第67話

文字数 2,598文字


源三郎江戸日記(弟三部)67

それでは後ほどと言うと屋敷を出て行ったのです、お玉が帰って来てお茶を入れて、中々広い家です、これからはと聞くので根岸に顔を出してくると言うと、今日は根岸にお泊りなされま、
せ、私は沢山旦那様といましたから、気を使わなくて良いですよと言うので、そうか、ならばそうしょう、旅の疲れをゆっくり取ってくれと言うと、ハイ、そうしますと言うので、屋敷を、
出て、

御用部屋に行き書類を決裁すると、米沢も印西も平穏に御座います、梅雨が終われば殿が江戸に登られます、知らせによると奥方様が懐妊されたそうで御座います、藩士は一同に喜んで、
おりますと言うので、それは目出度い、これで上杉家も万々歳じあなと言うと、生まれてみないと男か女子かわかりませんと笑うので、女子なら婿養子を迎えれば良いのじあ、殿も養子、
じあろうと言ったのです、

決裁を済ませて根岸に向かったのです、根岸につくとお滝が出迎えてお戻りなされませ、お峰の方様は臨月の為寝ておられますというので、部屋に行きもう少しじあなと言うと起きよう、
とするので、そのまま寝ておれと押し留めて、どうだと聞くと、おなかをポンポンけりますと笑ったのです、部屋に入るとお滝が茶を差し出したので、茂助に土産をお玉が渡したそうだ、
が受取ったかと聞くと、

ハイ沢山京土産を頂ましたと言うので、そうか、お玉は上杉上屋敷に入ったというと、旦那様は今日はと聞くので、ここに泊まるぞと言うと、ハイ、夕餉はと聞くので、これから深川に、
出掛けるので、茶づけで良いと言うと、承知しましたと言うので、一服してそれではと言って深川に出掛けたのです、若狭屋により為替手形を返して、悪人から没収したもので間に合っ、
たので使わなかったぞと言ったのです、

若狭屋がそうでしたか、それでは沢山悪人がいたのですねと言うので、ぞろそうだがぞろいたぞ懲らしめたが、今頃は又穴から出て悪さしているかもしれんと言うと、きりがありませぬなあと笑、
ったのです、それでは桔梗でまっているぞと店を出て桔梗に顔を出すと、女将がお帰りなさりませと部屋に案内して膳を出して、酌をしたので飲み干し、景気はどうだと言うと、ハイ、
いい季節になりましたので、

そこそこ儲かっています、旅はどうでしたと聞くので、色んな事があったがめでたし、めでたしにして来たぞと言うと、そうですかそれは良うござんした、芸者衆も元気ですよと言った、
のです、飛猿が入って来て市来は芝の金杉橋の傍の一軒屋に住んでいるそうです、家には小者と女中1人がいます、船はあと4日はかかるでしょうと言ったのです、そうか、やはり隠し、
目付けじあなと言うと、

それが家禄は50石だそうで藩士にしては微禄ですと言うので、薩摩藩は実収40万石しかないので、50石なら良い方なんじあよと言う、そうなんですかと飛猿が驚いていたのです、問題は、
何処でさばくつもりかじあがと言うと、その建て屋の表に一色源内と言う医師がいますが、市来は親しい間柄との事です、この医師は通い医師で多くの大名、商人の家に出入りしている、
そうで、

診療所は開いていないそうですと言うので、阿片をさばくにはもつてこいの医師じあな、どの位の量をもっているかと薩摩藩の重役、とつるんでいるかじあなと言うと、江戸家老は平田、
時久1500石、家老が肝付次座衛門1000石でいずれも一門です、大阪留守居の小松右衛門800石だそうですと言うので、それでそのは藩政改革は中々難しいな、大隅屋と2人の家老は親し、
いのかと聞くと、

親しいのは勘定組頭の東郷多門だそうです、多くの貸付金があるみたいですから、当然だと思いますと言ったのです、札差はと聞くと川内屋と言う薩摩の商人が一手に引き受けています、
大阪、江戸にも出店があります、この者は両家老達とは親しいみたいで、次席家老は今日、品川の料理屋で川内屋の江戸の出店の番頭と飲んでいますと言ったのです、一色源内をもう少、
し洗ってくれと言うと、承知と部屋を出て行ったのです、

若狭屋が新之助と三蔵を連れて入って来たので、久しぶりに杯を重ねたのです、江戸の町の様子を聞くと、いまや葛飾や葛西まで町が広がり、奉行所の人数では取り締まりは不可能なの、
で、同心を増やして貰うように言っているのだが、中々手当てが出来ないでいると話すので、治安は悪いのかと聞くと、浪人のゆすり、たかりや町人の喧嘩は耐えないよ、1人働きの、
盗人も増えている、

今の処押し込んで人を殺める非道な者はいないので助かっているがと話したのです、色々歓談して江戸と横浜のの様子を聞きお開きとして根岸に戻り、茶漬けをかきこんで、湯に入り、
さっぱりして、寝酒を飲んでいると、お滝久しぶりに夜伽をしますが、お疲れではないですかと酌をするので飲み干し、さあと寝間に言連れて行き裸にして燃え上がったのです、お滝、
が暫くは江戸におられるのですかと聞くので、

そうじあよと言うと、嬉しいと胸に顔をうずめたのです、翌日は巡察報告の為に城に上がり、綱吉に拝謁して報告書を差し出したのです、長の巡察ご苦労であった、又禁裏の改革までし、
たそうじあな、さぞかしミカドがお喜びになったであろう、祭りの件は中々良い策じあ、余も朝廷に協力しょうと言うので、恐れ入りますと言うと、暫くは江戸にてゆつくりするのじあ、
ついでに江戸の掃除もなと笑ったのです、

江戸の町も人が増えて町奉行所も手一杯だが幕府にも余裕がないのでこれ以上役料は増やせんが何か良い方法は無いかと聞くので、岡っ引きと番屋を増やすくらいなら、そう費用はかか、
りません、岡っ引きは女房持ちを選び、めしやと居酒屋をやらせれば、食う分はでます、その開業資金は出してやれば良いのですと言うと、なる程給金は安くて済むわけじあなと言うの、
で、

人が増えたという事は、商人も儲けが増えたということです、冥加金の徴収も、公平にしなければなりませぬ、監査方を新たに設け、抜き打ちに抜粋して検査するのです、これは罰則を、
与えるのではなく、ちゃんと納めるように指導する為です、これは、算術に長けた浪人に委託し、帳簿のつけ方等を、指南させるのです、元締めは町名主として幕府より名主に委託費用、
を下げ渡し、

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