第4話

文字数 2,900文字


源三郎江戸日記(弟三部)4

諸国巡察視の件は次席家老から聞いております、ご苦労に御座りますなと言うので、上様の申しつけじあ仕方ないのうと言うと、ここは、おまかせあれと言うので、そなたにまかして、
おけば大丈夫じあよと言うと、みんなここが気に入っております、米沢から家族を呼び寄せたいと言う者もいますと言うので、それは構わぬぞここに永住したければ好きにさせる良い、
と言うと、

それでは許可します、この分だと交代要員はいらぬかも知れませぬと笑ったのです、女中頭のおしのが茶を持って来たので、元気であったかと聞くと、ハイみんなに息災に暮しています、
今回も逗留は短いのですかと聞くので、明日には米沢に行かねばならぬ、後は頼むぞと言うと、ハイ、今回は正室を迎えられたそうで、おめでとう御座りますと言うので、殿の命令では、
いたしかたないのうと笑ったのです、

後であわせるゆえ宜しくなと言うと、それでは町を見て回ろう、供はいらぬぞと言うと陣屋を出たのです、町並みは陣屋を通り越して遠くまで伸びています、これは凄いな深川と同じ位、
ではないかと驚いていたのです、船子が近づいてきて、奥方様とお律様は博打場に案内せよと申されまして、仕方ないので飛猿殿が案内しましたがと言うので、まったくじあじあ馬めと、
言って、

ほうって置けばよいというと、お勝つ達はと聞くと、居酒屋にいますと言うので、居酒屋に顔を出すと、4人はうなぎを食っていたのです、ボタンが江戸のうなぎより大きくてこのタレ、
がなんともいえませぬなあと言うので、女将も本当に美味しいですと言うので、こ上がりに上がるとお絹がお戻りなされませと言うので、あいかわらず繁盛しているようじあなと言うと、
ハイ、ご家老は太ったイワシがありますと言うので、

それをくれと言って、ここのタレを少し女将に分けてやれと言うと、ハイ、今持ってきますと言って、奥に行き酒といわしに、タレの入った小さな壷を持って来たので、このタレのアジ、
を調べて、継ぎ足して同じアジにすれば上手い蒲焼が作れるぞと女将に言うと、ハイ、ありがとう御座います、夏になればここのうなぎを江戸にもって来るそうで、先程お絹さんに頼み、
ました、

江戸でもこのうなぎが食べられるようにしますと喜んだのです、才蔵がやって来て飛猿が仕方なく連れて行ったというてくれと言っていますと言うので、負けて怒ってもどってくるじあ、
ろうと言うと、それが、奥方様もお律様も勝っているのです、そろそろ打ち止めになるのではないですかねと言うので、何と二人とも博才があるのかと笑うと、良い夫婦ですねと女将達、
が笑ったのです、

お玉とお律と飛猿が戻ってきて嬉しそうな顔をして座るので、勝ったのかと聞くと、二人が1両小判を出して、ハイ、大勝ちでした、ここの払いは私と、お律殿が出しましょうと言うので、
飛猿がわたしはダメだと言うたのですよと言うので、良いのじあよ、お陰で儲かったな、女将じゃんじゃん頼むのじあ、軍資金は二人が出すそうじあよと言って、タダ酒は美味いと言うと、

お玉がいかに役にたっか、おわかりになりましたか、しかし博打とは面白いものですなと言うので、姫様が博打を打つとは殿が聞いたら目を回しますぞと言うと、今わ源三郎殿の妻にござ、
れば、旦那様に見習っただけに御座りますと言うので、みなが大笑いしたのです、そろそろ女将たちは戻らんと日が暮れてはと言うと、女将が実は皆泊まりかけで来たのですと言うので、
店はと聞くと、

一日くらい大丈夫ですと言うと、お勝つが置屋の女将が成田さんに行くと言ったら、御札を貰ってくれと頼んで暇をくれたのです、残りの者でやくりするから大丈夫です、明日は成田さん、
に行き江戸に戻りますと言うと、七衛門がわたしが着いていきますよと言ったのです、それでは今日は皆陣屋に泊まればよい、夕餉も一緒にとろうと言うと、お願いしますと言うので、
賑やかになり、

女中頭のおしのが喜ぶじあろうと言うと、お玉とお律がわたし達も、うなぎが食べたいと言って頼んだのです、女将達が私たちはおみやげを買いに町を歩いてみますと言うので、才蔵が、
案内しますと店を出て行ったのです、それではうなぎを食うたら馬で領内を回ろうというと、飛猿が馬を用意しますと店を出て行ったのです、二人はうなぎを食べて目を丸くしています、

本当に美味しいとお玉とお律が言って、旅の楽しみですね、兄上次は相馬ですが何が美味いのですかと聞くので、相馬と常陸はあんこうじあな、これは海の深いところにいるが、捨てる、
ところがない魚じあ、女子の肌にとても良いそうじあぞと言うと、楽しみですと喜んだのです、暫く休んでいると飛猿が戻ってきて、馬が用意出来ましたと言うので、外に出て馬に乗り、

まずは印旛沼に向かうぞと言うと陣屋町を抜けて印旛沼に向かったのです、途中の名主の家に立ち寄ると、ご家老様と言うので、気は使わんでも良いと言うと、今年の作付けの用意は、
整っています、百姓は去年ひどい目にあいましたから、今年の収穫をとても楽しみにしていますと言うので、後は台風の行方じあなと言うと、外海の圧が少ない場合は早めにくる、
可能性があります、

その場合には8分借りをやろうという事になっています、従来でしたら4000石は減るのですが、今年は新田開発が4000石終わっていますので、石高は減らない勘定になります、手間が、
かかった分は差し引かねばなりませぬが、ほとんど影響はないでしょうと言うので、そうか、新田開発が功をそうすわけじあなと言うと、ハイご家老の2分の年貢が利いておりますと、
笑ったのです、

これはわしの正室で、お玉の方じあと言うと、これはおめでとう御座います、お祝いに地酒を陣屋にお届けして置きますというと、お玉がよろしゅうに頼むぞと言ったのです、それに、
これは妹のお律じあと言うと、お律がみんな、生き生きしておりますなと言うと、ハイ、去年実入りがないのを、お助けくだされたので、刈り入れ時まで不自由なく暮せます、百姓は、
こんな良いご領主様に恩返ししょうと言うておりますと話したのです、

まあ、気長に行こうというと、名主の家を出て印旛沼の干拓地に向かったのです、お玉がみな元気に働いているようですな、これを見られれば兄上も喜ばれるでしょう、妹ながら嬉し、
ゅう御座りますと言ったのです、干拓現場に来ると熊蔵がお出でになりましたか、ご家老の指南のお陰ですでに2万石と水路脇の2万石の干拓が終わり、水田の整備をしています、春に、
は4万石の作付けが出来ます、

相模屋が柳沢様に報告なされたそうで、上様がとても喜んでおられるそうですと言うので、それは良かった、ところで、うなぎと、スッポンの養殖はと聞くと、ハイうなぎの稚魚が、
沢山取れて池に放しました、これは来年でないと出荷できませぬが、別な池を作り大きくなったうなぎを捕獲していれてあります、これは夏には江戸に出荷できますと言って、留吉、
と呼んで、

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