第6話

文字数 2,752文字


源三郎江戸日記(弟三部)6

玄海屋の番頭がご家老に銚子の番頭から文が今届きましたと渡すので、なんだ何かあったのかと受け取り読み疾風の奴と言うと、お玉が何かあったのですかと聞くので、わしが出掛けて、
から疾風が暴れるので茂助が外に出したところ、どこかに行こうとするので、疾風にのると勝手に歩いて佃まで行ったそうなんじあ、佃の桟橋からず~と海の方をみているので、わしが、
暫く帰って来ないのを感じ取ったのだろうと、

疾風を深川の若狭屋まで連れて行き話しをすると、若狭屋が横浜の港は船が横付けできるので船に載せて相馬まで連れて行き、相馬も横付けできるので、やぐらを組み甲板から道を作っ、
て降ろせばよいと言って陸路を連れていったそうなんじあ、船にはすんなりと乗ったそうなので、相馬に向けて若狭屋が付き添って行って、夕方銚子につきこの文を託したそうじあ、朝、
には着き相馬で待っているそうじあと言うと、

利口な馬ですねと、お玉が言うので、馬はとても敏感な動物なんじあよ、小さい頃、高鍋の知行地の百姓家で、馬が生まれたのを見た事がある、立つたまま生み、袋に入った子供が下に、
に落ちると、あの歯で袋を破り子馬の体中を嘗め回し綺麗にすると、子馬がヒヒ~ンと泣いて息をし始めると、母馬は馬小屋の隅にいき子供を見守るのじあ、子馬はまず前足で立とうと、
して踏ん張り、

何回も転ぶのじあよ、前足が踏ん張れるようになると、今度は後ろ足で踏ん張り、やがて立てるようになり、歩こうとするがやはり何回も転んで、やがてよちよち歩きで母親の傍に行き
乳房をくわえてゴクゴクとお乳を飲むと、母馬が嬉しそうに子馬の体を舐めてやるのじあよ、早く立たないと他の動物に襲われるので、手助けはしないわけじあ、それから1年はいつも、
慈しみ可愛いがるのじあよ、

世話をしている者でも子馬に近づくと、足で蹴飛ばし触らないように威嚇して子供を守ろうとするのが、1年経つと母馬は子馬に急につれなくなり、乳離れさせようとするので、違う小屋、
に移すわけじあ、母親と言うのはどんな、動物も子供は一番大事でそまの間は男の事など忘れるわけはじあなと言うと、駒菊があんな痛い思いをして産むのです、それは可愛くなるので、
すよと笑うと、

源三郎がそうか駒菊は経験があるのじあな、良い子に育っておるようじあと言うと、ハイ、乳を飲ませなくなっても、暫くは乳が張るのですよと言って、最近では段々言う事が憎たらし、
くなって来ましたがと笑うので、お玉が産む時はそんなに痛いのかと聞くと、それはもうあの痛さは言葉では表せませんよと言うと、わらわは我慢出来るじああろうかと言うので、女将、
がお方様ご心配なさらなくても、

女子は我慢出来るようになっていますよと言うと、そうかと心配そうにつぶやいたのです、お玉が旦那様は色んな事を経験しているのですね、私も子馬が生まれるところを見てみたいと、
言うので、疾風に良いメス馬を見つけて子供を作らせれば見られるぞと言うと、ハイ、良い嫁女を捜してやりましょうと言ったのです、それではそろそろと山本が言うので、そうじあな、
と言って、

山本閉めてくれと言うと、山本が立ち上がり、それでは一次会は終わりにするぞ、後は銘々勝手に楽しんでくれ、江戸締めで行くぞと言うと、いよ~と言って三三七拍子で閉めたのです、
おしのが奥方様女子達は別室にて盛り上がりましょうと言うので、そうじあな、みなで男共の悪口でも言うて盛り上がろうぞと笑い、旦那様達は町に行きなされと言うと、立ちあがり、
部屋を出て行ったのです、

それでは町にでも行くかと立ち上がり、七衛門と達と居酒屋に行き再び杯かさねたのです、さていよいよ巡察じあが、相馬はどうなんだと聞くと、土屋様のご領地で代官がいるのですが、
善政をしいているそうで、特に悪人はいないと番頭が言うていました、代官所に多少の賂は渡しているそうですと言うので、そうか、土屋様は老中じあから、知行地には戻られぬであろ、
うと言うと、

この前お戻りになり、銚子にもお見えになったそうで、繁栄ぶりをみてとても喜んでおられたそうですと言うので、そうか、それは良い事じあな、それなら悪い事も中々出来ないであろ、
うと言うと、番頭がお目通りを許されたそうで、冥加金をたくさん納めるくれたそうじあなと、褒めて下さり、感状と土屋様の羽織を頂いたそうで、とても喜んでいましたと言うので、

そうか、それは励みになるであろうと言うと、ハイ、わたしの事のように嬉しいですと言ったのです、おまえの配下も中々のもんじあのうと酌をすると、ご家老の配下ですよと言ったの、
です、銚子から水戸の国境に時々海賊が出るそうです、海賊と言うても物を強奪するのではなく、交換を要求するのだそうです、アジの干物やいわしの丸干し、畑で作った野菜、麦、
蕎麦の実、茶の葉等と、

米5表と味噌樽、醤油樽との交換を強要するのだそうです、船の周りを10隻の小船で取り囲み要求するそうで、いずれも刀、槍で武装しているそうです、襲われてはいけないので交換、
しているそうです、その場所は丁度風向きが変わる場所だそうで、玄海屋の船は風向きが変わっても前に進めますが、他の船はそこで風待ちを2時すれば、かぜが周り又後ろから吹き、
ますので前に行けるのです、

そういう事で玄海屋の船は会った事はないそうで、出始めるのは春から秋の間との事ですと話すので、水戸は芦名家の領地だったが関が原の後に日和見を決め込んだとして、減封され、
秋田に移封されたので、大勢の藩士が帰農したと聞く、あれから100年だ人も増えて開墾した水田だけでは生きていけなくなったのじあろう、だから秋に米を刈り取りなくなる春までは、
やらないが、

春から刈り入れする時期までにやるのじあな、藩に新田開発の資金を上申しても、どこも財政が逼迫しているので聞いてはもらえぬのじあろう、このまま捨て置けば、船を襲う事にも、
なりかねない、現地を検分して何とかするしかあるまいと言うと、そう言われると思うて船には金寸1万両が積み込んでありますと言うので、さすがじあのうと言うと、自由に使こうて、
くだされと言うので、

そうか使わせてもらおうと言ったのです、熊蔵が傍に着たので座らせると、先程は見ていただきましたか、と言うので、4万石も終わるとは、さすがの者だなと言うとと、ハイご家老の、
指南のお陰ですよと言うので、お前の腕だよと笑って杯を傾けたのです、店も繁盛しているようだが大分儲かったかと聞くと、ハイ、ここも、料理屋も儲けが出ていやす、お陰でここに、
落ち着く事が出来ますと言うので、

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