第59話

文字数 2,780文字


源三郎江戸日記(弟三部)59

さてこの者達をどうするかじあな、施しをやっても意味がないがと言うと、1人の男が何か用かと言うので、ここの者は何で糧を得ているのだと聞くと、乞食でさあ、わしが、元締め、
だと言うので、この川は雨が降ると増水して住めなくなるじあろうというと、よっぽどの大雨でないと水は溢れないよ、わしが来てから一度もないと言うので、ならばここに畑を作っ、
たらどうだと言うと、

朝廷と奉行所がゆるさんよと言うので、わしが許すように言うてやろう、何人いるのじあと聞くと、女子供いれておよそ、100人だがと言うので、働ける者はと聞くと、60人だと言うの、
で、1000両もあれば馬を買い畑は作れるじあろう、水田を作ってもよいぞ、ここに村を作るのじあよ、年貢は永代2分としてやる、朝廷に納めよというと、1000両もあれば作物が出来る、
まで暮せるだ、

本当に下さるのかねと言うので、勿論じあ、但し何もしないでその金を使うなよと言うと、ハイ、わしも近隣で百姓していたのだが、摂津屋に米を買い叩かれ暮していけなくなりここに、
来たのだと言うので、摂津屋は朝廷の札差を差し止めた、これからは淀屋がやるので買い叩く事はしない、村へ戻ったらどうだと言うと、田も畑も売り払っただ、いまさら戻っても何、
もないだと言うので、

ならばここに村を作り生きていけば良いと言うと、ヘイ、みんなと頑張ってみますだと言うので、よし、明日届けてやろう、盗まれないようにしろと言うと、丸太小屋を作り鍵をかけて、
保管しますだと言うので、ここに10両あるこれで米を買い、みんなでたらふく食べろと渡すと、ありがてえと涙を流がして、あんた様は仏様かねと聞くので、諸国巡察視と言う役人じあ、
この国に住んでいる民を救う事もわしの役目じあと言うと、

こんな役人には初めて会うただと言うので、おまえの邪魔は誰にもさせんと言うと、有難うごぜえやすと言うので、それではな、又様子を見にくるぞと言うと、川原を離れて奉行所に行、
き、奉行に会うと、お出でになっている事はお聞きしましたと言うので、町方が手は出せぬ事は承知しておる、今回からは町方が吟味してそれぞれの公家に引き渡す事にした、又奉行か、
ら武家伝送方に、

吟味の報告書を出して、朝廷の重鎮がこれを確認する事にしたので、そなたの首が飛ぶ事はない、遠慮なく取り締まり、捕縛して吟味するが良いと言うと、ハイ、承知しましたこれで京、
の町の治安は良くなりますというので、もう一つ、鴨の川原に住んでいる者に、あの川原で畑や水田を作る事を許した、邪魔は決してしてはいけない、誰か邪魔する者がいたら取り締ま、
れ、

朝廷にはわしが許可したと言うが良い、なお、作物ができれば2分の年貢を朝廷に払わせる事にした、年貢を納めるからには、保護してやらねばならぬと言うと、承知しました全員に徹底、
させますと言ったのです、よし、奉行所に朝廷より1000両を寄進してやる、これは奉行所にいる者への慰労と町の為に使うが良い、町衆からの賂は受取っても、構わぬが便宜ははかるな、
1人の懐にいれず奉行へ差し出して、

これを集めて、みなの慰労金とせよ、そなたの為にも使うても良いとうと、お気遣い痛みいりますと言ったのです、奉行所を出て御所に行き郡方へ鴨の川原の事を話し邪魔をせぬように、
言うと、年貢が増える事の邪魔は、しませんと言うので、勘定方頭へ1000両を元締めに渡して、田畑の開発をさせよと言うと、わかりました、明日渡しておきますといったのです、さら、
に後1000両を町奉行に渡して、

京の町の治安維持の費用だと渡すのじあと言うと、承知しましたと言うので、今夜新たに3万両を蔵にいれる、これで、思い切った事が出来るじあろうというと、ハイ、みんなが生き生き、
としております、遅延していた扶持米金は総て渡しました、又屋敷の修理の事と神社仏閣の修理を伝えましたら、大勢の願いが出ましたので、吟味して修理する事にしました、みんな喜、
んでおります、

ミカドの株はうなぎのぼりですと嬉しそうです、そうか、関白や他の重鎮が何と言うおうとわしには逆らえぬので、わしの許可を取るように言うのじあと言うと、ハイ、承知いたしました、
と言ったのです、これでよしじあなと言って家にもどると、旦那様お見事です一気に解決しましたねというので、金がものを言うわけじあなと笑ったのです、山形達が戻って来て、町方が、
悪さしている、

衛士に注意していましたが、聞かないものは縄を打って奉行所に引き立てています、どうしたのですかと言うので、お玉が旦那様が奉行に因果を含めたのですよと言うと、それでですか、
町方も張り切っていましたよと笑ったのです、後は関白じあな、明日は吉野へ杉を見にいくぞ、町を外れるので関白か攝津屋が何かを仕掛けてくるじあろう、仕掛けてくれば又金が巻き、
あげられるぞと言うと、

みんなが、そうなれば又大儲けですねと笑ったのです、七衛門が部屋に入ってきて、用意は出来ました、船子と船は目立たないように堀川に待機させています、弓も装備させてあります、
と言うので、それでは酒でも飲みながら待つとしょうと言って、おみちに膳を用意させて杯を重ねたのです、才蔵が関白は出掛けました、飛猿が監視していますと言うので、ろそろ行く、
ぞと言うと、

関白の屋敷に行き、覆面をして、才蔵に木戸を開けさせて中に入り、門番を気絶させ、衛士の部屋に行き当身を食らわせて気をうしなわせ、そこにいた、赤城達も当身を食らわせて用人、
の部屋に行くと、なんだと言うので口を塞ぎ柱に縛りつけて、土蔵に行き才蔵に鍵を開けさせて、船子が3万両を運び出し船に乗せたのです、女達に夜が空けるまではおとなしくしろ、
あけたら全員介抱してやれと言うと、

屋敷を出て船に乗り、覆面をはずして御所に行き、待機していた勘定頭に蔵をあけさせて3万両を運びこんだのです、それでは預けたぞと言うと、御所を出て家に戻り祝杯を上げたのです、
翌日関白が屋敷に戻ると、用人が大変です賊がおし入り、3万両を持ち去りました、蔵にこれがと言うので、見ると鞍馬天狗参上と書いてあります、なんじあと、全部持っていかれたのか、
と腰を抜かしたのです、

奉行所に、届けてきますと言うので、待て、わしが大金を、持っていた事が発覚するではないか、そうすれば源三郎めに関白職を追い出されるぞ、届けてはいかんと言うので、このまま、
泣寝入りをと言うと、くそ~摂津屋にかならず源三郎をしとめろというのじあ、しとめたら奴の家を探せばあるじあろう、奴の仕業に違いないと言ったのです、何と言う事をするのじあ、
奴は天狗かと絶句したのです、

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