第100話

文字数 2,926文字


源三郎江戸日記(弟三部)100

長崎奉行が肥前屋と春吉に首が繋がってよかったな、今後はまっとうに商いするのだと言うと、ハイ、肝に銘じますと言うと、帰っていったのです、与力にあの村上と言う奴は味な事を、
やる奴じあのうと言うと、まだ何かやるつもりですかねと聞くので、商人に首を洗ってまっていることだなと伝えておけと笑ったのです、与力が商人を集めて通達したのです、肝いりの、
長崎屋が、

みなと相談して賂を贈る事にして、玄海屋の番頭に面会を依頼したのです、玄海屋がみんなが面談したいと料理屋で待っていますがと言うので、巡察の後で顔を出すといってくれと頼み、
町に巡察に出掛けたのです、居酒屋に入り酒と肴を頼んで杯を重ねていると、源蔵が傍に来て、ここに来るとは思わなかったというので、長崎に来ていたのかと言うと、明日入れ札が、
あるのだよと言うので、

一応肥前屋と春吉には引導を渡したが、他にネズミはいるのかと聞くと、まさか肥前屋が人身売買を、やっているとは知らなかったが、表面はまつとうな商人だからわからんなと笑った、
のです、再び杯を重ねて、お玉とお鶴を紹介すると、博多屋の源蔵と申します、帰りには博多にもよってくだされと言ったのです、奉行はと聞くと、中々の策士じあよ、特に賂は要求し、
ないが、

もつて行けば受取るぞ、入れ札の不正はやっていないようだ、談合も特にないようだが、裏では何をしているかは、わからない、抜荷はみんなやっているだろうが、この長崎奉行管轄、
ではやっていないと思う、今回で懲りたようだから、暫くは誰も不正はやらんじあろうと言ったのです、料理屋にみんなが集まっているらしいが、わしにいくら賂を渡す事になったの、
じあと聞くと、

長崎に出店のある商人が1人300両づつで総計6千両と決まったというので、源蔵もかと聞くと、わしに、玄海屋もだと言うので、なる程それで何をしろと言うのだと聞と、抜荷のめこ、
ぼし料と言うわけだと言うので、そんな事しなくても目こぼししておるわと言うと、商人はタダでは信用しないのだよと言うので、そういう物なのかと言うと、渡せば安心するんだよ、
と笑ったのです、

それを何に使うがだが、この町に貧乏人からは金を取らない医師はいないかと聞くと、町で開業している山中玄白と言う南蛮医師は腕も良く、百姓、町人に金がなくても治療するそうだ、
相手の懐具合で金を取ると言う事だがと言うので、その先生に医術の学問所を開いてもらって、江戸、大阪から医術を学びに長崎に行きたいが、金もなくいけない者達を呼んでもらう事、
にして、

住む場所と飯はタダで食わせるようにすれば良い、路銀も出してやれば助かるだろう、その6千両を両替商に預けて利子を稼いでもらえば、年600両になり、月に50両を渡してもらえば、
出来るじあろう、江戸は100万人を超しておる、多くの医師は必要じあからなと言うと、なる程、金寸は減らないので、永続に続けられる訳ですねと、お鶴が感心したのです、それでは、
そろそろ顔を出すかと言うと、

源蔵の案内で料理屋に行き座って、わしに面談したいと言う事じあが、何か用があるのかと聞くと、それぞれが自己紹介て、わたしが肝いりの両替商をやっています長崎屋白衛門に御座、
います、これはほんのお口汚しに御座いますと為替手形を渡すので、見ると6千両と書いてあります、これをわしにくれると言うのかと言うと、ハイ、ご自由にお使いくださいと言うの、
で、

折角の寄進じあありがたく受取るぞと言うと、みんなが、有難う御座いますと言うので、これは長崎屋に預けよう、これを貸し付けて年600両になるので、月々50両づつ町医師の玄白先生、
に渡してくれと、医師学問所の話をすると、長崎屋が承知致しました、毎月お届けしますと言うので、それでは玄白先生を呼んでくれと頼んだのです、玄白が来たので話をすると、承知、
致しました、

弟子達にも助力して貰いますと言うので、先生の診療所の為にも使こうて良いのですぞと言うと、それは助かりますと言うので、玄海屋薬草は安くで提供してくれと言うと、番頭が承知、
しましたと返事したのです、玄白に医術をまとめた本を渡して、これも参考になるじあろうというと、中を見てこれは最新の南蛮の医術ですなと言うので、先ごろ手に入れたオランダの、
医学書から書き写した物じあと言うと、

これがあれば素人でも出来ますな、医師が喉から手がでる程欲しい書物ですと感心するので、それではみなの者助力を感謝するぞとハイを重ねたのです、長崎屋が金寸を減らさず役に立、
てるとは、恐れ入りましたと言うので、今回は偶然に不正が発覚したが、不正をやればいずれかは発覚する、鎖国を破り女達を南蛮に売るのだけは止める事じあ、後はとがめだてはせぬ、
と言うと、

肝に銘じますとみんなが言ったのです、その頃オランダの領事は船長に今回は目を瞑るが、今後はこの国から外に人を連れ出してはならぬ、幕府との取り決めじあ、本来なら重罰だぞと、
言うと、銀貨200枚を納めますというので、わかったと言ったのです、しかし幕府は炸裂弾の大砲をもち、しかも1800フイートも届くのか、鉄砲は1500フイートも届くように改良してあ、
るとは驚きだ、

さらに方位磁針計まで作っているとは、これをエゲレス、フランス、に流せばこの国には手を出さぬだろう、オランダが交易は独占しているのじあ、幕府を怒らせてはいかんと言ったの、
です、その村上とやらを呼んで内情を探ってみるかと言うと、領事館の通詞に領事の食事会に誘おう、護衛をつれて来ても良いと招待して来いと指示したのです、女将がオランダの通詞、
が面会したいと言うていますがと言うので、

通させると、部屋に入ったきて座り、わたしはオランダ領事館の職員だ、村上さんを食事に招待したいと領事が言っています、今から案内します、護衛は連れて来てもかまいませんと言、
うので、承知いたしたと言って、お玉、お鶴行くぞと言うと、立ち上がり店の外に出て、町籠に乗り出島の領事館に行ったのです、部屋に案内されたのではいると、オランダ領事のカピ、
タンですと手を出すので、

握手すると椅子を勧めるので座ると、今日はオランダの料理を出します、遠慮なく食べてくださいと言って、グラスに赤ワインを注ぐので杯を重ねたのです、まずは汁が運ばれて来たの、
で、2人にこのおたまみたいな物で手前から奥にすくって飲むのだよと言うと二人もまねて飲んだのです、これは何の汁ですかと聞くので、たまねぎじあなと言うと、カピタンがオランダ、
ではオイソツプと言います、

お玉とお鶴がこの汁は美味しいですが、この酒は渋いですねと言うので、ぶどうから作られているのだよと言うと、ぶどうからですかそれで渋いんだとお鶴が言うと、我が国にも甲州は、
ぶどうを栽培しているぞ、たまには江戸にも出回る事があると言ったのです、カピタンが村上さんはなぜオランダの食事の道具の使い方を知っているのかと聞くので、オランダの百貨辞、
典を見たのだと言うと、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み