第77話

文字数 2,749文字


源三郎江戸日記(弟三部)77

飛猿がやって来て、平吉は薩摩屋敷を出て品川の山城屋と言う旅籠に入りました、多分盗人宿でしょう、それからは出てきませんと言うと、ヤッパリ厩橋や両国は千住か本所あたりで、
勤めをやるという引っ掛けなんじあよ、多分品川から芝ででやるつもりじあろう、薩摩とのつながりはわからぬがと言うと、それでは二三日中にはまむしの万蔵がきますね、見張りを、
続けますと言ったのです、

翌日新之助が根岸にやって来て、市来が大伝馬町の牢獄で死んだそうだと言うので、何病気のはずはない、さては牢内で始末されたなと言うと、証拠はないが朝冷たくなっていたそう、
じあと言うので、差し入れはなかったのかと聞くと、親戚の者が金寸を届けに来たそうじあが、渡すと直ぐに帰ったそうじあと言うので、その金はあったのかと聞くと、ある訳ないよ、
その場合は誰かが懐にいれるのさと言うので、

普通は差し入れされたら、牢名主にいくらか渡すのが慣例じあと言うので、渡さないとどうなるのじあと聞くと、多分始末されて盗まれるじあろう、全員拷問に掛けても喋らないよと、
言うので、所詮悪人だからそれ以上の詮議はしないわけかと言うと、島役人は1人減って喜んでいるよ、食い扶持を送らなくても良いからなと言うので、悪い慣習と言うわけじあなと、
言って、

市来の口を塞がなければならない理由があると言う事になるが、薩摩は他に何かやっているのかと言うと、まむしをとらえれば、総てわかるじあろうというので、まったく、藩ぐるみ、
と言う事じあからな、まさか盗人の上前をはねているのではと新之助が言うので、奴らが奪ったと思われる金寸はと聞くと、おおよそ5000両と言うところじあがと言うので大きな金寸、
じあが、

その半分を跳ねたとしても、藩財政には大した足しにはならぬ、取り分が5000両以上なら話はわかるがと言ったのです、飛猿がやって来て、来ましたよ船で手下5人を連れて山城屋に入、
りました、平吉は薩摩屋敷に仲間5人を連れて戻りましたと言うので、何をやるつもりだと言って、薩摩屋敷に戻ったと言う事は何かを運び出すのじあろう、ままよいわ女を連れて手下、
が動くじあろうというと、

才蔵が見張っています、私は薩摩屋敷を見張りますと言うと出て行ったのです、暫くして才蔵がわかりました目当ては芝神明の両替商今津屋です、女が見せ前で倒れて家人が家に運び、
込みましたが出てきません、見張りの手下が上手く行たのを見届けると山城屋に戻りましたというので、新之助手配を頼むと言うと、才蔵が店の斜め前がキセル屋で二階がありますと、
言うので、

よし主人に頼んで二階を見張り所にしょうと言うと、根岸を出て隅田川を下り竹芝に上陸してキセル屋に行き事情を話すと、ハイ、ご自由にお使いくだされと言うので、二階に上がる、
と、三蔵がやって来て手配は終わりました、動けば囲むようにしますと言うので、ここからは薩摩屋敷は近いなと言うと、まさか偽小判とすりかえるのではと三蔵が言うので、いや、
両替商は簡単に偽小判ときずくよ、

やるとすれば、2朱か2分じあがこれもすぐ分かるじあろう、後は文銭じあ寛永通宝なら見分はつかんが、俵で運ぶ事になり目立つので盗まぬじあろうと言って、そうか、薩摩は偽の寛永、
通宝を作っているのじあな、それを摩り替えて、千両箱を盗み、小判だけが盗まれた事にするのじあよ、偽ものは両替商に行き、本物は薩摩が手に入れるので、薩摩はそれを何処かの、
両替商に持ち込み小判に変えるという事じあな、

それで盗人が必要なわけじあよと言うと、三蔵がなる程、今までもその手口で東海道をあらし回ったのですね、薩摩の御用達の看板なら調べられないので、それで盗みをやる場所に偽、
寛永通宝を運んで摩り替えていたのかと言うので、これなら、俵一俵が千両分として、採算は合うはずじあな、しかし、まったく、手間のかかる事をやるもんじあ、なりふり構わずと、
言う事かと言ったのです、

牛の刻ごろに動き出すじあろうと言うと、三蔵の女将が握り飯を持ってきたので、これはすまんと言って腹こしらえをしたのです、そろそろじあなと言うと、飛猿が平吉は荷車2俵の表、
を載せてこちらに来ますと言うと、才蔵が子分5人を連れて万蔵が旅籠を出ましたと言うので、まっていると、二組が合流して平吉が戸板を叩くと、女が顔を出したので、そこまでだ、
マムシの万蔵、

北町奉行所筆頭同心山田新之助じあ、周りは囲まれている神妙に縛につけというと、くそ~、切り抜けろと言つて刀を抜いたので、乱闘が始まったのです、源三郎は品川よりの場所に、
いると万蔵が傍に来たので、ここからは、逃れられんと言うと、くそ~と切りつけてきたので、峰で肩と足をピシ~と打って、お前は三尺高い木の上に登ってもらうと言うと、そこに、
転がったので、

三蔵が縄を打ったのです、みんな取り押さえたので、新之助にこの贋金は見なかった事にしてくれと言うと、わかった、急ぎ働きの盗人として処置すると言うと、引き立てて行ったの、
です、家の者に盗人は捕らえた、今後はむやみに他人を家に泊まらせるな、旅籠に泊まらせよといって、偽寛永通宝を見せて、これは偽者かと聞くと、手で触っていましたが、いや、
本物ではと言うので、

それでは戸締りをしつかりなと言うと、三蔵と下っ匹に荷車を引かせて、薩摩屋敷に行き門を開かせて、中に運び入れると、江戸家老と次席家老が出てきたので、しかし、上手く作っ、
てありますなと言うと、江戸家老と次席家老が座り脇差を抜き腹に突き立てようとするので、2人リの手を握り脇差を取り上げて、何でも死ねば良いわけではないわ、後いくらあるの、
で御座るかと聞くと、

それが最後で御座ると言うので、今までいか程作ったのじあと聞くと、6千両に御座ると言うので、して奴らにはと言うと全部処分して半分渡す事になっていますので、まだ渡しては、
おりませぬと言うので、そうすると4千両になる所でござったかと言うと、そうで御座ると言うので、これはそのまま両替商で小判に換えればよいじあろう、本物じあからなと言うと、
良いので御座るかと聞くので、

本物をもっていたとて罪にはならぬと言うと、ハハハッと言うので、今後はこのような事はまかりならぬ、次は藩を取り潰さねばならぬ、たった8千両で藩がつぶれるとは、ばかばかし、
いでは御座らぬか、今回の改革で十分藩財政は立ち直るでしょう、この金はまむしの万蔵が薩摩屋敷から盗んだので、お返し申すと言って、万蔵を紹介したのは市来であろう、しかし、
死人に口なしじあのうと言ったのです、

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