第34話

文字数 2,906文字


源三郎江戸日記(弟三部)34

一通り巡察しましたが特に悪い奴はいないようです、居酒屋に入り美味い肴を聞くと、鱒焼がありますと言うので注文して杯を重ねたのです、お玉が鱒焼を食べて鮭の味と同じですねと、
言うので、鱒は鮭とおなじ仲間なんだよと言うと、鱒も海に帰るのですかと聞くとので、いいや、その昔帰えりそびれた者が湖に残り、進化したと言われているというと、旦那様みたい、
にうつかりしたんですかねと笑ったのです、

才蔵に後は上松じあそなたは沓掛に戻りおとよ殿と新之助を連れて来てくれ、われわれは一足先に行き様子を探っておく、旅籠の店先にわしの桐の紋章の風呂敷を結びつけておくので、
そこに入るのじあ、そなた達が早い場合は繋ぎを取ってくれと言うと、ハイと言うと居酒屋を出て行ったのです、これから出ると次の宿場までしかいけないのではと言うので、今日は、
月夜じあ才蔵は忍びじあよ、

明日の昼には行き着ける、上松は歩けば1日半じあが、途中の宿場で何もなければ朝でれば夕方には着くじあろうと言ったのです、旅籠に戻ると山形達が帰えてきて、治世も良いらしく、
女郎屋、博打場もあります、ヤシの元締め仙蔵がやっているようですが、中々評判が良い者のようですと言うので、そうか、諏訪大社であったが場所割りも公平にしているみたいじあ、
なと言ったのです、

女将が入って来て温泉はどうでしたと、聞くとお玉が肌がつるつるになりましたよと言うと、今夕餉を出します、その後又お入り下さいと言うので、旅籠も満員のようじあなと言うと、
上松藩の参勤交代で本陣には殿様が逗留なさっていて、家来の方が分宿なさっています、先程おつきになりました、お国に帰られるとの事です、お武家様が多いともめ事があると大変、
ですと言うので、

過去に何かあったのかと聞くと、ええ、去年江戸に登りなさる時に、子供が前を横切ったとかで、お手打ちになる所を供にいらした塚田様が止められて、子供は無事だったのですが、
塚田様は殿の不興を買い国元にもどされて、謹慎させられたそうですというので、その者は塚田新一郎と言わなかつたかと聞くと、名前は分かりませぬが道中方のお役目と聞きまし、
たが、

だれが大名行列を追い越したり、横切ったり、道を譲らないとお手打ちにしても良いと、決められたのですかねと言うので、まつたく、理不尽な事じあなと言うと、何でも明石松平藩、
が江戸に登る時に尾張領内で同じに子供が横切り、お手打ちになったそうです、尾張の殿様が同じ徳川の親藩とて許さぬと言われ、それから明石松平藩は尾張領内通行差し止めになっ、
たのだそうです、

しかたないので行列は旅の町人に変装して荷物だけは尾張領内を通過させて、一行は船にて尾張領内の外を行き、駿河に上陸して東海道を江戸にいかれるそうです、ここでお手打ちに、
なされば此処は高島藩領ですから諏訪様もそうなされた事でしょう、お家を救ったのに謹慎とは何と言う馬鹿殿なんですかねと言うので、まだ子供だろうと言うと、15才だそうですが、
十分物の分別は着くと思いますがと言ったのです、

評判悪そうじあなと言うと、藩士の方もえばりくさっていなさります、ここにも20人程お泊りです、お気をつけてくださりませと言ったのです、お玉が旦那様、めじりが下がりました、
よ、又なにかたくらんでいますねと言うので、そんな連中ではすこし懲らしめねばならんじあろうというと、女将がおよしなさいませ、藩士だけでも60人からお供していますよと言う、
ので、

ここには迷惑かけんので安心してくれと言うと、芸者5人位呼んでくれと言うと、ハイ、諏訪芸者も良いのがおりますよと笑ったのです、三味線の音が聞こえれば、奴らは参勤交代の、
途中なので呼べないので、うるさいと難癖をつけるじあろう、そこを懲らしめるんじあよと言うと、お玉が面白そうですねと言うので、みなが大笑いしたのです、夕餉が来たので杯、
を傾けたのです、

山菜の天ぷら、雉汁、もり蕎麦、野沢菜です、この野沢菜が美味いのじあと言って食べると、女将がてんぷらも蕎麦も美味しいですよというので、すまん、すまん、野沢菜はその家で、
漬けているのでみんな味が違うじあろう、中々よく漬かっておる、これで飯は3倍食えるぞと言うと、お玉が旦那様は安上がりなのですよと言うと、本に良い旦那様ですねと笑ったの、
です、

お玉がてんぷらも蕎麦も腰があって美味しいですよと言うと、有難う御座います、そうだ、酒の肴にワカサギの佃煮をだします、中々酒に会いますよと言ったのです、夕餉が終わると、
さて一風呂浴びてくるか、奴らがいると面白いのじあがと言うと、山形がお供しますと言うので、行くぞと言うと、温泉に行ったのです、町人2たりと武士2人が入っているので、お湯、
を被り湯船に入り、

山形に良い気持じあなと言うと、町人が私たちは上方に仕入れに行くんですが、お武家様はどちらからと聞くので、江戸から上方に旅をしているのじあと言うと、さいですか、次の宿場、
はと聞くので上松くらいかのうと言うと、およしなさい、福島宿か酢原宿にしなさいと言うので、上松は馬鹿殿がいるので宿場も悪人だらけなのかと言うと、ここにはその上松の藩士が、
泊まっています、

めったな事言うと危ないですよと言うと、2たりの武士が立ち上がり、俺達はその上松の藩士だ、馬鹿殿とは何と言う暴言をはくのだ、そのままには捨ておかんぞと言うので、子供を、
手打ちにしょうなんぞは、馬鹿のする事じあろうと答えると、うぬと走って殴りかかろうとしたので、一物を握り捻るとぐわ~と言て湯船にひっくり返ったのです、もう1人がおのれと、
刀を取りに湯船を上がろうとすると、

山形が足で蹴飛ばすとこいつも湯船にひっくり返ったのです、二人は起き上がり湯船を出て刀を取り出したので、そばにあった風呂桶を投げつけると手にあたり、ぎや~と言って2人が、
刀を落としたので、顔面に風呂桶を投げるとゴチ~ンと言って当たり、ひっくり返ったので、湯船を出て顔面を殴りつけると気絶したのです、後ろからカツを入れると息を吹き返した、
ので、

いつでも相手になってやるぞと言うと、くそ~と言うと、刀をもち浴衣を引っ掛けて出て行ったのです、町人がすげ~、お武家さん達は何者ですかと聞くとので、悪者退治の天狗さと、
笑うと、おまえ達はかかりあいにならん方が良いぞと言うと、ハイと言うと湯船を上がり出て行ったのです、さて、どうでますかねと山形が聞くので、湯船では襲ってこないよ、部屋、
に難癖をつけにくるじあろう、

しかし、面白かったですねと笑うので、そなたの足けりもピッタリはまったなと笑うと、しかし、桶のつぶてとは恐れいれましたと言ったのです、目には隈、頭はこぶが出来ているじ、
あろうと言ったのです、ご家老はやくざより喧嘩なれしていますよと言うので、小さいころからの修練だよと笑ったのです、湯を上がり、山形が含み笑いをするので、お玉がもう何か、
やりましたねと言うので、

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