第17話

文字数 2,757文字


源三郎江戸日記(弟三部)17

ハイ、聞いた事はありますがどうゆう風に修練するのかは分かりませぬ、何かに混ぜるとその味が変化するのが、分かるのかも知れませんね、と言ったのです、そうですか中々難しいと、
言う事ですかと言うと、簡単な方法があります、混入している者を試しにその薬を飲ませればよいのです、混入されていると知ているも者はたとえ少量でも躊躇するでしょう、本当に死、
なないのかはわかりませんからね、

少しでも入っていると知っていて飲むのは勇気がいりますよ、わかっている、それがしでも中々飲めませぬと言うので、なる程良い方法ですねと笑ったのです、それがしは毒消しをいつ、
も持ち歩いていますと言うと、ほう、どんな薬ですかと聞くので、どんな毒にも聞きますといって、印籠を出すと、蓋を開けて中の木の栓を引き抜いて匂いを嗅ぎ、これは梅酢ですよ、
これはどの毒にも利きませぬがと言うので、

これを鼻を摘まんで一気に飲むと、胃の府の中の者が総てはき出ますと言うと、なる程異変にきずいたら素早く流し込むのですね、それはどんな毒にも効果があります、それで殿のご膳、
にはいつも梅酢が乗っているのですか、ただおいてあるので、何かにかけて召し上がるのかと思ってました、ご家老の指南ですか、どこで教わったのですかと聞くので、高鍋の祖母が、
ある時二日酔いをしまして、

寝ていたら台所につれていかれ、鼻をつままれ梅酢を流しこまれたのです、気持悪くなりいの中の者が総てでましたが、食べ物は消化されて何もなく、黄色い痰見たいのが大量にでた、
のです、これが苦くて、口をゆすぎましたら、祖母が何も食べないで酒を飲むので、胃の酸が胃の中に残りこれが二日酔いの原因なので、無理して何かを食べるか、この酸を外に出せ、
ばすっきりすると教えてくれたのです、

もちろんすっきりしましたよ、それでもし毒を飲めばまず胃に何かを感じるので、これを飲めば全部外にでるのではないかと、江戸の医師に言うたら、確かに毒を飲んだ場合は吐かせる、
為に大量の水を飲ませて、はきださせるが、梅酢の方が手っ取り早いと言つたので、もっているのですよと言うと、こんどからこの診療所にもありますのでそれを使いましょうと玄白が、
言ったのです、

二日はあっと言う間に過ぎてお春に今年の参勤交代で殿の行列とは別に秋山始め郎党と、相馬に行き玄海屋の船で江戸に行き、上屋敷の役宅に入るのじあ、わしは、江戸詰めになるので、
この屋敷は明け渡す、ほかの者は千坂殿の屋敷に奉公する事になっておると言うと、ハイと返事したのです、お春その時までに両親に別れの挨拶をするのじあ、いずれかは戻れるやも知、
れんが、

江戸に骨をうずめる事になるやも知れん、郎党も家族をつれて来てもよいぞ、参勤交代の前には江戸に戻っておる、若狭屋とお律は江戸にて会おうというと、道中気をつけてくだされと、
言うので、息災になと言うと馬に乗り城へ向かつたのです、治憲に出立の挨拶をして、お玉をつれて一路会津に向かったのです、何も繋ぎがないと言う事は危険はないと思うが、油断、
するな、およそ国境まで7里はあり城下までは14里じあ、

馬なら一日で行けるきょりじあが悪人がいれば掃除しなければならんと言つたのです、半日かかり国境をこしましたが特段見張っているものもなく、旅人も道が整備されていないので、
少ないようです、途中で昼飯を食べて早足で会津に向かったのです、会津に着いたときは日は暮れていました、城下の旅籠にわらじを脱ぐと、飛猿が入って来てご家老の指図通り医師、
にあたってみました所、

会津公はかなり悪いみたいです、最近は寝たきりだそうで、食事が喉を通らず食べても、吐いてしまうそうで、日に日に衰弱をしているそうです、御殿医師は心の臓の病と言うている、
そうですが、町医者の玄庵は症状を聞く限り心の臓の、病気ではなく胃の腑の病気ではと言っていました、腹を壊したと言って玄庵にかかり聞きだしたのですと言うので、にせ病気だ、
と言われたのではと聞くと、

ちゃんと腹痛を起す薬草を飲んだのでばれませんよと言うので、何の薬なのだと聞くと、砒素を少し呑めば直ぐに腹を下します、水だけ飲んでいれば1日で治りますというので、それを、
一年呑んでも死なない量はと聞くと、耳かきいっぱいくらいでしょう、それでも下痢はしますが、間隔をおけば下痢は止まり、又いれれば下痢します、飯が段々喉を通らなくなりかゆ、
くらいしか食べれなくなり、

衰弱して風邪等のほかの病気で死にいたります、まあ、1年くらいですかねと言うので、解毒剤はあるのかと聞くと、摂取をやめてかゆから飯が食えるようになれば段々元気になります、
体内にはのこらず爪や髪の毛が一番残るそうですと言うので、多分御殿医が砒素を薬と偽って茶の中に混入しているのだなと言うと、何のためですかと聞くので、どちらか分からぬが、
跡目相続の為だろう、

江戸家老一派とすれば綱道様が跡継ぎと決まっているのに幕府に正式に届けを出していないので、会津公を衰弱させて勝手に幕府に届けを出すつもりだ、又国家老一派とすればやはり、
会津公を衰弱させて勝手に幕府に届けを出すつもりじあな、元気な内にはやれんからそろそろやる次期なんだろうと言うと、城は警戒厳しくて近づけませんと言うので、そのくらいで、
よいぞ、

城には近づくな、その御殿医島田道庵の家に砒素があるか探ってくれと言うと、承知と言って部屋を出て行ったのです、お玉がどうする、つもりですかと聞くので、島田道庵を脅かす、
んじあよ、ともかく上様が会津公の事を心配されているので諸国巡察のついでに様子をみるように頼まれたと言う事にして、あした、会津公に会う事にしょう、どこかに砒素を混入、
している物があるはずじあ、

もつとも怪しいのは薬をいれるやかんじあな、女将を呼んでくれと頼むと部屋に入って来たので、もう無いかも知れんがみかんはないかなと聞くと、きんかんならつけたのがあります、
がと言うと、その木はないかと聞くと、うらの畑にありますと言うので、その葉っぱを三枚もって来てくれと言うと、ハイと言って部屋を出て行ったのです、何するのですかと聞くの、
で、

砒素を調べる紙を作るんじあよと言うと、きんかんの葉でですかと言うので、そうじあよと言うと、葉っぱをもって来たので、それを揉んで汁を出して、小さく細長い紙の下の部分に、
塗ったのを3枚ほど作り乾かしたのです、そばにあったやかんの蓋をあけてさつとつけて取り出し、火鉢の炭であぶると汁をぬった場所が黄色くなったのです、なんだこの水には砒素、
が含まれているぞ、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み