第95話

文字数 2,603文字


源三郎江戸日記(弟三部)95

さて佐渡屋お前はお店は取り潰しの上、打ち首になるが、蔵にはいか程あるのじあと聞くと、8000両に御座いますと言うので、それを総て差し出せば命は助けるがと言うと、ハイ、総て、
差し出しますというので、ここに持ってくるのじあと言うと、取りに行ったのです、名主にそなたに1000両を下げ渡す、これで時助が迷惑をかけた者へ保障せい、余れば町の為に使うが、
良いと言うと、

有難うござります、町衆が喜びますと言うので、下げ渡し帰ってもよいぞと言うと、帰っていったのです、同心が3000両を運んで来たので、奉行に今回は目をつぶるが、次は江戸に呼返、
して斬首じあぞ、そなたには1000両を下げ渡す、そなたの懐だけに入れるのではなく、奉行所全員の慰労に使うのじあと言うと、承知致しましたと言うので、それを持って帰り役目に戻、
るのじあと言うと、

ハハハッと言うと、みんなは帰っていったのです、さて佐渡屋じあが、その8000両の中から3千両は返してやる、が5000両は没収する、これよりは定められた利息以外は取ってはならぬ、
不正をすれば打ち首じあぞと言うと、ハイ、肝に命じますというので、それでは3000両をもって、帰るが良い、尚両奉行所へは月に50両を寄進せいと言うと、承知しましたと言うと、
帰っていったのです、

山形没収した金寸は船に運び込むのじあ、運びこんだら、隣の居酒屋に来いと言うと、承知と言うと、7500両を運んでいったのです、お雅、松吉頼むぞと言うと、ハイ、いいつけはしっ、
かり、守りますと言うので、女郎屋を出てとなりの居酒屋に行き祝杯を上げたのです、お鶴がお見事で御座りますと言うので、悪い奴から巻き上げた金で町が出来るわけじあよと言うと、
源三郎殿は金儲けの天才で御座いますなと言うので、

これが一番てっ取り早いわけなのですよと言うと、太らして食べる、と言う事ですよとお玉が笑ったのです、一つ気になる事がある、使いをやって採掘頭に、この島の地図を持って来て、
貰ってくれ、それに船頭に言うて我が国の地図をもってきてくれと言って、配下を使いに出したのです、何が気になるのですかとお玉が聞くと、あの採掘の本道は北東から東南に伸びて、
おり、

裏側が銀山になつておる、硬い岩盤に突き当たったと言う事は地層が違うと言う事じあ、恐らくあの辺で鉱脈は切れているのだろう、その先の鉱脈じあが恐らくあの部分から後は地下か、
ら余計に隆起したのであろう、さすれば下ではなく上に鉱脈がありそれが東南に伸びているのであろうと言うと、その鉱脈が発見できれば後100年は掘れるという事ですかと言うので、

多分そうでは無いかな、又あの地点から東南に線を引けば甲府の黒川金山に当たるのではないかと思うというと、それではその線上には金鉱脈があると言う事ですかと言うので、そうな、
んだが、地下から隆起したのが一定ではないので、地中深く取り出せない場所と取り出し易い場所があると言うわけじあなと言ったのです、お呼びだそうでと頭が入ってきたので席を、
進めてハイを重ねて、

この話をすると、そうです、恐らくもう直ぐあの坑道は終わりになると思います、あそこで地表から120間くらいです、大体岩盤は地中深い物が出てきますので、あそこより20間くらい上、
に鉱脈があり銀鉱脈の下を伸びて海に達しているのではないかと思います、海の下になりますと相当掘り進めなくてはならず、空気が薄くなりますので、それ以上は不可能と言う事になり、
ますと言うので、

村上様は中々地質に詳しいですねと言うので、この国はいまから6000万年前位にシナ大陸から分離したのではないかと南蛮の本に書いてあつたが、わしは違うのではないかと思う、なぜ、
なら、日本列島は東に弓なりになつている、もしそうなら、西に弓なりになっていないとシナとの分離面が合わないのじあよ、しかも高い山の上の方に貝の化石があるのが見つかている、
と言う事は、

日本列島は6000の万年位前に海から盛り上がって、出来たのではないかと思う、そのときの隆起の仕方で亀裂が入りその部分から地下深くにあった金、銀、銅、鉄などの含まれた溶岩が、
噴出して冷えて塊り金、銀、銅、鉄、鉛が分離された、それは冷える過程でそれぞれに固まる温度が違う為ではないのかな、その中でも鉛が一番温度が低くて溶けるので、鉛が金を取り、
出すのに使われているのだろうと言うと、

頭がなる程そうかもしれません、確かに灰吹方は一旦鉛に溶け込ませ、それを灰を使って加熱して鉛を灰に浸み込ませて金、銀を分離する方法ですと言って、金や銀鉱山が見つかるのは、
川や山肌にそのかけらが見つかるので、周りを調べて見つけるのです、あの本道にあった縦、横あなは鉱脈を見つける為の仮堀です、今は少しづつ下に伸びていますがもうじき切れるで、
しょう、

今は島の半分あたりですから、見つかって100年ですので、うまく行けば後100年は産出できると言う事になります、もう一本見つかれば良いですがと言うと、今の精錬方法では銀の中に、
金も含まれているのだろう、この分離精錬方法が見つかれば金の産出も高まるわけじあなと言うと、ハイ、と言うので、あの廃鉱石はたからの山になるかもしれんなと言うと、灰吹方は、
シナからもたらせられたそうです、

南蛮にはもっと良い方法があるのかも知れませんと頭が言ったのです、船から地図を持ってきたので糸を使って佐渡島から東南に線を引くと、たしかに、その線上に黒川金山はあります、
柏崎から信濃を抜ける場所にもあるのだろうと言うと、お鶴が越後にもある可能性がありますねと言うので、丁度上越の春日山城があったところ当たりが線上じあな、お鶴殿は国に戻っ、
たら山師に調べさせて見ると良いと言うと、

ハイ、見つかれば長岡藩は裕福になりますねと喜んだのです、それでは頭に2000両を下げ渡そう、これで、新しい鉱脈を発見してくれ、これはそなたに下げ渡すので、奉行の管轄外じあ、
自由に使うが良い、まさに金が金を見つけるわけじあなと言うと、わかりました、大事にお預かりしますと言ったのです、それでは行くぞと言うと店を出て船に戻り、頭に2000両を渡し、
て一路金沢に向かったのです、

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