第28話

文字数 2,895文字


源三郎江戸日記(弟三部)28

口から飲むのは胃の府の酸で殆ど死滅する、腹痛はそれが残って少腸、大腸にいき腹痛を起すのじあが、人の体はそれを殺すものが、血の中にあるので少しなら病気にならないのじあが、
多くなると逆に殺せずに体を蝕む、熱が出るのは体内の熱でその菌を殺そうとするわけじあが、人の脳だけは熱に弱いので頭は冷やさねばならんと言う訳じあよと言うと、そうですか、
と言うので、

その中に優しく説明してあると言うと、わかりましたやってみます、新之助にも学ばせましょうと言うので、そうするが良い、この本を写本して近隣の村にも指南してやれば多くの人が、
助かるじあろうと言うと、ハイ、医者は沓掛宿か安中宿まで行かないといません、この辺の人は喜ぶでしょう、有難う御座りますと言うので、ここに100両ある色々そろえるのに使うが、
良い、

わしの代わりにやって貰うのじあ、遠慮しなくて良いぞと言うと、こんなに沢山よろしいのですかと言うので、あっても邪魔にはならぬであろうと言うと、大事にお預かりいたしますと、
受け取ったので、それでは、一つ蕎麦でも打ってくれぬかと言うと、ハイ、暫くかかりますので、酒でも飲んでお待ち下さいと、酒と漬物を出したのでみなで杯を重ねたのです、お玉が、
あの本は役に立ちますねと言うので、

玉屋が沢山刷ってくれたので助かるよと言うと、彫って貰ったのですかと聞くので、いいやと理屈を話すと、なる程それで直ぐに本が出来る訳ですか、道理で版画みたいになっているの、
ですねと言うので、一々写本しなくて良いわけじあよ、千両より価値があると言うわけじあ、薬は野山にあるのでタダと言うわけじあよと言うと、ほんとうに色んな事を知っているので、
すねと笑ったのです、

暫くして出来ました、山菜蕎麦です、ネギ、蕨、薇などの山菜が入っていますと言うので、一口食べてこれは美味いと言うと、みなも腰もあり美味い、美味いと食べるので女将が喜んで、
いたのです、食べ終わり、しかしこれだけの腰を作るのは女子の力では無理じあろうと言うと、すみませぬ、手ではなく足で踏むのですと言って、布巾を二枚被せてやりますので汚くは、
ありませぬよと笑ったのです、

お玉がそうですか、私にも指南してくだされと言うので、ハイ、奥方様も覚えられると良いですねと言うと、台所に連れて行ったのです、よし時間があるので谷川まで降りて岩魚でも、
捕まえるかと言って、新之助穴場に案内してくれと言うと、うん、と言うので細道を谷川に下りていったのです、釣竿2本あるのでやってみなされ、あの岩にいますと言うので、山形、
と分かれて、

新之助に山形に指南してやれと言うと、みんなは水面に体が映らないところから見ておれと言うと、餌をつけてぽ~んと投げて流すと、すぐに、ぐぐぐ~とかかつたのでゆっくり引っ、
ぱり、頭を川面に出させるとおとなしくなつたので、引き寄せて上に上げると、新之助が村上様は名人ですねと言つたのです、山形にもかかったのですが慌てて上に上げると、体を、
捻って飛んだので、

針から外れて逃げたのです、ダメですよゆっくり引いて、顔を水面から出すとおとなしくなるので、岸辺に引いてきて持ち上げるのです、もう一度と言うので、すまん、すまん、慌てて、
しもうたと言ったのです、源三郎がおまえ達もやってみろと竿を渡すと、次々と挑戦してましたが逃げられたのですが、なれて来たみたいで何とか一匹づづは吊り上げたのです、山形、
が何にでもコツがあめのですねと言うので、

みんな1匹づづは上げたので、自分の吊り上げた岩魚で酒をのめば美味いぞと言うと、ハイと喜んだのです、新之助が網で川もを探ると、沢山の海老がいます、ほう川海老にしては大き、
いにと言うと、この沢かにも揚げるとコリコリして美味いのですと言つて、沢山籠にいれたのです、帰りましょうと言うので細道を登り峠の茶に戻ったのです、女将が沢山取れました、
ね、

蕎麦も打ち終わりました、夕餉にはざる蕎麦を出しましょう、奥方様の腰の使いで良い蕎麦が打てましたよと言うので、そうかこれから楽しみじあなと言うと、お玉が手ではとても無理、
ですよ、切り方も女将に比べればちょいと太めになりましたと笑ったのです、お湯が沸いています入って来てください、峠の日暮れは早いですよと言うので風呂に行って汗を流したので、
す、

湯船に入ると回りから新緑の香りがしてとても気持ちよく入れたのです、湯から上がりあがり酒を飲んでいると皆が上がつて来て、お玉が新緑の香りがして良いにおいがしていました、
つかれが取れましたと言ったのです、膳をはこんで来たので皆で杯を重ねたのです、見ると山菜の天ぷら、岩魚の塩焼き、雉汁、ざる蕎麦です、これがお玉の打った蕎麦じあなと言っ、
て一口食べると、

ほう女将の打った蕎麦と同じで中々腰があるぞ、美味いと言うとみなも本当に御座りますな、これは美味いですなと言うと、お玉が喜んでいたのです、歓談しながら夕餉を取り、山形、
が、色々行く先々に食したものを書きとめました、これで道中名物記でも作ろうと思つていますと言うので、なるそれは程良いな、玉屋で刷って貰えば沢山売れて儲かるぞと言うと、
ハイ、帰ったら編纂しますと言つたのです、

配下の中西がそれがしは、風景を書きとめました、帰ったらこれに色をつけますというので、なる程それも玉屋で刷ってもらえば、旅にでた積もりで見れるので楽しみではないかと言う、
とほかの者も何か私たちも考えますと言つたのです、色々あるじあろう、この宿場のこの居酒屋は良いとか、女郎屋のこの女子は良かったとかと言うと、なる程それがしは女郎屋にし、
ますと言うので、

奥方はいないのかえとお玉が聞くと、ハイ、独り身で御座いますと言うので、それなら良いな、奥方がいるものは叱られますぞと言うと、ハイ、と皆が返事したのです、それでは私は、
土地、土地の料理を覚えて本を作りましょうと言うので、それも良いな、みな、楽しみが増えて楽しい巡察になりそうじあなと言ったのです、下の方で声がしたので女将がこんな時間、
にと下に降りていくと、

町人と娘がここに泊まれますかと聞くので、女将がハイ、こんな遅くにと言うと、急いでいたので峠を越して次に宿を取ろうとしたのだが、娘が足に怪我をしておぶっておっとここ、
まで登って来たのですと言うので、まあそれは大変と言うと、桶を出して足のサラシを取ると、左足の内側が切れています、綺麗に拭いて、少しまってくださいと言って、二階に上が、
り、

済みませぬ、あしを怪我したらしいのですがと言うので、わかったというと下に降りて、どれと、見るとざっくりと裂けています、これはいかん、女将酒とさらしをと言って上に上げ、
て、2針縫えば良いじあろうと言つて、さらしを酒につけて、綺麗にふき取り、少し痛いがと言って、お玉この棒を口にくわえさせて手を抑えてくれ、山形は足を、貴方は体を押さえ、
てと言って、



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