第47話

文字数 2,722文字


源三郎江戸日記(弟三部)47

暫くすると町衆も油を安く手にいれたらしく、光は元にもどったのです、さて湯に入り夕餉を食べたら町に繰り出すかと言って、湯を浴びて夕餉を取り町に繰り出したのです、油の小売屋、
に行くと、主人が完売しました、一日分と限定して売りましたので、殆ど手にいれたらしく、町の明かりも元に戻りました、このお金はお返ししますと言うので、良いのじあよと言うと、
いいえ、

小松屋も男で御座います、これ位損をしても又儲けければよいのです、良い事を教えてくださりました、悪どく商いするものは懲らしめねばなりません、これから寄り合いを開き、明日、
つく油はみなに分ける事にします、高く仕入れたものも通常の値段でうるように説得しますと言うので、そうか、それは良い事じあな、その金はそなたの男気への褒美じあ、寄り合いが、
終わったら、

芸者でも呼んで大騒ぎして近江屋に見せ付けてやれ、尚今後は近江屋からは一切買わないとみんなで決めるのじあ、そなたが問屋になれ、わしが入れ元を紹介してやる、従来と同じ値段、
じあ、ここには刀鍛冶はおらぬかと聞くと、腕の良いのがいますがと言うのでよし案内しろ、その前にこのうちには金魚鉢はないかと聞くと、ありますがと言うので、金魚はたらいに、
移してそれを持って来てくれと言うと、

もって来たので、これは南蛮品かと聞くとハイと言うので、それを持って案内してくれと言うと、案内すると、鉄蔵といいやす何か御用でと言うので、紙に絵を書きこの金魚鉢を溶かし、
この円筒の筒を作ってくれ、これで3つは作れるじあろうというと、それは簡単ですが何に使われるのでと言うので、まあ、作ってくれと言うと、ハイと言うと鉄の鍋に入れて熱を加え、
て溶かしたので、

鉄の棒の先につけて空気をいれれば膨らむので、そこの竹の中に吹き込んでこの細長い形にするのじあと言うと、器用に膨らまして型を整えると、すぐに固まったので熱を冷まして引き、
抜き、両端を傷をつけてはじけば直ぐに穴が開いて吹き抜けになる、切った場所は危ないので砥石で削り丸くするのじあと言うと、なる程ギヤマンはこうやってやるのですねと言って、
作業を始めたのです、

出来たので鉄で受け皿を作りそのそこにナタネ油と芯を入れて火をつけて蓋を被せたのです、二人はその明るさにビックリしています、こうすれば行灯の光より明るくて、火は風で消え、
ないじあろう、但しススがつくので毎日掃除しなければならんがと言って、小松屋これを作りお前が商いすれば、行灯に比べて高いかも知れんが、金持ちには売れるぞ、さすれば油の、
値段を上げなくて済むじあろう、

鉄蔵が作ってそなたが商いすれば良い、京都、大阪、江戸でもいくらでも売りさきはあると言うと、ハイ、これはすご~いですねと言ったのです、さつそく、寄り合いに持って行き宣伝、
して来い、ガラスは大阪の船場にある玄海屋に言えば長崎、博多からいくらでも仕入れられるぞ、ガラスと言う名前は和蘭語だそうだと言ったのです、2人がありがとう御座りますと言、
うので、

儲けたら皆に還元してやれよと笑って、鍛冶屋を出て居酒屋に行ったのです、酒と肴を注文して杯を重ねると、あれもオランダの書物に乗っていたのですかと聞くので、そうだよ南蛮は、
蝋燭が中に入れてあるそうじあよと言ったのです、その本が解禁になれば、この世も便利になりますねと言うので、吉宗公の時代になれば解禁されると思うがなと言ったのです、明日は、
近江屋は目が点になりますよ、

しかし彦根藩もとんでもないですねと言うので、自由競争は大事な事じあが、それが民を苦しめる事になれば変えなくてはいけないのだが、武家は蝋燭を使うのでわからんのじあろうと、
言うと、あれがあれば蝋燭は入らなくなりますねと言うので、それでは蝋燭を商っている者が困るじあろうと笑うと、そうですね、あまり便利にしてもいけないのですかと酒を飲み干し、
たのです、

翌日昼前に才蔵が美濃屋の若主人を連れてれて来たので小松屋に荷を降ろすように言って、小松屋を紹介して値段はと聞くと運賃は頂ません、家の番頭、手代で運びます、馬や荷馬車は、
店で使っているものなので、人足賃はいらないのですと言って、小松屋に降ろす値段を決めると、小松屋がこの量なら10日に一回で結構ですと言うので、美濃屋がわかりました、少なく、
注文して貰ったも良いですよ、

手前共は他の物も商っていますので、仮に注文がなくても家業には響きませんと言ったのです、手代が小売屋に荷が入ったと知らせると、続々と小売屋が取りに来たのです、小松屋が、
昨日の寄り合いで総て取り決めました、この城下は広いので、もし、近江屋が反省して元の値段にし、今後二度とこんな事はやらないと約定書を書くなら再び仕入れると決まりまし、
がと言うので、

それでよかろうといあうと、但し、美濃屋さんからも約定通り仕入れます、余る事はありませんと、言ったので、ところで菜種油はテンプラを揚げるのにも使われるが、鶏肉を揚げても、
美味いのじあぞ、三平、鶏肉、じやがいも、テンプラを揚げる材料を求めてこいと言うとヘイと言うと買いに行き帰って来たので、台所を借りるぞと言うと三平に鶏肉の骨を取りこぶし、
の半分にしろと言うと、

源三郎はジャガイモの皮を向き、それをすり潰して鶏肉を細かく刻んで混ぜ込んだのです、三平ができやしたと言うので、お前はテンプラを揚げるのに丁良い温度を知っているかと聞くと、
ヘイと言うとなべに菜種油を入れて、七輪なかけていましたが、暫く立つとこれでよいと思います、これ以上は温度は上がりませんと言うので、三平がテンプラ粉をまぶして鍋に入れて、
焦げ目がつくと、

あげていきザルで油きりをして、あがりましたよと言うので、まずはジャガイモの物を食べると、サクッとして中身の鶏肉の刻んだのも火がとおり美味いのです、次に鶏肉の揚げたのを、
食べて、うん、これも中々じあと、お玉にも食わせると、美味しいと言ったのです、三平も食べてこれはうめえや、というので、小松屋と美濃屋にも食べさせると美味しいですねと言っ、
て驚くので、

これを居酒屋、飯屋、料理屋に教えれば油がもっと売れるじあろうというと、そうですね、油屋は油ばかり売る事を考えるのではなく、それを何に使うかを教えれば、もっと、もっと油、
が売れるわけですねと言うので、そういう事じあよ、他に川魚、海魚なんかも焼くだけではなく揚げても美味いのじあよ、沢がに、川海老なんかも酒の肴に最高じあぞと教えたのです、

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