第85話

文字数 2,785文字

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源三郎江戸日記(弟三部)85
 
又同行してもらう、今回も5人じあ、鉄砲は15丁用意してくれ、金は必要ないぞと言うと、承知いたしましたと言うので、根岸に行き、お峰に話をして、そなたは子育てに専念してくれ、
おあき留守を頼むぞと言うと、わかりましたと返事したのです、お峰に火薬の調合を頼むと言うとハイ、上杉屋敷から持って来てもらい、調合しておきますと言うので、それでは準備、
に玄海屋に行ってくると言って出掛けたのです、

玄海屋に行き、深川の花火職人の家に案内させて、六尺玉は何発あるか聞くと、今度の夏用に400発作ってありますと言うので、よし、発射筒を6個と6尺玉400個を譲ってくれ、夏までは、
又作れるじあろうというと、ヘイ、もう打ち上げなさるのでと言うので、蝦夷でなと言うと、それは豪儀ですな、わかりやした、箱詰めしますと言うので、玄海屋の千石船に載せてくれ、
と頼んだのです、

番頭に大八車6台も載せておけと頼んだのです、何をするのですかと言うので、大砲を6門作るのさと言うと、番頭が不思議な顔をしています、柳沢に蝦夷行きの手紙をしたためて使いに、
出して、翌日深川から船に乗り、蝦夷に向かったのです、船で船頭に大八車に丸太を乗せて、その先に花火の筒をくくりつけ、真ん中に固定して大八車共々黒く墨を塗ったのです、これ、
を六台作り、

甲板の右舷に並べてこれで大砲の出来上がりじあ、それでは火薬の紙袋を入れて6尺玉をいれろというと、入れたので発射各一杯と言うと後ろを下に目一杯下げて、火縄の火を点火すると、
どか~んと音がして玉が45度の角度で飛んで生き海に落ちる寸前にどか~んと爆発したのです、あれで約250間じあな、南蛮の大砲は200間じあそうだから、こっちの大砲が飛ぶわけじあ、
しかも、

南蛮の大砲は鉄の弾を発射するので、爆発はしないのでこの仰角はついていない、飛んでも150間じあろう、ロシア人が肝を潰して、千島や樺太は占領しないじあろうというと、なる程、
脅かすのですねと言うので、遠くから見れば大砲に見えるさ、又大八車なので反対側に、直ぐに移動できる、玉は紙で出来ているので軽いから、少しの火薬で遠くに飛ぶと言ったのです、
ロシア人は炸裂弾を見て肝を潰すさと言ったのです、

夜打てば花火とわかるが南蛮には花火はないだろうと言ったのです、玉は一杯あるので、導火線を半分にすれば、丁度良い高さで爆発するぞと言うと楽しみですねとお玉が笑ったのです、
相馬沖で日が暮れたので、甲板で夕餉を取り、夕餉が終わると酒を飲んで杯を重ねて、そろそろやろうというと、船子が導火線を半分に切った玉を入れて点火すると、どか~んと音が、
して120間飛ぶと、

どか~んと音がして空に菊の模様が浮かびあがったのです、みんなが拍手してすご~い、海の上の花火だと喜んだのです、6発を打ち上げて終了にしたのです、陸から見た者がいるじあ、
ろう、きっと、驚いているぞと笑うと、今度江戸湾でやると良いですねとお玉が言うので、そうじあな、隅田川ばかりでなく、深川の海でやると良いなと言ったのです、さあ寝るぞと、
言って船倉に入り畳の部屋で、

寝酒を飲み夏布団を掛けるとすぐ寝いったのです、朝お玉が起すのでおきて歯を磨き顔を洗うと、もうすぐ仙台沖です、明日の朝には函館につきますと船頭が言ったのです、味噌、醤油、
米は沢山積んでいますので何処にも寄りませんと言うので、わかったと返事したのです、次の朝に函館に着きイカリを降ろすと、大砲を6門積んだ船が姿を現したので函館奉行所は大騒、
ぎになり、

小船で上陸して諸国巡察視村上源三郎じあ、と言うと、函館奉行の遠山佐門に御座る、幕府は軍船を作ったのですかと言うので、大砲に見えるが大八車に花火の筒を取り付けたのじあよ、
と言って、赤旗を振るとどか~んと音がして玉がヒューと飛び200間先の岩の傍で爆発したので、奉行がなんですか破裂弾ですかと言うので、6尺の花火玉じあよ、但しこれは内密じあ、
ロシアにばれると脅かしにならぬからなと言うと、

承知しましたと言ったのです、水を補給したら樺太に向かう、樺太は大和の国じあとロシア人に知らせるためじあと言って、アイヌと混血10名を呼んで、お前達は正式に和人として認め、
ると1人づつ、証明書を渡すと大喜びしたのです、これから、わしと稚内に行きロシア人との通詞をやって貰うと言って、和人の名前をつけるぞとまずお前は夏吉、春吉、末吉、小吉、
とそれぞれ10人に名前をつけたのです、

それでは奉行帰りに又寄るぞと言うと、気をつけなされと言うので、小船に乗り船に戻り帆を上げて北に向かったのです、1日で樺太の南に着きますというので、函館から松前に行くと、
大砲を積んだ和船にみんな驚いています、ゆつくりと進んで行くと、あそこが幌内であの川が石狩川で内陸の日高山から流れています、そこまではおよそ100里ありますと夏吉が言った、
のです、

お前の村はと聞くと樺太の南の端にありますと言うので、ロシア人との混血はいるのかと聞くと、いいえロシア人はアイヌとは情は通じませんと言うので、何故だと聞くと大男でアイヌ、
の女には見向きもしませんと言うので、そうか、和人の方が似ているわけじあなと言うと、そうですと言ったのです、しかし、そのうちに通じるようになり、混血も生まれるじあろと言、
うと、

和人とロシア人の混血もですかと聞くので鎖国がなくなたら出来るじあろうと言うと、あんな大男ですよ女子のあそこは壊れませんかねと言うので、赤ん坊が出てくるのじあぞ、壊れる、
もんか、伸び縮みするから大丈夫じあよと笑ったのです、そろそろ稚内ですがこのまま進むと真夜中に樺太に着きます、地形がはっきりしませんので、稚内で一泊して朝出航しましょう、
と言うので、

湾に入り上陸する事にしたのです、沖に停泊して小船で上陸して丘に登ると一面草原です、草は花が咲き乱れています、この辺には大きな川がありませんので、アイヌも住んでいません、
あの対岸15里はロシアの土地ですと言うので、人が住んでいるのかと聞くと少しはいるかもしれませんが、開けているのは下の方のウラジオストックと言うところで船で一日半の所だ、
そうです、

そこから商人が樺太や千島に毛皮を取りにやってくるのだそうですと言ったのです、しかし、ここを開拓すると広大な畑が出来るなと言うと、アイヌは畑はつくりません、もつぱら狩猟、
で暮しています、鮭、ニシン、鹿、ホッケ、サンマ、カレイ、ホタテ、コンブ、かにを和人と交換しています、部族は数え切れないくらいに散らばって住んでいますと言うので、燃える、
石や燃える水があると聞いたがと言うと、


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