第80話

文字数 2,591文字


源三郎江戸日記(弟三部)80
 
それで上様も手をこまねいておいでなのか困ったもんだな、あのひねくれた性格は直しようもないが、地獄の苦しみを味わわせれば、反省するかも知れぬと言ったのです、飛猿に奴らは、
三島から船に乗るはずだ、三島に船を待機させ、どの船に乗ったかを調べ、出航したら後をつけて追い越しわしに知らせよと言うと、承知と言うと部屋を出て行ったのです、女将に柳沢、
様に使いを頼むと言って、

手紙を書いて渡したのです、2時たって柳沢が来たと言うので部屋に顔を出すと、耳にはいったかと言うので、あの性格では尋常なやり方では乱行はやめませぬがと言うと、幕閣でも困、
っているのじあよ、上様が呼び出されて小言を言われたが、聞く耳はないようで、参勤交代での一件は自分はご定法と通りにしただけで、罰せられるのは領内通行を差し止めた尾張公、
だと言い張っているのじあよ、

又領国での件は、一揆などは厳罰にするのが当然であり、筋道を通した藩主に逆らう家臣を、忠罰するのは当然だと言うているのじあと言うので、諸国巡察視の権限で忠罰しますが宜、
しいですねと言うと、しかし、藩主が死ねば改易にするしかないぞと言うので、どこかに、良い養子はいませぬかと聞くと、越前松平家に次男の直光殿がおり元々は直光殿が養子に、
行かれるはずだったのだが、

直道殿が自分が行くと申されたのじあ、越前公も否とは申されなかったのじあよと言うので、ならば直道殿は隠居させて新たに直光殿を養子に立ててくだされと言うと、しかし直道、
殿が隠居を承諾なされねばそれは出来ぬと言うので、それを承諾させます、家臣共が暴君を押し込めにして新たに藩主を立てた例はありますと言うと、家老をはじめ重臣が連盟で出せ、
ば可能じあが、

律儀者の時田は承諾すまい、奴は元は旗本400石の徒目付組頭だったのだが直道殿が養子に行かれるときに旗本から選んだうちの一人じあ、400石から1000石に取り立てられており直道、
殿に恩義がある、あとの10人もそれぞれ加増されているので承諾すまいと言うので、直道殿をかばってそれがしに逆らうなに中罰するまてで御座いますと言うと、奴らが逆らうと言う、
事は、

藩士500人が逆らうと言う事じあぞ、上杉藩兵を使う事はできぬがと言うので、承知しています、わたしが雇った者達で事は起こしますと言うと、それなら問題ないがしてあてがあるの、
かと聞くので、船頭と船子に浪人で御座いますと言うと、そなたの傭兵じあな、わかった、上様も否とは言われないであろう、このまま捨て置けば世の乱れとなる、事は内々にて済ま、
してくれ、

そち1人に責任はとらせぬと言うので、しかし一門が絡むとややこしくなりますなと言うと、いまや関が原から100年達家康公が苦労して平穏な世作りをされた事は、代が進めば忘れて、
一門は元から名門であったと思うのじあよと言ったのです、ところで、薩摩の揉め事もうまく処理したようじあなと言うので、気が遠くなるような借財で御座りました、武家の考える、
財政改革は無謀に御座りますと言うと、

商人の経験がないのでそなたみたいには出来る物はそうおらぬよ、我が藩もお陰で大分改革は上手く行っておる礼を言うぞ、又間部と新井を蝦夷地の検分に行かせたそうじあが、井の、
中のかわずを知れば良いのう、ロシアと近い稚内には駐屯地を作る用意をしておる、北国の藩に警護を任せるつもりじあが、費用が持ち出しになるので不満が出るであろうと言うので、
費用を捻出する方法を考えねばなりませぬなと言うと、

良い方法を考えてくれといったのです、今回の事では色々金寸もいるであろう、わしから5000両を寄進する明日上杉の役宅に届けておくぞと言うので、ありがたく頂戴いたしますと、
言うと、幕府から出すわけにはいかんからのうと笑ったのです、色々歓談して柳沢は帰っていったのです、源三郎は根岸に戻り、お峰、お滝、おあきに話しをして、今回は誰も連れ、
ていけぬがと言うと、

お峰がそれでは私の鉄砲をお持ちくだされ、火薬の量を調合して300間飛ぶようにしておきます、上杉から後2丁を借り受ければ、間断なく打てますというので、それは助かると頼んだ、
のです、源之進を抱きかかえて、早く大きくなりわしの手助けをしろと言うと、にこにこ笑っています、何か臭うぞ、こ奴笑いながら糞をしたぞとお峰に渡すと、赤子は乳を飲み糞、
小便をするのが仕事で御座いますと笑ったのです、

翌日は上屋敷の役宅に行きお玉に話をして、今回は連れて行けぬというと、承知しました留守はしっかり守りますと言うので、頼むぞと言って、御用部屋に行き次席家老に話しをする、
と、いつものとおり5人はついていきますというので、相手が相手だ上杉家を巻き込むわけには参らせぬというと、ならば、一時お家を退散させます、さすれば浪人の傭兵と言う事に、
なり、

上杉家とはかかわりなくなりますと言って、山形に話をすると、勿論承知で御座います、厭と言われてもついていきますというので、仕方ない但し、山形入れて5人のみじあぞと言うと、
鉄砲は各自3丁を用意しろと言うと、ハイ、腕の良い者を選びますといったのです、軍資金もお使いくだされと言うので、それは柳沢様から頂いたので問題ないと言ったのです、その頃、
明石藩では時田が藩士を集めて今回の参勤交代では、

かならず行列が襲撃される、こころして殿を守るのだ、江戸の藩邸は小人数を残し、200名は同行すると言い渡したのです、鉄砲は何丁あるのだと聞くと、江戸には10丁に御座います、
と言うので、それももって行くぞ、玉、火薬も用意しろと言ったのです、船の手配はと聞くと、三島に4隻の千石船を用意しました宿泊は横浜、小田原、三島に御座います本陣の手配、
は済んでいます、

今回は人数が多いので藩士、足軽は旅籠、寺、民家に分宿させます、一部は野宿になりますと言ったのです、権藤は一足先に江戸を出立して20人一段となってゆっくり横浜へ向かった、
のです、江戸屋の番頭に明石藩の者にきかれたら、鉄砲らしき物を馬の横腹にくくりつけ20人が徒党を組み小田原へ行ったと吹聴してくれと頼み、藤沢宿に宿泊したのです、明石藩は、
横浜で宿泊するので、

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