蔵方に移動させられたそうです、
そのうち百姓一揆がおきますよと言ったのです、湯に入ってください、ここは温泉ですよ、風呂は檜の風呂ですというと、部屋を出て行ったのです、飛猿が入って来て、ご家老の引っ掛、
けは凄いですよ、

裏庭に埋めていましたよ、あわてて掘り起こして、護国寺の寺の松ノ木の下に埋めましたので、掘り起こしてきましたと小さな壷を出すので、お手柄じあなと笑うと、ここはひどい治世、
ですよ、監物はやり放題ですよ、冥加金は二割を徴収して、藩には一割しか納入していません、蔵米と檜は横流ししています、木曽屋の蔵には1万2千両あり、監物の屋敷には8000両が、
あります、

賂は、木曽屋と弥太郎が毎月100両都合200両を町奉行に渡しており、横流し分は折半して郡奉行に渡しています、そこから緒方に流れていると思いますと言つたのです、ひどいネズミ、
共じあな、郡奉行を切腹させ、組頭を領内追放にしたのは、蔵米と檜を横流しする為だったのじあな、これは許すわけには行かんなと言うと、ご家老との果し合いは腕の立つ者6人に、
家老、郡奉行、町奉行だそうですと言うので、

郡組頭はと聞くと、ソロバンは達者だそうですが、剣はからっきしだそうで、はずしたようですと言ったので、家老は1人だけかと聞くと、ええ、後はみんな隠居させて、自分が両方を、
兼任しているそうです、国元にいる時は江戸は留守居役にまかせて、江戸にいる時は国の留守居役に任せているそうで、いずれも緒方の親族だそうですと言ったのです、襲う動きは、
今の処ありませんと言うので、

塚田新一郎は新之助の父親の兄のはずだがと言うと、郡方から道中方に回されたそうです、郡方にいると邪魔だったのでしょう、謹慎中だそうですと言うので、明日行列が帰ってくる、
じあろう、敵討ちは明後日だなと言って、博打場から潰してやろうと言うと、ハイ、いつもの通りですねと言うので、いや、いきなり手入れして盆をひっくり返すぞ、みなの者ついて、
来いと言うと、

みんなで博打場に行き入り口の見張りを叩き潰して、中にはいり、みんな神妙にしろ諸国巡察視である博打はご法度じあと言うと、賭場荒らしだなと言うので、叩き潰せというとみんな、
が手と足を払うとそこに転がったのです、奥にいた浪人5人も一斉に襲い掛かり、このものは肩の骨を叩きおって、上松を出ていかんと首をおとすぞと言うと、立ち上がり一斉に逃げて、
て行ったのです、

ここを仕切るっているのはと聞くと、ヘイ、安蔵ですと言うので、盆をひっくり返し、この穴はなんだイカサマではないかと言って、金を全部持ってこいと言うと、銭箱をもって来た、
ので、いくらあるのじあと言うと、ヘイ、5百40両ですと言うので、元金は返してやれと言って代えさせて、今回は見逃してやる、さつさと出て行くのだと言うと、お客は元金を貰っ、
て帰っていったのです、

その金380両をもち女郎屋に案内しろと言って案内させて、諸国巡察視である神妙に縛につけというと、弥太郎が女郎屋の鑑札は貰うてますと言うので、やかましい、博打の胴元と分か、
っておる、それ全員叩き潰せと言うと、みんなが襲い掛かり転がしたのです、蔵をあけろと刀を突きつけて案内させて金蔵を開けさせたのです、飛猿、蔵方の野田と仲間を呼んできて、
くれと言うと、

承知と言ったのです、そこに、町奉行が取り方を連れて来て、城下を騒がす狼藉ものと言うので、狼藉物はお前でみんな叩き潰せと言うと、一斉に襲い掛かり片っ端から転がしたのです、
わしは諸国巡察視の村上源三郎じあ、この悪党めと言うと、何をなされると言うので、おまえがこの弥太郎と木曽屋から賂を貰っている証拠はここにあると見せると、驚いています、

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