第86話

文字数 2,777文字


源三郎江戸日記(弟三部)86
 
幌内の奥の方や釧路の内陸部にあるそうですと言ったのです、船に帰ろうといって小船に戻ると、夏吉がちょっと待ってくださいというと、海水に入り、かにを捕まえて籠に入れたので、
す、次に大きな貝を砂浜から探して、これも籠に入れて、このくらいあれば良いでしょうと言って小船に乗り船に帰り、船倉に入りかにを湯に入れて暫くして平たい籠に入れて、貝をも
カマドの上に網を載せて、

置いて蓋が開くと醤油を垂らすと良いにおいがして来たのです、ハイ、おかずが出来ましたと言って、甲板に上がり箱の上に並べたのです、これは毛蟹と言う奴でカニの中では一番美味い、
奴ですと言って差し出すので、足を半分におって、片方を引っ張れば直ぐに向けますというので、やってみると簡単です食べると美味しいので、これは美味いと言ってみんなに食べるよう、
に言うと、

お玉がまあ印西で食べたのよりず~と美味しいと言うので、取立てだからなと言うと、みなも、美味い、美味いと食べたのです、この貝はホタテと言って船の帆ににているのでそう言われ、
ていますと言うので食べるとこれも美味いのです、なる程蝦夷は食べ物天国じあなと言うと、人が増えても食うのには困りませんと夏吉が言ったのです、みんなも食えとアイヌの者達にも、
握り飯を渡して、

みんなで食うと、夏吉が和人と一緒に飯を食うのはみんな始めてですと言うので、アイヌも和人も同じ人間じあろう、変わりはせんじあろうというと、ハイと喜んだのです、酒も飲めよと、
勧めると、みなが美味いですねと言ったのです、星も綺麗じあのう、しかし、これがシケて来ると地獄となるのじあろうと言うと、冬は大変です、命を落とすものもいます、海に落ちた、
ら半時も持ちませんと言ったのです、

翌日稚内を出航して樺太に近づいて南の湾に入ると、ロシアの船が二隻停泊しています、大きさから言うと2000石くらいです、300間以上には近づくな大砲の仕掛けがバレルからなと言う、
と約300間でイカリを降ろして、大砲を11発打つぞあの誰もいない岸壁に向かって45度で放ぞと言うと、一発づつ11発をどか~ん、どか~んと撃ち、次に鉄砲を空に向かってまず5発放て、
と言うとやはりどか~ん、どか~んと、

10発を撃ち最後に源三郎が撃ったのです、これは南蛮の軍船が港に入るときの仕来りだそうじあと言うと、ロシア船の甲板と砂浜には、沢山の白人が出て来て、こちらを見ています、山形、
達に鉄砲を装備させて、船子とロシアの言葉のわかるものに小船で近づくものがいたら、近づくなと言って空に威嚇射撃をしろと言うと、承知と船頭が言ったのです、小船に乗り夏吉を連、
れて、

お玉、山形達と一緒に砂浜に上陸して、夏吉に頭は誰か聞いてくれと言うと、ロシアごで言うと、一人の男がわしだと言うので、ここは和人の領土だと言うと、その男はここには和人は住、
んでいないと言うので、アイヌは和人だ、お前もアイヌとの混血だが日の本の国王に従っていると言うのだと言うと、通詞すると、その男はここで交易はしてはいけないのかと聞くので、
いや交易したり、

毛皮をとるのは認めよう、但し、毛皮をとる為に一時留まるのは認めるが、ここに住む事は認めないと言うと、その男は、ここに住むつもりは無い、交易と毛皮の猟を認めるのなら帰って、
皇帝にここは和人の島だと言うおうと話して手を出すので、夏吉が手を握り会うのが友好のしるしですと言うので、手を握ると潰れるように握るので中指で強くけんを押すと痛そうな顔を、
して手を緩めて

何かを言うので、なんだと聞くと、手の甲が折れると思った、あんたは強い男だと言うので、すまんと笑うと、その男も笑い、あれは和人の軍船かと聞くので、そうだ、破裂弾を装備して、
いて、250間先の物を粉砕できる、又この鉄砲は250間だから1000フイート先を射抜く事が出来ると言うと、驚いています、やって見せようと言うと、250間先の砂浜に棒を立てて山形行く、
ぞと言うと、

5人が構えたので、放てと言うと、どか~ん、どか~んと5発の銃声がして、5本とも木の真ん中に命中したので、驚いていたのです、それは和人の国で作っているのかと聞くので、そうだ、
およそ2万丁の鉄砲と500門の大砲に兵20万人を和人の国王は持っているというと、驚いていたのです、米、味噌、醤油をおろして、夏吉おまえの村へ案内しろと言うと、傍にいたアイヌ、
のカヌーに載せて、

じあ自由に毛皮の猟をしてくれと言う、ありがとうと言ったのです、カヌーにのり川をさかのぼり、暫く行くと船着場があり降りると、村の者が集まったので荷物を渡すと村へ運んだの、
です、夏吉が村長のイロンシスですと言うので源三郎じあ米、味噌、醤油、酒を持ってきた、受取ってくれと言うと、夏吉が通詞するとありがとうと言っていますと言うので、お前の、
母親はと聞くと、

函館にすますというので、そうかと言うと、村長が中に入ってくれと言っていますと言うので、中に入り座ると木のおわんを渡すので受取ると、どぶろくを注いだので飲み干すと、どん、
どんのんでくれと言うので、山形達にも飲むように言うと、女達が酌をしたのです、暮らしはどうだと聞くと、段々獲物が少なくなってきていると言うので、畑を耕してとうもろこし、
ジャガイモを植えたらどうだと聞くと、

教えてくれればやってみるというので、夏吉函館の百姓に聞いて、たまに来て教えてやれ、玄海屋の船を回して交易するついでだと言うと、ハイ、やって見て貰いますと言うと、村長が、
喜んだのです、あのロシア人に日干しレンガの作り方を習い、それで家を作れば冬も過ごし易いぞと言うと、それもやってみようというので、うまくいけば他の村にも教えてやれと言う、
と、

村長がわかったと返事したのです、干した肉を渡して、これは鹿の肉じあ持って行けというので、ありがたいと受取ると又来てくれと言うので、そうすると言うと、立ち上がり船着場、
に戻りカヌーに乗り海岸に戻ると、向こうから七衛門が手を振るので近づくと、間部と新井が来てくだされたかと言うので、ロシア人の頭にここは和人の土地で、アイヌは将軍に従属、
していると言うて置いた、

あの大砲と鉄砲に驚いたみたいで、帰ってロシアの皇帝に伝えるそうじあと言うと、そうでしたかと言うので、アイヌとの交易と毛皮の猟は許すが、ここに住んではならぬと言ったら、
了承したと言うと、七衛門がそれは良かったですと言うので、間部がよく幕府が軍船を許可しましたなと言うので、まあ、後で見せますと言うと、ロシアの頭の処にいき、アイヌに、
日干しレンガの作り方を教えてくれと頼むと、

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