第99話

文字数 2,734文字


源三郎江戸日記(弟三部)99

雨の音がしたので窓の障子を開けると大粒の雨が降っており、風も強くなって来たようです、船頭が入って来て、嵐になりそうですので、全員船に戻り警戒しますと言うので、なるべく、
砂浜の沖に停泊するのじあ、いざとなったら砂浜に乗り上げろ、人命が大事じあ、船は又手に入れればよいというと、ここは入り江になっているので大丈夫ですが、沖を航行している船、
はこの規模では遭難する恐れがありますと言うと部屋を出て行ったのです、

暫くすると我々も早めに旅籠に戻ろうといって祝宴を切り上げて旅籠に戻ったのです、夜中中風と雨が降り続きましたが、朝になると風はなくなり雨も上がったようです、朝餉が終わる、
と船頭がやって来て、船は大丈夫です雨も北の方へ去ったようですので、出航できます、準備は出来ていますよと言うので、朝餉はと聞くと、全員終わりました、夕べは交替で警戒して、
いましたので、

船子も元気ですよと言うので、それでは出立しようと言うと旅籠を出て船に乗り、イカリを上げて萩に向かったのです、明日の午前中には萩に着きますと船頭が言うので、急ぐ旅では、
ないのでゆるりとやってくれと言ったのです、航海は順調で昨日は夜からの風なので船は港に退避したらしく、遭難している船は見当たりません、松江沖で日が暮れて船は西に進んで、
いったのです、

翌日も良い天気でもう直ぐ萩だと言う地点で、船頭が前方に南蛮船が停止していますと言うので、遠眼鏡で覗くとどうやら、帆柱が折れてなくなっています、あれはオランダの船じあな、
昨日の嵐で帆柱が折れて北に流されたのだろう、250間まで近づき停止しろと言うと、帆を半分たたんでゆっくり近づいたのです、どうやら商船のようじあな、大砲は積んでいないよう、
じあが、

甲板には南蛮人とシナ人がおり、5人が鉄砲をもっています、よし、威嚇しよう大砲を南蛮船に向けよと言うと、むしろで隠してあった大砲6門を南蛮船に向けて、20度の角度で一発撃つ、
ぞと言うと、船子が20度に合わせたので放てと言うと、どか~んと音がして南蛮船を通り越して海面で爆発したのです、それでは次は30度だと言って、撃つと南蛮船に近づいて爆発した、
のです、

山形あの帆柱に向かって5発撃つぞと言うと、5人が鉄砲を構えて一斉に射撃すると全弾が帆柱に命中したのです、驚いた南蛮船の者は鉄砲を下において、白旗を掲げたので、山形達2人、
はわしと小船で行くぞ、後の3人は甲板で鉄砲をかまえておけ、わしが合図に鉄砲1発を撃つので、大砲はむしろで隠して近づき船を曳航して長崎に向かうぞと言うと、船頭が承知しま、
したと言うので、

源三郎達は小船に乗り南蛮船に向かったのです、縄梯子を登り甲板に乗り移り、大和の言葉のわかるものはいるかと聞くと、シナ人がわたしわかるというので、我々は幕府の役人じあ、
どうしたのだと聞くと、船長が長崎から上海に帰る途中に嵐にあい、帆柱が折れて漂流してここまで流されたと言うので、積荷はと聞くと、交易品だと言うので、臨検すると言うと、
この船はオランダ船だ、

あなたにその権限はないと言うので、ここは大和の国の領海だ調べる権限はある、調べられては、まずい物をつんでいるのか、わが軍船の威力を見たであろう、大砲は炸裂弾だ照準は、
簡単につけられるし、我々のもっている鉄砲は1500フイートは届くぞと言うと、わかったと言うので、船倉に下りて行くと海産物が沢山つんであり、奥に部屋があるのであけると、
女が10人程います、

我が国は鎖国している和人を海外へ連れて行く事は禁止しているはずだと言うと、船長がわかった引き渡そうと言うので、みんな外にでろと言って甲板に出して、小船に移らせて船に、
収容したのです、長崎の誰から買ったのだと聞くと、肥前屋だと言うので書きつけを出すように言うと、出したので受取り、この船は長崎まで曳航してオランダ領事に引き渡す、船の、
修理をするが良い、

違反はしているが我が国では処罰しないと言うと、ありがとうと言ったのです、鉄砲を1発撃つと船が近づいてきてもやい綱を渡したので船子が船に縛りつけ、源三郎達は船に戻りそれ、
では予定を変更して長崎に向かうぞと言うと、イカリを上げよ、帆を張れと船頭が言って南蛮船を曳航して長崎に向かったのです、南蛮船の船長があの船は方位磁針計を装備しているん、
だな、

それに自由に走行できて、炸裂弾の大砲まで装備している、さらに鉄砲が1500フイートも届くとは驚きだ、いつの間に幕府は装備したのだ、鎖国していても武器は製造しているのかと、
驚いたのです、まあ、領事に引き渡すと言ったから幕府に捕まる事はないだろう、上海に帰れるぞと言うと、みんなが安堵した顔をしたのです、夕暮れ前に長崎に着いて、イカリを、
おろして、

全員上陸させて、オランダ領事に引き渡したのです、女達は玄海屋の店に預けて、長崎奉行所に行き奉行に面会すると、長崎奉行の青山外記にござるというので、諸国巡察視の村上、
源三郎でござる、肥前屋は国禁を犯して女共を南蛮人にうり渡しておる、これがその書付である、直ちに捕縛されよと言うと、わかり申したと言うと取り方を連れて肥前屋に向かい、
捕縛して連れて来たので、

白州に座らせて、書付をみせて、国禁を犯して南蛮人に女を売るとは許しがたい、店は取り潰し、お前は打ち首じあと言うと、お許しくださりませというので、金蔵には今いくらある、
のじあ、総てを差し出せば命だけは助けるがと言うと、1万5千両程あります、総て差し出しますと言うので、蔵の鍵を渡して総てをもってこらせよと言うと、鍵を渡したので奉行に、
取りに行くように言ったのです、

あの女たちは何処から手に入れたのだと聞くと、女郎屋の春吉からです、女達には店変えだと騙したのであろう、その春吉も承知の上じあなと言うと、ハイと言うので、春吉も召し取り、
なされと言うと、奉行が与力に指示して捕縛に向かったのです、春吉も白州に座らせて、同じ事を言うと総ての金寸を差し出すというので、これも取りに行かせたのです、いつもの通り、
仕置きをして、

春吉にこんどやったら打ち首だぞと言うと、言い付けは守りますと言うので、女郎達の借金はなくして、一人30両づつわたして、自由にしたのです、青山殿総ては終わりました、今後は、
厳しく取り締まりなされと言うと、承知いたしましたと言うので、没収した1万2千両のうち2千両を長崎奉行に渡して、治世に役にたたせるように言って、残りは船に運び込み、奉行所、
を後にしたのです、

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